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サード・キッチン の商品レビュー

4.2

47件のお客様レビュー

  1. 5つ

    13

  2. 4つ

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2024/07/09

複雑でもがき続けているアメリカをビビッドに描いている作品。大学でアメリカに留学した筆者、その時の体験が鮮やかに生きているのだろう。私自身アメリカに5年住み、地域社会や自分が通う学校はカルチャーショックという一言では表現できない体験だった。私には家庭という安全地帯があってのアメリカ...

複雑でもがき続けているアメリカをビビッドに描いている作品。大学でアメリカに留学した筆者、その時の体験が鮮やかに生きているのだろう。私自身アメリカに5年住み、地域社会や自分が通う学校はカルチャーショックという一言では表現できない体験だった。私には家庭という安全地帯があってのアメリカ生活だったが、単身留学、よくここまで結晶するまで頑張ったなぁ。多様性どころか、全員違う事情からなるのがアメリカ。差別はしてはならない、したくないが建前だが、根付いたものはしぶといのが実情。でも理想を諦めない。アメリカ好きだよ(全部ではない)。そういうアメリカ体験は孤独に受け止めて自分自身で処理してきたが(帰国後少し人の力を借りた)、別の場で体験した日本人である筆者のフィルターを通してアメリカを読めて面白かった。本にしてくれてありがとうと言いたい。

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2024/06/01

憧れのアメリカの大学に留学したものの、言葉の壁や周りの学生の華やかさに気後れして、心が引いてしまう尚美。尚美の心情や状況は、私も今までの学校や社会で味わったことのある感覚で「私だけが感じていたことじゃなかったんだ」と大いに共感。また、尚美が多様な差別を見聞きして、戸惑ったり悩んだ...

憧れのアメリカの大学に留学したものの、言葉の壁や周りの学生の華やかさに気後れして、心が引いてしまう尚美。尚美の心情や状況は、私も今までの学校や社会で味わったことのある感覚で「私だけが感じていたことじゃなかったんだ」と大いに共感。また、尚美が多様な差別を見聞きして、戸惑ったり悩んだりするのと一緒になって考え込んでしまいました。

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2024/05/30

留学して広い世界に気がついて成長する話。ネガティブでコミュ障なのが主人公と重なるので、終始結構切なかった。留学うらやまし〜

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2024/05/12

日本人はアジア人で、アジア人は白人から見たら劣る存在、みたいな感覚はあるのだろうな。 これだけネットで世界が繋がって、情報が共有されて、それでも目に見えない壁、偏見も確かにある。過去からつながる歴史的なものもあれば、ただ感情的なものまで。 久子さをんに手紙を書くことで自分を奮い立...

日本人はアジア人で、アジア人は白人から見たら劣る存在、みたいな感覚はあるのだろうな。 これだけネットで世界が繋がって、情報が共有されて、それでも目に見えない壁、偏見も確かにある。過去からつながる歴史的なものもあれば、ただ感情的なものまで。 久子さをんに手紙を書くことで自分を奮い立たせ、また久々さんとの関係性がわかってくる構成もよかった。 ただ、細かい葛藤や悩みやらは気持ちが添わず、だいぶ流し読みした(・_・;

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2024/04/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

サードキッチンという表題につられて軽い気持ちで借りて読んでみたけど、読んでいる間も終始ずっと自分の頭の中で、主人公の尚美みたいに正解のない答えをずっと考えつづけながら、気がついたら読み終わってた。 こんな風に自分の頭でずっと考えながら、受け入れながら読み進めた本って今まであったかな...。取り扱っているテーマは単純なものではない、でも誰の心にも存在しうるもの。ページをめくるたびに訴えかけられている気がしてならなかった。 できれば、英語や外国語を学んでいた学生の頃にこの本に出会いたかった。

Posted byブクログ

2024/02/25

ブレイディみかこさんの「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー」のような。 白人黒人、歴史、貧困、ジェンダー、言語の差(訛り)、、色々なマジョリティ、マイノリティがあり個人それぞれの立場やスタンスがあるからこそ重なり合ったり対立する様の多さにすごく同時に考えるべきことが多いなと...

ブレイディみかこさんの「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー」のような。 白人黒人、歴史、貧困、ジェンダー、言語の差(訛り)、、色々なマジョリティ、マイノリティがあり個人それぞれの立場やスタンスがあるからこそ重なり合ったり対立する様の多さにすごく同時に考えるべきことが多いなと思った。 主人公の、英語の拙さがゆえに伝わってない、馬鹿にされていると感じてしまうことや、ワードチョイスにより思いもよらない形で相手を傷つけてしまう経験はすごく共感できて心が苦しくなった。 無知、無関心=未熟 と突き放される世界で生き抜くには過去を学び自分のスタンスをきちんと言葉にでき、相手の立場を様々な観点から想像して、言葉選びをする配慮が必要なのだ。それを第二言語で行うのだから本当にすごい。

Posted byブクログ

2023/12/04

読んでよかったと思える一冊だった。 期待を胸に挑んだ留学生活の現実は・・・ 言葉のハンデ。うまくいかない事だらけ。劣等感。 苦しいほど悩みの多い日々。でも日本への手紙ではちょっと嘘をついて楽しいキャンパスライフを報告する。そんな殻に籠もった日本人留学生が仲間と出会い成長していく。...

読んでよかったと思える一冊だった。 期待を胸に挑んだ留学生活の現実は・・・ 言葉のハンデ。うまくいかない事だらけ。劣等感。 苦しいほど悩みの多い日々。でも日本への手紙ではちょっと嘘をついて楽しいキャンパスライフを報告する。そんな殻に籠もった日本人留学生が仲間と出会い成長していく。仲間との日々は楽しいことも悲しいことも、とにかく濃くて学びが多い。無自覚だった差別意識に気付き、新たに悩むことも。 出会い、気付き、悩み、考え、前に進む。こんな経験は一生の宝物だと思う。

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2023/11/24

「後悔」の語源が「ものすごく悲しむ」と聞いて、なるほどなあと思った。 海外じゃなくても、日本でも、相手を一人の人として見るより所属しているタイプに当てはめて見てしまうことってあるよなと思った。 例えば、関西人なら騒がしい、とか。 タイプで見れた方が相手のことを掴みやすいからなのか...

「後悔」の語源が「ものすごく悲しむ」と聞いて、なるほどなあと思った。 海外じゃなくても、日本でも、相手を一人の人として見るより所属しているタイプに当てはめて見てしまうことってあるよなと思った。 例えば、関西人なら騒がしい、とか。 タイプで見れた方が相手のことを掴みやすいからなのかもしれないけど、わたしは相手の話に耳を傾けて、相手の言葉を聞いて相手のことを知っていけるようになりたいと思った。

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2023/08/28

913.6||シラ (3階日本の小説類) おいしいご飯がでてくる話かと思いきや、ハードな内容でした。 主人公のナオミは念願のアメリカ留学をする。留学できる英語力でも、現地では通用しないもどかしさを痛感する。言葉の壁は厚く、学校になじめない。それに加えて、日本では感じることのない...

913.6||シラ (3階日本の小説類) おいしいご飯がでてくる話かと思いきや、ハードな内容でした。 主人公のナオミは念願のアメリカ留学をする。留学できる英語力でも、現地では通用しないもどかしさを痛感する。言葉の壁は厚く、学校になじめない。それに加えて、日本では感じることのない差別。それは受ける側でもあるし、無自覚に差別している自分にも気づかされる。自分の殻に閉じこもりがちなナオミは、様々なルーツを持つ学生が運営する食堂「サード・キッチン」に出会い、少しずつ変わっていく。 まるで留学疑似体験をするかのような1冊です。

Posted byブクログ

2023/04/11

好きな本です。冒頭の、コミュニケーションがうまく取れないシーンなんかは言語が同じても起こり得るし、気持ち想像できるなぁと思いました。留学を考えているひとや興味のある人にもよくオススメしています。

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