だまされ屋さん の商品レビュー
この著者の作品を読むのは初めてらしい。何かで勧められていて読みたい本リストに入っていた本。 これは家族の再生の物語。長い時間がたつうち、大黒柱だった(?)父も亡くなってそれぞれが別々に暮らしている母・秋代と息子2人と娘1人。妙に潔癖な長男・優志、だらしない次男・春好、シングルマザ...
この著者の作品を読むのは初めてらしい。何かで勧められていて読みたい本リストに入っていた本。 これは家族の再生の物語。長い時間がたつうち、大黒柱だった(?)父も亡くなってそれぞれが別々に暮らしている母・秋代と息子2人と娘1人。妙に潔癖な長男・優志、だらしない次男・春好、シングルマザーの娘・巴。優志の妻・梨花、春好の妻・月美も絡んでくるし、家族の再生をたくらんだ未彩人と夕海なんて人たちも出てくる。家族の再生の物語といってもいわゆる美しい感じじゃなくて、ちょっと滑稽で面白い。読売新聞の連載小説だったらしいけど、それもちょっと驚いた。 この物語のツボは、いろんな人たちが一緒に暮らしたり過ごしたり思いを出し合ったりすることで、血のつながりのある家族のなかで凝り固まっていた毒が浄化されていくところだと思う。こういう血のつながりによらない家族みたいなお話は非常に自分好みなのだ。しかも、梨花は在日コリアン3世だし、巴の娘・紗良はプエルトリカンとの間にできた子。巴はニューヨークで長らく暮らしていて紗良を産んだんだけど、紗良の父にあたる男はしょうもない無責任男で、その代わりといっては何だけどその妹と助け合って暮らしていたとか。ここにも血のつながりによらない家族がいる。 もう一つのこれはさらに個人的なツボだけど、男として生きることに違和感があるという自覚がある優志の自己分析的な独白にとてもシンパシーを感じた。こういうことを書ける星野智幸さんってどんな人なんだろう。
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話がややこしいので、登場人物の相関図を書きつつ読んだ。 結局、こじれた家族モンダイを家族だけで解決するのは難しいってことかしらね。 親戚だってムリかも。 それは私自身が実感しているし。 だまされたと思って、全く違う視点の他人のを介在させるのも手かも。 解決したい気持ちがあれば、の...
話がややこしいので、登場人物の相関図を書きつつ読んだ。 結局、こじれた家族モンダイを家族だけで解決するのは難しいってことかしらね。 親戚だってムリかも。 それは私自身が実感しているし。 だまされたと思って、全く違う視点の他人のを介在させるのも手かも。 解決したい気持ちがあれば、の話だけど。
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登場人物がびっくりするほど多いわけではないけど、それぞれの言い分(話?)が長すぎて、ちょっぴり斜め読みをしてしまったところもあることを認めます(すみません)。 現実には、難しいことだと思いますが、この小説のように、開かれた扉があって、必要とされる人を招いて幸せな生活が送られるとど...
登場人物がびっくりするほど多いわけではないけど、それぞれの言い分(話?)が長すぎて、ちょっぴり斜め読みをしてしまったところもあることを認めます(すみません)。 現実には、難しいことだと思いますが、この小説のように、開かれた扉があって、必要とされる人を招いて幸せな生活が送られるとどんなに素敵なことでしょう‼️
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最初は登場人物ごとに違った呼び方があったり、それぞれの人物描写があったりで、ストーリーを追うのが難しい一面があったが、読み進めるごとに、登場人物ごとの悩みや苦悩、すれ違いなど人間模様がリアルで読み応えがあった。 性差や国籍など、それぞれの悩みは尽きないが、タイトル通りの「騙され屋...
最初は登場人物ごとに違った呼び方があったり、それぞれの人物描写があったりで、ストーリーを追うのが難しい一面があったが、読み進めるごとに、登場人物ごとの悩みや苦悩、すれ違いなど人間模様がリアルで読み応えがあった。 性差や国籍など、それぞれの悩みは尽きないが、タイトル通りの「騙され屋さん」により、皆の氷が溶けていく様が気持ちよかった。 多様性が叫ばれる中で、自己の頭を柔らかくすることもできた。
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詐欺の話かと思っていたら、思わぬ方向へ。 それも予測不能な流れが次々に展開されて・・・ 家族、地域、ジェンダーなど、様々な事柄が描かれていて、社会問題作か?とも、におわせる。 けれど、それぞれの登場人物が言葉で語るので、話はわかりやすい。 最後はちょっとあっけなかったけど、ま...
詐欺の話かと思っていたら、思わぬ方向へ。 それも予測不能な流れが次々に展開されて・・・ 家族、地域、ジェンダーなど、様々な事柄が描かれていて、社会問題作か?とも、におわせる。 けれど、それぞれの登場人物が言葉で語るので、話はわかりやすい。 最後はちょっとあっけなかったけど、まあ良しとしよう。 植物描写が前作読んだ「植物忌」とリンクして、違う楽しみ方も出来た。
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「家族」の中に「他人」が入ってくる話。丸いまんじゅうを狭い四角い箱に詰め込んだら形がいびつになる、という文章に思い当たることが多々うかんだ。 人はみんな程度の差こそあれ「だまされ屋」だと書かれていたけど自分的には、他人を思い込みだけで見ているから、「だまされ」たという気持ちにな...
「家族」の中に「他人」が入ってくる話。丸いまんじゅうを狭い四角い箱に詰め込んだら形がいびつになる、という文章に思い当たることが多々うかんだ。 人はみんな程度の差こそあれ「だまされ屋」だと書かれていたけど自分的には、他人を思い込みだけで見ているから、「だまされ」たという気持ちになってしまって、その経験ばかりが積み重なっていくのかな、と思ったんだけど読みが浅いかな?
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
夫を亡くし、三人の子ども達とも断絶し、古びた団地で一人暮らしをしている70歳の秋代の元に、若い男が現れる。 「娘の巴さんと家族になりたいと思っています。つきましてはお互いに良く知り合うために、家にあげてください」 当然秋代は断るが、男は弁舌巧みにさわやかな笑顔で入り込み、得意のカレーを作って秋代と晩ご飯を食べる。 もう何年も顔を見ていない娘と孫の話を聞きたい秋代は、しかし気づくと自分の話ばかりをしていることに気づく。 この男、詐欺師か何かなのか? どきどきする導入部から一転、読み進めるにしたがって辛くなってくる。 家族の問題。 秋代の言い分。 長男、次男、娘のそれぞれの言い分。 決して家族を憎んでいるわけではないのに、家族といると感じる閉塞感。 心当たりがありすぎる。 長男の優志(やさし)が抱える屈託。 第一子あるあるが、未だにリアルに感じられる。 下の子の面倒を見、我慢を強いられ、親の気分のはけ口にされる。 活発な次男の春好は、子どもの頃難病にかかり、不憫に思った母親に溺愛される。 元々の性格もあるのだろうが、自分に甘くて飽きっぽくて、何をやってもうまくいかない。 娘の巴は春好に手のかかる母に代わって、長男の優志に育てられたようなもの。 しかし、母代わりになろうとする優志の思いは、いつしか母親のように巴にまとわりついてくるようになる。 3人それぞれが、自分の苦しさを家族に伝えることなく、互いに避け合ってきたのだが、秋代の元に来た未彩人(みさと)と、巴の隣人夕海の登場で、誰かを責めるのでも自分自身を責めるのでもなく、互いの気持ちを知る努力を始めるという話。 私も3人姉弟の第一子なので、優志の気持ちが痛いほどわかる。 彼ほど真面目ではなかったので、7歳下の弟が小学生の時までしか面倒を見ていないけれども。 親の意向に逆らったのは結婚するときくらいだった。 そしてまた、私は3人のこどもの親でもある。 自分の親は鬱陶しいと思っているけど、子どもにそうは思われたくないとも思っている。 長男にばかりに重荷を背負わせないようにしてきたつもりだけれど、気づくと彼に頼ってしまうことは多々あった。 ”どんな時でも、母はぼくに一度も謝ったことがないんだよね。ねぎらわれたこともない。家族旅行にはほとんど行かなかったことを「かわいそうなことをした」と言われたことはあるけれど、「でもね、仕方なかったのよ」とすぐに正当化の言葉がついてくる。必ずそうなんだ。あの「仕方なかった」という言葉を聞くと、自分はこの世にいない気になる。ただひたすら親の連帯責任を負うだけの存在として生まれたような気になる。意志を持ってはいけないんだ。でも処分だけは受けるんだ。” 私のことかと思ってしまった優志の台詞。 旅行になんていかなくても、家族の思い出をつくることくらいできるだろうが!と、言えない思いがこころにくすぶったことを思い出す。 兄弟たちが傷ついた母親の台詞「私の育て方が悪かったから…」は、私も言われた。 私の子どもが生まれた頃、「もう一度、子育てをやり直したい」といったのを聞いて、転勤を決意したのだった。 今になっても簡単にあの当時の心持に戻ってしまう。 まだ向き合い方が足りないのだろうか。 今、全力で私にぶら下がってこようとする父親を、弟と二人で何とか分担して面倒見ているけれど、しんどい反面後ろめたい気持ちもあって、親子の問題はとてつもなくやっかいであると思っている。 あとね、長男の妻の梨花が言う、逃げ場のない正論。 これも苦手。 過去の自分もきっとこんなふうに相手を追いつめていたんだろうなあと思うと、嫌な汗がだらだら出てくる。 正論は正論として(作中では正義といっているけれど)、それを武器にして相手を追いつめても、問題はきっと解決しない。 大事なことはいかに傷を浅く問題を解決するか、だと、大人になってから気づいた。
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母になりかわる長男。借金病の次男。長男に対して過保護な母。年齢不相応に大人びた妹。依存、絶縁。。どんな家族なんだと思いきや、それぞれが苦しみ、そうせざるを得なかった事情があった。風穴を開けたの謎の訪問者夕海と未彩人。 家族に違和感なく溶け込む彼らもワケありで。。 ただ、必死で生き...
母になりかわる長男。借金病の次男。長男に対して過保護な母。年齢不相応に大人びた妹。依存、絶縁。。どんな家族なんだと思いきや、それぞれが苦しみ、そうせざるを得なかった事情があった。風穴を開けたの謎の訪問者夕海と未彩人。 家族に違和感なく溶け込む彼らもワケありで。。 ただ、必死で生きる普通の家族の複雑さを思った。
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ちょっと難しかった。 家族関係がテーマなんだろう。 次男にはちょっと甘い母親、長男と末っ子の長女には手が掛からないとどちらかというと放任。 父親は影が薄い。 大人になった子どもたちからの扱いにそのツケが回ってきているのだろう。 未彩人と夕海、こんな人達がいたら私は驚きだ。きっと私...
ちょっと難しかった。 家族関係がテーマなんだろう。 次男にはちょっと甘い母親、長男と末っ子の長女には手が掛からないとどちらかというと放任。 父親は影が薄い。 大人になった子どもたちからの扱いにそのツケが回ってきているのだろう。 未彩人と夕海、こんな人達がいたら私は驚きだ。きっと私は受け入れられない。 いくら秋代のように人恋しくても。 最後の紗良の言葉でやっとバラバラだったものがひとつになって理解できた感じ。 自分の身を振り返ってみて、考えさせられる場面が幾つもあった。 家族だからと言って、全てオープンにする必要は無いような気もするが。 分かりあえる部分で分かりあっていればいいのでは、と私は思うが。
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読んでいても、なんとも言えないもやもや〜っとした感じが否めない。 謎の訪問者は、詐欺師なのか…それとも歪んだ家族を修整すべく福音をもたらす救世主なのか… するりと家に入り込み、家族になり居ついてしまう… イヤ〜なんで家に入れる。 無理だわ。 でも、どうなんだろう。 自分が心狭...
読んでいても、なんとも言えないもやもや〜っとした感じが否めない。 謎の訪問者は、詐欺師なのか…それとも歪んだ家族を修整すべく福音をもたらす救世主なのか… するりと家に入り込み、家族になり居ついてしまう… イヤ〜なんで家に入れる。 無理だわ。 でも、どうなんだろう。 自分が心狭いのか… こういう者への扉なのか…心を開けろと解釈すべきなのか? いろいろな問題を抱えているからこそ、どうにか新しい風を入れたい…という思いなのだろうか? 今まで読んだことのない内容だから消化しきれなかった。
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