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最後の瞽女 の商品レビュー

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2022/07/30

「最後の瞽女」と言われた小林ハルさんの生涯をまとめたもの。ハルさんが語るような形で書かれている。 基本的に語りのままに書かれているようで、ややわかりにくい部分もあるが、語りのままだからこそ貴重でもある。 とにかく壮絶、苦労が多かったことが偲ばれる。 今時ならばあり得ないような...

「最後の瞽女」と言われた小林ハルさんの生涯をまとめたもの。ハルさんが語るような形で書かれている。 基本的に語りのままに書かれているようで、ややわかりにくい部分もあるが、語りのままだからこそ貴重でもある。 とにかく壮絶、苦労が多かったことが偲ばれる。 今時ならばあり得ないような仕打ちを受けるのだが、ご本人は「私はこんなだから(目が見ないから)仕方がない」という思いがあり、耐え忍ぶ。 障害を持って生まれてきたことに対する罪悪感というか、諦念というか。 「せめて次の世では目が見えて生まれますよう」と思いながら現世で良い人間として生きようとする姿は尊いが悲しい。 この本のための聞き書きをした当時、ハルさんは老人ホームで生活していた。「こんなにありがたく、幸せなことはない」と語っているが、それまでの多くの苦労が少しでも癒されたのならば良いなと思う。

Posted byブクログ