さざなみのよる の商品レビュー
読み始めてすぐ「おや、この人達知ってるぞ」と思い、文庫本を裏返すと『富士ファミリー』と書いてあるではないですか! ナスミさんにまた会えるとは。
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主人公のナスミは43歳という若さで亡くなってしまうが、この作品は死を悲観的に描いていないところが興味深かった。 また主人公自身の、自分の余命が長くないと悟った時の人生の引き際が清々しいとさへ思った。 実際には色んな葛藤があったのだろうけどナスミにはそれを感じさせない強いパワーを感...
主人公のナスミは43歳という若さで亡くなってしまうが、この作品は死を悲観的に描いていないところが興味深かった。 また主人公自身の、自分の余命が長くないと悟った時の人生の引き際が清々しいとさへ思った。 実際には色んな葛藤があったのだろうけどナスミにはそれを感じさせない強いパワーを感じた。 私自身はどうだろう、自分の命が短いと知った時ナスミのような強い心で家族や友人に別れを告げ、去ることができるだろうか。 ああ、悪くない人生だった!と言えるよう今を大事に、人に優しく生きていきたい。
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けっこういい人生を送るには どうしたものかと 自分の人生を振り返ってみると なんだかんだ言っても 案外いい人生を 送ってたりする
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単行本も読んだのですが、なんとなーくしか覚えていなかったので、今回文庫化するということで改めて読んでみました。 癌で亡くなったナスミ。関係者たちがナスミについて色々昔の思い出を語っていきます。次々と浮かび上がるナスミの存在に衝撃の過去があったり、感動があったりと最初に思い描いて...
単行本も読んだのですが、なんとなーくしか覚えていなかったので、今回文庫化するということで改めて読んでみました。 癌で亡くなったナスミ。関係者たちがナスミについて色々昔の思い出を語っていきます。次々と浮かび上がるナスミの存在に衝撃の過去があったり、感動があったりと最初に思い描いていたナスミとは違う像が浮かび上がるので、意外でした。 関係者たちが各話ごとに異なる人が主人公となっていきます。一つ一つのエピソードは短く、簡潔なのですが、読んだ満足感がありました。死だけでなく、不倫や誘拐未遂など比較的暗めなテーマが登場するのですが、気持ちとしては明るく捉えられました。一旦受け止めてからのその先の行動が、気持ちを明るくさせてくれるので、全体として、読了感が良かったです。 最後には、片桐はいりさんの解説があるのですが、印象深かった文章が。 「死後の世界って、あの世ってことじゃなくて、この世こそたくさんの人の死後の世界なんだ」 たしかに、そう考えると、より身近で明るい感じがしました。ナスミの死後の世界は、存在はないけれども、今までと変わらず、みんなの記憶には残っている。 「あの世」として考えるのではなく、「この世界」として捉えるのも悪くないなと考えてしまいました。 ページ数が多くの小説よりも少なめなので、いろんな方に読んでいただきたいなと思いました。
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