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地図で読み解くJR中央線沿線 の商品レビュー

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2020/09/26
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 地域限定でしか売れないだろう一冊だが、かつて代々木に住み、今、通勤に四ツ谷~吉祥寺間を使う身としては、実に楽しい。  さらに昔、平成初期のころの職場は八重洲口だ。東京駅の開発の歴史もあり、大昔は皇居サイドの丸の内側に対して「裏」だった八重洲が、新幹線のターミナル駅増設で一気に発展していった話などは、実感を伴って感慨深い。  具さなエピソードがほぼ各駅ごとに満載。それを全線、都心、23区西部、多摩... と、距離と言うか文化圏というか、ほどよくChapterで区切ったまとめかたも読みやすくてよかった。  中央線のルーツは玉川上水、新幹線の前身弾丸列車の始発は市ヶ谷駅が候補だった、山手線の5年間だけの”の”の字運行、ねじめ正一が@高円寺、井伏鱒二が@阿佐ヶ谷、太宰治が@三鷹と文化的なネタも挿しはさみ、東中野~立川間27㎞以上もの直線区間を含む、武蔵野丘陵180mの標高を登りきる全線の魅力を余すことなく伝える。  巻頭の図、巻末の駅毎のデータなど資料も充実(一日の乗降者数などを見比べると意外な駅が多かったりとと面白い)。ざっくり斜め読みで眺めても、じっくりゆっくり精読しても楽しめる内容になっている。 地元の各書店は、どこも平積みでイチオシなのも分かる。

Posted byブクログ