非色 の商品レビュー
私が生まれる半世紀ほども前に書かれた本なのに、確かに今ではタブーと思われるような表現が多々あるが、根本的な人間の価値観には共感する部分が多かった。 平等とか多様性とかこんなに叫ばれている時代なのに、こんなに共感してしまう部分が多いのは、この本で差別の原因を”色”と決めつけていたの...
私が生まれる半世紀ほども前に書かれた本なのに、確かに今ではタブーと思われるような表現が多々あるが、根本的な人間の価値観には共感する部分が多かった。 平等とか多様性とかこんなに叫ばれている時代なのに、こんなに共感してしまう部分が多いのは、この本で差別の原因を”色”と決めつけていたのと同じように、目に見える表面的な違いを不自然なまでに許容しようとしているだけに過ぎないからなのではと思った。まさに色に非ず。 この本を読めば、多様性を受け入れること、平等社会を目指すこと、の問題の深さをより一層感じられるのではと思う
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マティスの絵に惹かれて手に取った本。 知らなかったけど1967年に刊行された本と知り驚いた。 というのもほとんど違和感なく読めたから。(私は) 現代の人が昔の話書いてるのかと思ってた。 アメリカの中でも、いろんな国の人によって扱いや暮らしが違ったりって言うのを知れたし、全然飽きな...
マティスの絵に惹かれて手に取った本。 知らなかったけど1967年に刊行された本と知り驚いた。 というのもほとんど違和感なく読めたから。(私は) 現代の人が昔の話書いてるのかと思ってた。 アメリカの中でも、いろんな国の人によって扱いや暮らしが違ったりって言うのを知れたし、全然飽きなかったし、ちまちましか読む時間なかったから時間かかったけどまだまだ読みたいぐらい面白かった。
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「差別意識」について深く考えさせてくれる素晴らしい小説だった。 1967年に刊行された作品だけれども、けっして色あせていない。差別は相変わらずあり、というより、以前より細かく差別は存在する。これからも読まれ続けなければならない作品だと思う。主人公の笑子が娘メアリーの態度から、「こ...
「差別意識」について深く考えさせてくれる素晴らしい小説だった。 1967年に刊行された作品だけれども、けっして色あせていない。差別は相変わらずあり、というより、以前より細かく差別は存在する。これからも読まれ続けなければならない作品だと思う。主人公の笑子が娘メアリーの態度から、「こんな小さな穴倉の中でさえ人間は使う者と使われる者とに別れるのだろうか!」と心の中で叫ぶシーンが忘れられない。テーマは重いけれど、主人公の明るいたくましさとユーモアに引き込まれて、ぐいぐい読める。 斎藤美奈子さんの解説もよかった。
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人種差別の意識のどうしようもなさが悲しい本だった。 プエルトリコ人が黒人よりも下なんて初耳だ。 差別を前に自分を保つのがニセの誇りも悲しみ
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差別の根底にあるものが見えてくる。 戦後、黒人兵と結婚した笑子は、戦争花嫁としてアメリカに渡り差別される側であったが、自分の中にも差別意識があることに気づいていく。 アメリカの人種問題だけではないだろう。現代も同じだ。いじめも根っこは同じなのか。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読書会 課題図書 ずっと昔、読んで衝撃を受けたことを思いだした あの時よりも「非色」の意味が胸に迫る 復刊されてよかった 今も新しい ニグロに対する日本でのそしてアメリカでの差別 しかもまだ下層とされる人々がうごめいている 「戦争花嫁」と言われた女性を描くことによって まざまざと映し出す現実 笑子の前に進む力に救いを求めて読み進める そして、ラストの決意 文壇では「大衆的」だとあまり評価されなかった有吉佐和子 すごい作家だと改めて思う 世界で日本で 私の中に この差別 一体何ものなんだろう カバーのイラストの赤い心臓が胸をつく ≪ 色でない 差別の現実 それはなぜ ≫
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人種差別の話。こういうのを知る機会は大事だと思う。ただ頭の弱い私にはちょっと難しかったりもするけど。
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2022/12/16読了 自分が差別されていても、その差別している人と同じような感情を他の人に抱いている。 結局、みんな無理やり自分よりも下の人をつくらなければ、やっていけないのか疑問に思った。
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日本とニューヨークへと舞台を移し、色んな人種がいる中で起こる差別構造について赤裸々に、ユーモラスにも描かれていて、読む手が止まらなかった。 「肌の色ではない、階級闘争なのだ」 人間は自分より下の存在を作らなければ、自分の尊厳を保てない生き物なのだと、改めてゾッとしました。 もち...
日本とニューヨークへと舞台を移し、色んな人種がいる中で起こる差別構造について赤裸々に、ユーモラスにも描かれていて、読む手が止まらなかった。 「肌の色ではない、階級闘争なのだ」 人間は自分より下の存在を作らなければ、自分の尊厳を保てない生き物なのだと、改めてゾッとしました。 もちろん自分の事も例外ではなく…。 これが50年以上も前に書かれた作品だなんてと驚くと同時に、未だギャップを感じられない現代の状況。 人間ってなんて残酷で逞しい生き物なんだろうと考えさせられました。
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いやぁ、これは興奮して読みました。ルッキズム、レイシスト…最近そういう言葉について、私はこう思うみたいな発信よくあると思うけど。いやぁ、この本は「いろんな考えが世の中にはあるよね」っていう発信があちこちから出るよりもちろん、ずっと前に、人の肌の色について、差別について、すごく子ど...
いやぁ、これは興奮して読みました。ルッキズム、レイシスト…最近そういう言葉について、私はこう思うみたいな発信よくあると思うけど。いやぁ、この本は「いろんな考えが世の中にはあるよね」っていう発信があちこちから出るよりもちろん、ずっと前に、人の肌の色について、差別について、すごく子どもみたいに純粋に向かい合ってて、おもしろかった。 周囲の反対を受ければ受けるだけそれを英雄的な行為と思って誇らかな気分で結婚する 私は私の愛の証を見ているような気でいた 腐心 愚かな頭脳に付属している口はもっと愚か 鋭利な頭脳の持ち主 母が私の心をぴたりと言い当てたからである。まるで母は、私の舌のような役目を果たしていた。 私はその場で即死したように思う。メアリイを抱きしめて無事に青山のアパートに戻ったのは、私でなくて私の亡骸だった。 慟哭 どうこく 何が悲しいのか分からなかったし、どうして涙が出るのかも分からなかった。ただ明らかに強い衝撃を受けた後なのだということだけがはっきりしていた。 バイレイシャル
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