アスク・ミー・ホワイ の商品レビュー
古市憲寿さんの新刊はなんとBL小説。オランダのアムステルダムに住む日本人のヤマトは、友人からの紹介で元俳優の港颯真に出会う、港は写真週刊誌スキャンダルで芸能界から姿を消して世界を転々としている中で、アムステルダムに住み始めたのだが、彼にはいろいろな秘密があり… ネトフリ、インスタ...
古市憲寿さんの新刊はなんとBL小説。オランダのアムステルダムに住む日本人のヤマトは、友人からの紹介で元俳優の港颯真に出会う、港は写真週刊誌スキャンダルで芸能界から姿を消して世界を転々としている中で、アムステルダムに住み始めたのだが、彼にはいろいろな秘密があり… ネトフリ、インスタ、Uberなどなど最新のツールが続々登場するいつもの古市節は健在で、オランダが舞台とあってドラッグ描写も目立つ。オランダが脱出ゲームの聖地ということを初めて知った(調べたら現地まで行ってプレイする方もいるようだ)。
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古市さんのイメージと違った。 純粋に気持ちが寄り添っていく様が、キラキラしたアムステルダムの風景をバックに、より魅力的に感じた。素敵✨
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港くんと出会って変わっていく世界。 港くんに対する気持ちが愛なのか友情なのか分からない。 悩みながらも、やがてそんなこともうどうでもいいくらいになっていく2人の関係 物語の中で、港くんが言った、過去は変えられるはず。未来よりもずっと簡単に。 事実は変わらなくても解釈次第で乗り...
港くんと出会って変わっていく世界。 港くんに対する気持ちが愛なのか友情なのか分からない。 悩みながらも、やがてそんなこともうどうでもいいくらいになっていく2人の関係 物語の中で、港くんが言った、過去は変えられるはず。未来よりもずっと簡単に。 事実は変わらなくても解釈次第で乗り越えられることもあるんだなぁと共感した。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ドラッグやセクシャリティに対してキャパシティの広いというアムステルダムが舞台。 恋人に裏切られ日本料理店でうつうつと働くヤマト、親友のリークによるドラッグスキャンダルで芸能界から去ったゲイの港。 まずは二人の出会いの場面の衝撃度。そこから始まるっ!?今後の展開はネガティブな方向に向いていくよね?絶対ハッピーエンドはないわぁ…憂鬱なラストを覚悟しながら読み進める。 一般人と元芸能人。「孤独」という共通点はあってもしょせん住む世界は違うし、性的指向も違う。どうやっても続く関係とは思えない。けれど、二人の間のハードルはあっという間に低くなり、そして消え去っていく。 「友情」と「恋愛感情」、その違いを考える。 誰かの特別になること、誰かのために何かをしてあげること、誰かのそばにいたいと思うこと、には違いがないのに。ただ、「恋愛関係」にない相手を言葉の力だけで支えることの困難さ。いや、それを困難と思うこと。 それにしても若い時から芸能界にいて世間知らずに思われる港くんはしなやかで打たれ強くてクレバーで優しくて、そして名言が多い。いやぁ、「港君名言集」を作りたいね、ほんと。 「過去はね、変えられるはずなんだよ。もしかしたら、未来よりもずっと簡単に」と 「夢を叶えることと同じくらい、願った夢を忘れないことも大事だと思うんだよ」は、心のノートに刻み込む。 これ、港くんがパーフェクトすぎて嘘っぽい、という意見も出るかもしれないけど、ナイーブさも含めてこれくらい完璧であってこそ、の物語とも。一種のファンタジでもあり。 今まで、男同士の恋愛小説にはあまり心を動かされることがなかった。否定はしないし理解もする、でもそこに必要以上の付加価値を見つけることができずにいた。 けれど、今回この小説を読んで、この世界観をみんなが求める意味が分かった気がする。 繊細で深い「友情」と「恋愛」が混在する関係。純粋で湿度の低い二人の「愛情」がずっとずっと続きますように、とそう願わずにはいられなかった。 それから、ヤマト君の作る料理がおいしそうで、夜中に読むとつらいね、これ。 そしてもし実写化するなら、と妄想。港役は、アタクシとしては綾野剛一択。あとはヤマトくん。誰がいいかな、とにやにや。
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コロナでの自粛生活が始まった頃から、古市さんが執筆されていた作品。 Twitterで、ほぼ毎日アップされていたので、日々の楽しみでした。 それが加筆修正されて単行本に! 感慨深いものがあります。 古市さんの小説は、これまで「死」をテーマにしたものばかりでしたが、この作品は「生」...
コロナでの自粛生活が始まった頃から、古市さんが執筆されていた作品。 Twitterで、ほぼ毎日アップされていたので、日々の楽しみでした。 それが加筆修正されて単行本に! 感慨深いものがあります。 古市さんの小説は、これまで「死」をテーマにしたものばかりでしたが、この作品は「生」を感じる。 暗い日常だからこそ、明るい前向きなストーリーを。 古市さんの優しさが伝わってきます。 日本にいたら出会うことがなかったであろう一般人と芸能人。 男性同士の恋愛。 大きなカテゴリーでくくるのがナンセンスに思える。 好きならそれでいいじゃない。 二人がこの先もずっと幸せでいてほしい。 そう願いたくなる作品でした。
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古市さんの最新作という事で、何の気なしに購入したのですが、読んでみると中身はBL小説でした。 あの古市さんがBL小説を書くとは驚きでした。 主人公は、オランダ・アムステルダムの日本食料理店で働くヤマト。元々、かつて恋人だったサクラに誘われて移住してきたが、サクラの浮気が原因で別...
古市さんの最新作という事で、何の気なしに購入したのですが、読んでみると中身はBL小説でした。 あの古市さんがBL小説を書くとは驚きでした。 主人公は、オランダ・アムステルダムの日本食料理店で働くヤマト。元々、かつて恋人だったサクラに誘われて移住してきたが、サクラの浮気が原因で別れる事に。 その後、帰国することもなく、淡々と過ごしていた。ある日、Facebookからメッセージが。浪人時代の友人・コーヘイが旅行がてら、近くに来たという。彼とは10年ぶり。 しかし、ヤマトと再会するだけでなく、もう一つ用事があるとのこと。それは出会い系アプリを通じて、チャットを続けるうちに親しくなり、会う事になった。しかも相手は男で、コーヘイ自身、ゲイということに初めて驚いた。 そして、その相手が登場。その人は、かつて俳優として活躍していた港颯馬。薬物疑惑で引退になった経歴をもつ。 すぐに帰ろうとしたところ、ふいに港からキスされた。 そこから、ヤマトの心が揺れ動いていきます。 序盤を読んでみると、これはバッドエンドなの?と思わせるような文章でしたので、色んな想像をかき立てながら、読んでいました。結果的には、ラストから序盤に繋がっていて、なるほどこんな背景があるから、このような感じになる運だと思いました。ハッピーかバッドかはぜひ読んでみてください。 文章としては、今までの作品と似ていて、どこか無機質で論理的に描かれていました。(ちょっとディスっているところも面白かったです)なおかつ艶かしいところもありました。 具体的な固有名詞も使われていて現実的ですが、同性愛というよりはBLの雰囲気が漂っている印象でした。 ヤマトと港が会う回数を重ねるたびにヤマトの心が揺れ動きます。そこには「人」として恋する自分や港の周りの人に対する嫉妬する自分がいて、側から見たら、それは片思いにしか見えません。 ヤマトの心の動きを丁寧にドライに描かれてるので、BLが好きな方にはたまらないのではないかと思います。 恋愛だけでなく、ドラッグや元恋人の再会なども盛り込まれています。自分にしかわからない一面や関係者からみた自分には、決して一緒ではなく、それを第三者が入ってくるのはおこがましいなと思ってしまいました。そっとしてあげることが一番だなと思いました。 アムステルダムを舞台にヤマトと港は今後どうなっていくのか。古市さんがBLを書くとは驚きでしたが、恋をすることは異性も同性も関係なく、フィーリングなんだなと感じた作品でした。
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