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百年と一日 の商品レビュー

3.5

67件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

    23

  3. 3つ

    15

  4. 2つ

    10

  5. 1つ

    1

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2021/09/14

わかるわかる、こういうのがとても好きな時もあったしこれからもあるかもしれない。という感じの本。 なんてことのない日常の集まりが人生。時の移り変わりと人間のはかなさを感じる。当の本人たちにとっては普通のことなので淡々と書かれてているが、その感じこそが読んでる側にものすごい虚しさと郷...

わかるわかる、こういうのがとても好きな時もあったしこれからもあるかもしれない。という感じの本。 なんてことのない日常の集まりが人生。時の移り変わりと人間のはかなさを感じる。当の本人たちにとっては普通のことなので淡々と書かれてているが、その感じこそが読んでる側にものすごい虚しさと郷愁を感じさせる。自分たちの人生も、まさにこうなんだろうなと。

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2021/08/31

主に喪失と再生を描いた小さな物語たち。 百年の歴史があるものでも たった一日で壊されてしまうこともある。 それは寂しく切ないものだけれど ただそれだけというわけでもない。 長い時間の中には確かに輝いた一瞬があり その喜びのような瞬間があれば 一日一日と この先また百年も続いてい...

主に喪失と再生を描いた小さな物語たち。 百年の歴史があるものでも たった一日で壊されてしまうこともある。 それは寂しく切ないものだけれど ただそれだけというわけでもない。 長い時間の中には確かに輝いた一瞬があり その喜びのような瞬間があれば 一日一日と この先また百年も続いていくかもしれない。 タイトルから そんなことを思いながら読んだ。

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2021/07/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

こんな小説初めて読んだ。 たった3ページの小説が30編あまり収録されている。連作短編でもなく、序破急や起承転結を楽しむショートショートでもない。日常ありそうな情景をただ描写してるだけの体でありながら、3ページできちんとストーリーになっている。 こんなん読んだら世界観が変わるで。 何気ない日常、ぼーっと見てきた風景に、ただただ通り過ぎてきた街や道や自然に、その一つ一つに物語があって、俺は鈍感にも、そういう物語見逃してきただけなんやと思うと、とても残念になる。 鈍るだけ鈍った感性を、ちょっとずつでも研ぎ澄ませて、日常を見渡せば、この本にあるような世界を感じることができるかもしれない。 柴崎友香の文才、これまたぼーっと見逃してきた俺の失態である。

Posted byブクログ

2021/06/12

33編からなる短編作品集。学校、島、映画館、喫茶店、地下街の噴水広場、空港、ラーメン屋、銭湯・・・様々な場所を舞台に、市井の人たちの暮らしぶりや時の移ろいが招く変化の様子を淡々と描く。  起伏ある展開や、入り組んだ仕掛けを楽しむ本ではなく、ありふれた人びとの日常とその移り変わり、...

33編からなる短編作品集。学校、島、映画館、喫茶店、地下街の噴水広場、空港、ラーメン屋、銭湯・・・様々な場所を舞台に、市井の人たちの暮らしぶりや時の移ろいが招く変化の様子を淡々と描く。  起伏ある展開や、入り組んだ仕掛けを楽しむ本ではなく、ありふれた人びとの日常とその移り変わり、じわっと漂ってくる時代感をゆったりと味わうのが、この本にふさわしい読み方かもしれない。

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2021/06/08

たまたま手に取った冊子に掲載されてる短い小説には「?」というものがあるが、そういうのをまとめた「???」な本。

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2021/05/17

名もない人、なんでもない場所にも、物語がある。 周りの人達、周りの景色が愛おしくなる。 そんな短編集。

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2021/04/25

例えば、自分のちょっとした思い出や誰かから聞いた話を文章に残しておこうとしたら、きっとこんな感じになるのではないだろうか。どこかで誰かが暮らしていて、時代の影響を受けたり、家族や仕事に事件があったり、そうしてみんな生きている。私たちの暮らしもまた一つの大きな物語である。

Posted byブクログ

2021/04/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

母親は腕に抱いた赤ん坊を揺らして笑みを向け続けていたが、傍らで荷物を掲げた父親は落ち着きなく周囲を見回していた。空港には、信じられないほどの人がいた。隣のゲートにも、その向こうに延々と続くどのゲートにも、大勢が待っていた。免税店や土産物屋で買い物する客がおり、警備員や掃除係も歩き回っていた。こんなにもたくさんの、数え切れない人たちが、ここではなにかしら目的を持っていることに気づいて、父親は驚いた。どこかに行こうとしている人か、自分の仕事をしている人しかいない。なにもせずただそこにいるだけの人が存在しないとは、なんということだろうか。父親はその事実にぼんやりとしてしまって、列が進んでいるのに動かなかったので、うしろの客に声をかけられた。母親は赤ん坊をあやしながら先に進んでいた。(pp.143-144)

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2021/04/20

わたしが今、ぼんやり誰かのことを考えているように、わたしの知らないところで誰かがわたしに関する何かについて考えているかもしれない。 または、偶然に同じことに思いを馳せたり何かを共有するという形で、会ったこともない誰かと繋がっているかもしれない。 時間や空間を自由に行き来しながらい...

わたしが今、ぼんやり誰かのことを考えているように、わたしの知らないところで誰かがわたしに関する何かについて考えているかもしれない。 または、偶然に同じことに思いを馳せたり何かを共有するという形で、会ったこともない誰かと繋がっているかもしれない。 時間や空間を自由に行き来しながらいろんな人と繋がる感覚に陥った読後。

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2021/03/28

何か起きたようで起きてないような、どこか繋がっているようで繋がっていないような不思議さをもつ短編集。この世界にはそれぞれの時代、それぞれの風景、それぞれの人の心のうちが無数にあり、物語が紡がれているんだなと思う。その断片を集まってそれで百年と一日か。心に何かしらのひっかかりが残る...

何か起きたようで起きてないような、どこか繋がっているようで繋がっていないような不思議さをもつ短編集。この世界にはそれぞれの時代、それぞれの風景、それぞれの人の心のうちが無数にあり、物語が紡がれているんだなと思う。その断片を集まってそれで百年と一日か。心に何かしらのひっかかりが残る物語たち。

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