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群青の航海 の商品レビュー

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5件のお客様レビュー

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2024/09/29

2015年のFC今治発足から2019年のJ3昇格までを追いかけた地元マスコミの作品。 5年という長期間を追いかけているので、発足時以外は個々の事象に深入りせず、岡田さんのコメントと事実ベースで進めている(「おわりに」に少し余談がある)。それもあって、地域リーグからJFLまでとても...

2015年のFC今治発足から2019年のJ3昇格までを追いかけた地元マスコミの作品。 5年という長期間を追いかけているので、発足時以外は個々の事象に深入りせず、岡田さんのコメントと事実ベースで進めている(「おわりに」に少し余談がある)。それもあって、地域リーグからJFLまでとても疾走感がある。あまりに淡々と進むため、(多少の足踏みはあっても)あっさり昇格したように見えるが、この裏には人事面予算面の苦しみ、昇格したくてもできないクラブ、それこそ高知などは合併して今年2024年にようやくJが見えてきている。2015年にいた人はどれくらい残っているのだろう。本当に厳しく難しい世界である。 世界に名だたる海事都市とはいえ、岡田さんなくしては成り立たなかったプロジェクトであり、岡田後どうなるかは分からないが、とにかく面白いチャレンジをしているクラブのチャレンジの様子が書籍に残されたことは素晴らしい。 第一部で示された岡田メソッドが本全体のテーマになってたら面白かったろうな、とか、【】でくくられた試合の頭出しは本文の長さにかかわらず結果を載せた方が分かりやすかったな、とか、なぜ最後のマルヤス戦だけ「対」表記なのだろうとかがやや気になったが、とにかくこういう本が残されているのは貴重。

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2024/02/16

ビジョンとチャレンジ。言うのはすごく簡単、進めるのはとっても大変。でもそのストーリーが共感を産んで仲間を募る。

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2023/06/12

元日本代表監督の岡田武史さんがFC今治をリスタートさせる一連の物語。当初は著名人だから出来るという穿った目で見ていた今治FCのリスタートだが、もちろんネームバリューはあるにせよ、夢やビジョンに期限をつけて自分の言葉で語っているのが成功の鍵だったのではと思う。夢に期限が入ればそれは...

元日本代表監督の岡田武史さんがFC今治をリスタートさせる一連の物語。当初は著名人だから出来るという穿った目で見ていた今治FCのリスタートだが、もちろんネームバリューはあるにせよ、夢やビジョンに期限をつけて自分の言葉で語っているのが成功の鍵だったのではと思う。夢に期限が入ればそれは目標になり、本書では人たらしと表現される巻き込み力で仲間を増やし目標を達成させる。スポーツビジネスだけでなく本気で地方創生やビジネスに取り組むには大いに参考にすべき本だと思う。 夢を語り、チャレンジを恐れず、目の前の出来事を必要な事と受け入れる。そしてプロフェッショナルとして成果、結果を出す。 多くを学ばせていただいた。

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2023/04/29

クラブオーナーとして再び世界へ挑む熱い漢、岡田武史元サッカー日本代表監督。 彼とFC今治のJリーグ昇格までの苦闘と歓喜を描いた本作。 著者本人が、取材対象の熱血とカリスマ性に呑み込まれそうになりながら、それでも己を律し、努めて冷静な筆致で記述され、とても読みやすい。 いっそ熱狂的...

クラブオーナーとして再び世界へ挑む熱い漢、岡田武史元サッカー日本代表監督。 彼とFC今治のJリーグ昇格までの苦闘と歓喜を描いた本作。 著者本人が、取材対象の熱血とカリスマ性に呑み込まれそうになりながら、それでも己を律し、努めて冷静な筆致で記述され、とても読みやすい。 いっそ熱狂的な信者となってプロパガンダをタレ流したほうが、楽しいだろうに。ライターさんも厳しい稼業です。 個人的にはサッカークラブ経営ゲームの脳内補完の資料として活用。極上の逸品です。 歴ヲタ企業小説ファンとしては、あの勝負師の岡田武史が夜の街(接待で夜の街に消えるってシーンが印象的なのね)で繰り広げる、自治体やスポンサーとの皮膚がヒリヒリする駆け引きや、地方都市の有力者とのハードでギリギリな交渉がみたかった。 どのように負けの屈辱に塗れ、いかにして勝ちを拾ったのか。 そんな岡田武史監督改メFC今治オーナーの激闘の日々を読みたかった。 でも、よく考えてみれば、そんな本気のネゴの場に部外者が立ち会える訳ないやね。 この本はノンフィクションで池井戸潤の小説と違うもの。無いもの強請りはいけませんねー。 FC今治の青いユニフォームが、バイエルン殺しにバルサ狩りと、勇躍するクラブワールドカップ決勝の幻影がチラつく良書でした。

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2022/02/27

顔の見える人の心を豊かにするフットボール 大衆(マス)を動かす国民的スポーツと言えるサッカー。欧州のメガクラブは国境を超えて、アジアの人々をも魅了する。 一方で、1,000人前後、多くて5,000人の人たちに勝利の喜びはもちろん、それを超えた高揚感・ワクんワクを届けるのもスポー...

顔の見える人の心を豊かにするフットボール 大衆(マス)を動かす国民的スポーツと言えるサッカー。欧州のメガクラブは国境を超えて、アジアの人々をも魅了する。 一方で、1,000人前後、多くて5,000人の人たちに勝利の喜びはもちろん、それを超えた高揚感・ワクんワクを届けるのもスポーツの原点。 ■概要 FC今治のリスタート、元日本代表監督の岡田武史さんがオーナー就任してからJ3昇格までを追ったドキュメンタリー。個々の試合描写、戦術やチーム状況の変遷、そしてチーム・会社が地域の人たちとどう向き合ったか、岡田オーナーのビジョンは何でどこから生まれたのかを描く。 ■所感 ・今治モデルと今後の日本 岡田さんだからできた、と思考停止することは簡単であり、なかなか他クラブや他地域でも再現性はないかもしれないが、スポーツで地域創生を掲げるものの原点の書である。 "地域に友達をつくる"→応援してもらう→スタジアムに来てもらう、、、空中戦の華々しいプロモーションやメディア活用の一方で、こういう地道なことが必要なんだなと。そこでできた繋がりへの恩返しとなるコンテンツ≒試合を通して、地域の誇りやスポーツを観る高揚感やワクワクを届ける大切さと難しさが伝わる。 ・フットボールの描写 前半は試合描写が多く、相当なサッカー好きでないと流石に飽きるかもしれないが、Jリーグ以下のカテゴリの環境の過酷さとそこにあるドラマは見応えあり。"地獄の地決"を描いた別の書籍『フットボール風土記』を読んで理解はしていたが、個別クラブから入ってみるのも良かった。

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