闇裁き(1) の商品レビュー
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これは、中々にバイオレンスなスカッと感のある青年漫画だ。 精神的にヤバい奴じゃん、と言われそうだが、私は、こういう、猛毒を以て毒を制す内容の漫画が結構、好きなのである。 岩城宏士先生の『スモーキングサベージ』や、平松信二先生の『ブラックエンジェルズ』シリーズ、西川秀明先生の『職業・殺し屋』シリーズや、今現在、ヤングアニマルで大好評連載中の『合同会社 正義屋』が好みな人は、きっと、この『闇裁き』も面白い、と感じてくれるだろう。 死ぬよりも辛い目に遭い、精神が破綻した者が復讐心の権化になり、自分と家族から「普通」の生活と未来を奪った外道に痛みと苦しみ、そして、死と言う形で罰を与える。 実にスカッとしますね。 そんなに、日頃の生活でストレスが溜まってるのか、と心配されちゃいそうだが、この『闇裁き』のような漫画を読めば、綺麗さっぱり流されるような心の澱なので、まだ大丈夫だろう。 絵柄が刺々しく、また、ダークさ全開の粗い感じなのが、復讐譚なストーリーにマッチしている。このように、絵柄とストーリーに違和感がないってのも、私的に高評価だ。 これが、久保田先生のデビュー作っていうんだから、今後、どうなっていくのか、楽しみで仕方ない。 ちょっと不安があるとすると、この巻で終わってしまっているのかな、ってトコかな。(1)とは入っちゃいるから、続きが出るのだろう、と期待しているのだけど、(2)が電子版で出たら、ちょっと参るな。私、紙派なんで。 どの話も好きだが、成長性を感じられる「神の名のもとに」が、私的に一番のお勧め。人間、ここまで変われるんだな、と変に感心してしまう。 この台詞を引用に選んだのは、凄味を最も感じたので。 負の感情が捻じれず、歪まず、腐らず、こうも真っ直ぐになると、人は確かな平常心と克己心を保ったままで、闇に生き、外道を消す存在になる覚悟が決まるのだな、と戦慄した。 どう考えても、正しい行いではない。 しかし、間違った方法だからこそ、世の中から悪を滅ぼし、誰かを救う事もあるのだろうな。 (―――――・・・オレみてぇな・・・人達を・・・――――――あの地獄の・・・底から・・・救えるのなら・・・――――――いくらでも、殺ってやる)(by新道拓巳)
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