探偵は友人ではない の商品レビュー
中学生の男女を主人公に、日常に紛れ込んだ謎を解決していく連作短編集の、第二弾です。第一作同様に、どこか懐かしいジュブナイルの風情漂う少年少女の感情が描かれていて、とてもさわやかな印象です。 とはいっても万事解決、とすっきりと終わらせるのではなく、単純にそうはいかない機微をあらわ...
中学生の男女を主人公に、日常に紛れ込んだ謎を解決していく連作短編集の、第二弾です。第一作同様に、どこか懐かしいジュブナイルの風情漂う少年少女の感情が描かれていて、とてもさわやかな印象です。 とはいっても万事解決、とすっきりと終わらせるのではなく、単純にそうはいかない機微をあらわにしていくので、ほろ苦い味わいです。作者不詳のゲストの立ち位置、描き方は好きだなと思いました。ことさら問題として重く描くのではなく、寄り添うようなスタンスが好みでした。 謎そのものはロジカル、理数系とでもいうのか、そちらの方へ傾いていて読んでいて理解しきれないところはあり、また、冒頭の一篇もそこまでその年齢差でするだろうか、と少し感じたところはありました。 それでもレギュラーキャラクタのなれ合いすぎない、けれどちゃんと親しい距離感と、探偵役と謎を持ち込む少女の微笑ましいぎこちなさ、北海道の日常風景の描写など、細やかな描写が丁寧で読んでいてとても心地よかったです。
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高校を舞台にした日常のミステリー4編。海砂真史が遭遇したちょっとした謎を、頭が良すぎて高校に行かない変人の鳥飼歩に持ち込んで解いてもらうというもの。今回の謎はちょっと魅力には欠けるかもしれないが、登場人物たちのやり取りは楽しめる。真史の周りの人物たちには悪意のある者はいない。安心...
高校を舞台にした日常のミステリー4編。海砂真史が遭遇したちょっとした謎を、頭が良すぎて高校に行かない変人の鳥飼歩に持ち込んで解いてもらうというもの。今回の謎はちょっと魅力には欠けるかもしれないが、登場人物たちのやり取りは楽しめる。真史の周りの人物たちには悪意のある者はいない。安心できるが、次回は違う展開を期待したいところだ。真史と歩の関係も普通の友人ぽくなってきた。こういう微妙な動きは面白い。
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【収録作品】第一話 ロール・プレイ/第二話 正解にはほど遠い/第三話 作者不詳/第四話 for you
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幼馴染から、探偵と依頼人という関係を経て変わっていく二人がとても良い。 謎がなくても、名探偵に会いたい。
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楽しみにしてい続編。 良かったけど、前回の方が好みだったかな。 なんかライトな感じで、少し物足りなかった。
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鮎川哲也賞受賞作「探偵は教室にいない」の続編作。 全4編の連作短編集で、日常生活にちょっと変かなと思ったことを解決していくライトなミステリーです。 今回は、少年少女の成長物語よりはミステリーの方が印象深く、数学的な推理が際立っていて、なかなか文章だけでは想像しづらい部分もあり...
鮎川哲也賞受賞作「探偵は教室にいない」の続編作。 全4編の連作短編集で、日常生活にちょっと変かなと思ったことを解決していくライトなミステリーです。 今回は、少年少女の成長物語よりはミステリーの方が印象深く、数学的な推理が際立っていて、なかなか文章だけでは想像しづらい部分もありましたが、個人的には面白かったです。 基本的な流れとしては、少女・真史(まふみ)が疑問に思ったことを幼馴染の少年・歩に相談し、歩が推理して解決していく構成になっています。幼なじみですが、淡白な関係なので、なんとも言えない独特な雰囲気を醸していました。謎が解けた後の登場人物たちの心理描写が独創的でもあり、想像を膨らます表現でもあったので、ミステリーだけでなく、余韻の残し方も印象的でした。 ただ、謎となるものがスッキリ解決!というわけではなく、解決してもモヤモヤ感は残るので、ミステリーとしては、うーん・・・と思ってしまいました。そういった意味でも余韻が残る作品でした。 真史と歩が、回を重ねるごとに恋愛には発展せずとも依頼者と探偵の関係からどのように変化していくのか。 余韻がクセになる作品でした。
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