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笑う死体 の商品レビュー

4.1

14件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    7

  3. 3つ

    2

  4. 2つ

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2024/09/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かった! 前作は暗いし回りくどくて分かりにくい言い回しが多いし、主人公のエイダンがヤク中だし、周りも敵だらけで嘘ばっかりだから何を信じてどう読んだらいいのかにパワーを使ってなかなか読み進められなかったけど、今作は分かりやすかった。 相棒のサティも一応?いい人っぽいし、ブラックやストローマーみたいなまともな人も味方にいて良かった。 パーズが出てくると嫌味ったらしくて遠回しな表現が多くてウンザリする。笑 今作で明らかになったエイダンの過去が壮絶すぎて… その過去にも決着がつけられて本当に良かった。 前作で女たちに過度に肩入れしているように見えたのは、そういう理由があったのかも…と思えるところもあったりして。 本筋のストーリーも面白く、トリックの種明かしを見て、わー!そうかー!と心地よい驚きがありました。 ぜひ映像で見たい作品。

Posted byブクログ

2023/01/05

最後まで「笑う男」(スマイリー)の正体が暴かれる事なくミステリー事件が解決する、という不可解な小説だ。読者を迷わせ混乱させる「笑う男の正体」(身元不明)は1948年12月にオーストラリアで実際に起きた事件を元にしている、と言う小説だが、「金と嘘」に絡む人間関係の展開が中々面白く一...

最後まで「笑う男」(スマイリー)の正体が暴かれる事なくミステリー事件が解決する、という不可解な小説だ。読者を迷わせ混乱させる「笑う男の正体」(身元不明)は1948年12月にオーストラリアで実際に起きた事件を元にしている、と言う小説だが、「金と嘘」に絡む人間関係の展開が中々面白く一気に読み終えたくなるミステリー小説だ。

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2022/08/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

エイダンというかなりイカれた自虐的な主人公がなぜ出来上がったのかを、サイドストーリーに織り込みながら巧みに立体化していく。もちろん本編の「笑う死体」事件も秀逸で、二転三転最後の種明かしまで全く飽きさせることがない。 正義も悪も関係なく、真実を追い求める姿勢はハードボイルドの主人公に共通した特性だが、それにしてもエイダンはつらい。報われることがない人生を、ただ真実だけを暴くために生きている。 エイダンのシリーズは次作で終わりだそうだ。エイダンにほんの少しでも安らぎが訪れてほしい。

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2022/04/05

 贔屓のサッカークラブが久し振りに勝つたから言うんじゃないが、2冊めともなると情が移ってこいつが好きになりかけてる。  会いたくは無いけどサティさえ好きになりそうだ。  この酷い世の中で小説ぐらいはいいもの?に会いたいがな。  凄惨な物語だが、このエンディングはなんだ!この、清涼...

 贔屓のサッカークラブが久し振りに勝つたから言うんじゃないが、2冊めともなると情が移ってこいつが好きになりかけてる。  会いたくは無いけどサティさえ好きになりそうだ。  この酷い世の中で小説ぐらいはいいもの?に会いたいがな。  凄惨な物語だが、このエンディングはなんだ!この、清涼感はなんだ。卑怯ものめ。  次読みてえ!『スリープウォーカー』  

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2022/01/23

「エイダン・ウェイツ」シリーズ第二弾。主人公エイダンの造形の良さだけで読む価値のある警察小説であり謎解き小説。相棒となるサトクリフとの関係性やほかの人物たちの怪しげな、信頼できない造形。それらの加減がとても良くて本当に面白い。急いで第三弾も読もうと思う。

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2021/04/04

事件の設定や解決などは二の次になってしまう。その背景にあるものや主人公の生い立ちがあまりにも…。それゆえに面白さよりも悲しさや辛さが先立ってしまう。決して悪くは無いのだけれども…。

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2021/03/19

陰鬱な小説。 陰鬱な小説は好みじゃないけれど、話は面白いし、ミステリーとして二転三転する展開は、ぐいぐい読ませる。

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2020/12/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この2作目がとてもよいという評判だったので、苦労して前作を読み終えて、早速… はみ出し刑事が麻薬と貧困のどろどろのマンチェスターを這い回るのは相変わらずなのだが、汚れまみれの中に時おりキラキラしたものが見える。 なぜお荷物でしかないお前を退職させないのか、という疑問への上司の答えはグッときた。 そもそも優秀だし。 メインのトリックは?な感もあるが、幾重にも入り組んだ謎を理詰めで最終的にはバサバサと小気味良くさばいていく様は謎解きとして良質だし、ノワールとしても楽しいし、イギリスミステリー好きは必読でしょう。 次も楽しみ。

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2020/11/14

ノワールよりのミステリー、入り組んでてふっくざつ!でも面白かったです。これは2作目なんですね。次作が楽しみです。

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2020/11/01

 一作目よりさらに爆発力をアップさせて、マンチェスターのネガティブ刑事が、厄介な事件に挑む。そればかりか、もう一つ過去のどこかで起こってきた物騒な出来事の数々にまで作家のペンは及ぶ。  優れた小説だなと思うのは、全編、丁寧かつ個性的な文章で綴られているその筆力にある。手を抜かぬ...

 一作目よりさらに爆発力をアップさせて、マンチェスターのネガティブ刑事が、厄介な事件に挑む。そればかりか、もう一つ過去のどこかで起こってきた物騒な出来事の数々にまで作家のペンは及ぶ。  優れた小説だなと思うのは、全編、丁寧かつ個性的な文章で綴られているその筆力にある。手を抜かぬ主人公一人称語りでの出来事と当人の個性を描き切る描写力が凄い。過去の話での三人称の不気味な物語の暗い情念のような世界がまた凄い。  一作目でも、どの人物も個性が与えられ際立つノワール性を感じさせてくれたのだが、二作目は確実にパワーアップしている。ジェイムズ・エルロイの黒い裏世界を思わせるリズムと空気が全編を支配している。それでいて謎解き小説としての迷宮性をも抱えた作品である。どこのページを見ても作家の熱気、渾身の力のようなものが感じられるのだ。だからこそページのすべてが緊迫している。  個性的な相棒や上司、事件の関係者たちの複雑に絡まり合う怪しさも個性もどこをとっても凄みを感じさせる。  前作の読書会で聞いた感想では『堕落刑事』は堕落していないじゃないか、いい奴じゃないかと本シリーズの主人公エイダン・ウェイツを評する声が大かったのだが、本編でもそうだが、堕落というより、状況的に追い詰められる感覚が強いように思う。ちょっとしたしくじりをきっかけに夜勤専門の刑事として、上司から退職を期待される維持の悪い人事を施され、署内の半端者としての生きづらさを日常的に感じさせられるエイダンの根っこの部分については本編でより深く語られる。  作者のサービス精神は前作のキャラクターまで登場させることで、エイダンの生きる世界が相変わらず真っ黒な闇の世界であることを想い出させてくれるのだ。  本書は、タイトルの『笑う死体』として放り出された何者かの正体と、その死の原因をめぐっての騙し合い、化かし合いを描きながら、同時にエイダンの悲惨な境遇と、彼の内部をさらに深く抉る刃物の切れ味を兼ね備えている。エイダンの物語は、三部作として閉じる物語らしいが、二作目の本書は非常に重要かつ充実した作品とみてよいだろう。この作品の持つ質量は何なのかと思えるほどに、深さと濃厚さを味わえるストロング・ドリンク。心して味わって頂きたい。

Posted byブクログ