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韓国の若者 の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2024/10/10

韓国が学歴社会っていうのは知っていたけれど、日本とは比べ物にならないくらい、こんなにも若者の就活が大変なものだとは思ってなかった。こんだけハングリー精神があって、優秀な人材が余ってる韓国と、悠々自適にモラトリアムを消費する私たち日本の大学生…韓国国内できちんと評価されて欲しいが日...

韓国が学歴社会っていうのは知っていたけれど、日本とは比べ物にならないくらい、こんなにも若者の就活が大変なものだとは思ってなかった。こんだけハングリー精神があって、優秀な人材が余ってる韓国と、悠々自適にモラトリアムを消費する私たち日本の大学生…韓国国内できちんと評価されて欲しいが日本でインターン、就職となったら国外脱出してきた韓国人の方が強いんじゃ?ってなる。家父長制、男尊女卑などは日本も通じる部分があって、特に非婚の概念はこれから日本でも叫ばれるんじゃないかなーと思った。

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2022/04/05

熾烈な受験戦争と就職戦争を乗り越えた先にある絶望といった趣。インタビューに出てきた人たちのみなのか制度的なものなのか能力的に優秀な人材が多いように見受けられる。この点に関しては人材不足な日本は残念なところ。 40代で定年退職してチキン屋というコースの如く多様性な生き方ができないの...

熾烈な受験戦争と就職戦争を乗り越えた先にある絶望といった趣。インタビューに出てきた人たちのみなのか制度的なものなのか能力的に優秀な人材が多いように見受けられる。この点に関しては人材不足な日本は残念なところ。 40代で定年退職してチキン屋というコースの如く多様性な生き方ができないのはいただけない。男尊女卑の傾向が強いのも同様。

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2021/07/08

現在の韓国社会の競争の厳しさ、生きづらさを巡る諸々が、しっかりした取材で書き上げられている。特に非婚主義と、最後のRidibooksの話が記憶に残った。 就職周りの話については現地の大変さが伝わってくるが、比較対象になる日本のメンバーシップ型雇用の方がむしろ特異な制度・慣習だと...

現在の韓国社会の競争の厳しさ、生きづらさを巡る諸々が、しっかりした取材で書き上げられている。特に非婚主義と、最後のRidibooksの話が記憶に残った。 就職周りの話については現地の大変さが伝わってくるが、比較対象になる日本のメンバーシップ型雇用の方がむしろ特異な制度・慣習だと思うので、もう一歩進んで最近よく語られてるジョブ型雇用社会みたいな話の筋を踏まえての考察も読みたくなった。これをステップにして労働関係の本・論述にも当たってみたい。

Posted byブクログ

2021/01/01

韓国の若者が直面している就職難、恋愛・結婚観、宗教観等について書かれた新書。韓国の就職難については取り立てて新しい内容はなかったが、宗教については韓国の若者が社会不安等を背景に新興宗教にはまるケースが多いという話はあまり耳にしたことのなかった興味深い内容であった。主に韓国人への直...

韓国の若者が直面している就職難、恋愛・結婚観、宗教観等について書かれた新書。韓国の就職難については取り立てて新しい内容はなかったが、宗教については韓国の若者が社会不安等を背景に新興宗教にはまるケースが多いという話はあまり耳にしたことのなかった興味深い内容であった。主に韓国人への直接のインタビューを基に書かれており、内容の信ぴょう性も高い質の高い新書。

Posted byブクログ

2020/12/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

若者にとって生き辛さの要因となっている、韓国における根本の文化形成、経済的側面は日本においても少なからず通ずる部分があると感じた。 本書では主に国内における若者全体の就職難と未婚及び出産率の低下が問題定義されている。 その背景としては圧倒的な学歴社会、首都財閥の既得権益、男尊女卑や性的少数派への差別的風潮等があるとしている。 少子高齢化の進む日本においても課題こそ違えど、若者が生き辛さを感じているという点では共通する部分がある。そしてその課題を一人一人がどう向き合うかを改めて考えさせてくれる一冊であった。

Posted byブクログ

2020/12/03

【本書の概要】 韓国は大卒貧困者の割合が世界トップレベルであり、学位を持ちながら半地下で暮らす者も珍しくない。未だに家父長制の因習が強く残っており、男尊女卑文化や非婚の原因になっているほか、一度失敗すると挽回できないという社会構造の問題が若者を苦しめている。 【詳細】 ①大卒エ...

【本書の概要】 韓国は大卒貧困者の割合が世界トップレベルであり、学位を持ちながら半地下で暮らす者も珍しくない。未だに家父長制の因習が強く残っており、男尊女卑文化や非婚の原因になっているほか、一度失敗すると挽回できないという社会構造の問題が若者を苦しめている。 【詳細】 ①大卒エリートであっても就職ができない 韓国では大卒貧困者の割合が世界トップレベルである。国民の8割が大卒にもかかわらず、就職できるのは6割程度であり、しかも一流企業以外は意味がないとされている。これは一流企業と中小企業の間の賃金格差が非常に大きいからであり、加えて中小企業は応募要項に沿わない仕事や長時間残業などが横行しているからだ。 しかし、一流企業であっても安心はできない。激務に耐えきれない者が多く、昇進試験の評価が悪ければプレッシャーをかけられて自主退職を迫られる。実際、韓国人の平均退職年齢は49歳であり、中には必死で稼いだ金も子どもの養育費や家のローンによって消える人もいるため、50歳手前から再就職やアルバイトをするといった例も少なくない。その再就職も、上手く行かずに破産することも多々ある。「45歳で会社を辞め、貯金で細々とチキン屋を営むのが幸せな人生」と言われているほど、仕事にまつわる苦難は多い。 ②男尊女卑文化と若者の非婚主義 韓国では伝統的家族以外の家族形態に対して偏見が根強い。男は外に出て稼ぎ家計を支える者、女は家の中で夫に尽くす者という意識が相当に残っている。韓国人男性は、徴兵の義務がない女性を特権的立場だと感じているのに対し、女性は就職における男性優遇の現状や家父長制への反発から、男性こそが特権的立場であると感じている。 こうした意識の差により男女間の断絶が進み、近年では結婚を必要と捉えない若者が増加している。 ここで、非婚の理由に目を向けてみると、男性の多くが経済的要因によって非婚にならざるを得ないのに対し、女性は自ら非婚を望んでいる。男性については経済的要因が、女性については精神的要因が、婚姻を負担と考え遠ざける原因になっているのだ。 しかしいずれの性にせよ、韓国社会では独身者の肩身は狭い。年長者が価値観の多様性を受け入れようとしないし、経済支援についても夫婦のほうが保証が手厚い。 ③一度失敗すると挽回できない国、韓国 韓国では階層が親の経済力によって固定されやすい社会だ。ソウル近辺に暮らし、小さいころから知識とスキルを習得できる環境に居た上流層の子供だけが、サムスン、LG等の一流企業に入社し、自らの子どもにも英才教育を施す。 この構造的問題の一端には、労働市場の硬直性がある。 韓国では非正規雇用から正規雇用になるのが極めて難しく、副業や起業も奨励されていない。いい大学を卒業したエリートから、まともな仕事の枠を埋めていく。 要するに、一度失敗すると挽回できない社会なのだ。 その結果、高スキル人材でさえも保守的な思考になってしまい、若者のチャレンジが生まれず、一流企業に殺到して人材が供給過多になる。TOEIC900点、中国語・日本語検定の最上級クラス、ITパスポート等の複数の資格を取っていてもそれが「普通」であり、就職に有利に働かないのだ。 韓国社会は極度な「他者評価」によって成り立っている。「自分がどうしたいか」よりも、「他人が望むこと」を追求した結果、資格やスキル偏重の超学歴社会が出来上がった。 これからの韓国では、一人ひとりが自分らしい生き方やキャリアプランを見つけていくよう、成員全体の意識が変わることが必要なのかもしれない。

Posted byブクログ