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百年と一日 の商品レビュー

3.5

67件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

    23

  3. 3つ

    15

  4. 2つ

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2022/02/08

読み初め〜読み終わりで、感想が大きく変わってった。 読み初め…各話のタイトル長 読み続けてみて…淡々、、、このスタイルずっと続くんかな? 中盤以降〜読み終わる頃…この本の良さ分かってきました。。そしてこの本を貸してくれた友達がなぜこの著者の作品が好きかなんとなくわかるような気が...

読み初め〜読み終わりで、感想が大きく変わってった。 読み初め…各話のタイトル長 読み続けてみて…淡々、、、このスタイルずっと続くんかな? 中盤以降〜読み終わる頃…この本の良さ分かってきました。。そしてこの本を貸してくれた友達がなぜこの著者の作品が好きかなんとなくわかるような気がしてきました。。。 自分は起承転結とかストーリー性を多分すぐ求めてしまってたので、淡々としてる文章を読んでると何を伝えようとしてるんかな?とか何かと考えてしまってた。けどありのままそこに居た人や時間の話をずっと読んでるうちに、何を伝えようとしてるとかそんなこと忘れて話にだんだんのめり込んで行って、なぜか羊飼いの話ではグッときて涙ぐんでた。最初は淡々としか感じられんかった文章で最後の方は泣きそうになるという不思議。。。

Posted byブクログ

2022/02/03

長いタイトルを持った33の短い物語。 例えば「逃げて入り江にたどり着いた男は少年と老人に助けられ、戦争が終わってからもその集落に住み続けたが、ほとんど少年としか話さなかった」がタイトルで、6ページの本文はタイトル通りの内容でしかありません。ほぼ全てがそのスタイルで書かれ、それぞれ...

長いタイトルを持った33の短い物語。 例えば「逃げて入り江にたどり着いた男は少年と老人に助けられ、戦争が終わってからもその集落に住み続けたが、ほとんど少年としか話さなかった」がタイトルで、6ページの本文はタイトル通りの内容でしかありません。ほぼ全てがそのスタイルで書かれ、それぞれの短編(ショートショート)の間に関連は有りません。 読みながらこれは柴崎さんの静物画ではないかと思っていました。机に花やリンゴや瓶を並べる=物語のタイトルを書く。キャンパスに絵を描く=本文を書く。私は余り静物画に興味が湧かないのですが「何を」画くかではなく「どう」描くかが問われる絵画なのだろうと思います。対象物の質感そのものや、画家が対象物から受ける印象をどう表現するか。 柴崎さんの文章は短く力強く直線的。それが組み合わさって物語が構成されて行きます。たまに長いセンテンスが有っても、柔らかく形をなぞるのではなく、筆圧強くグイッと一気に描く感じです。その様にして描かれた対象物がバラバラの33枚の静物画が並んでいる。そんな印象を受ける短編集です。 私は「どう」より「何を」が好きなので、こういう話は苦手なはずなのですが、何故かこの本は結構楽しんで読めました。理由は判りません。

Posted byブクログ

2022/01/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

3ページばかりの短編が約30編。 淡々とした情景描写。 全て過去形とすることで それぞれ登場人物に 何気ない物語が存在していたことを、 そして過ぎ去っていく時間の流れを、 描く。 今風に言うのであれば「ナラティブ」か。 他の著作も読んでみようと思う。

Posted byブクログ

2022/01/15

帯にあった「遠くの見知らぬ誰かの生が、ふいに自分の生になる。そのぞくりとするような瞬間」ー岸本佐知子 という言葉の通り、どこの場所だかいつの時代だかわからない物語33篇。記憶の奥底で自分や自分の家族にもこんなことなかったっけ?と思うような不思議な感覚を覚えた。

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2022/01/12

自然な気持ちで読める実にあっさりした33の短編集。考えてみれば少し不自然な展開が多い。しかし読後感としては爽やか。銭湯を営む家の「正」の名前を継ぐ男の物語。仲が良かった兄弟の2人のそれぞれの歩みと大人になってからのTV・ラジオでの接触。地下街の噴水前で出会う男女の数年後。テレビ好...

自然な気持ちで読める実にあっさりした33の短編集。考えてみれば少し不自然な展開が多い。しかし読後感としては爽やか。銭湯を営む家の「正」の名前を継ぐ男の物語。仲が良かった兄弟の2人のそれぞれの歩みと大人になってからのTV・ラジオでの接触。地下街の噴水前で出会う男女の数年後。テレビ好きな女の子が宇宙飛行士になると決めて、月面に立った初めての女性になった日本人のお話し…。信じがたいほど常識を全く欠いていた若い男が、部長にまでなったという伝聞の話し。33の話し全ての主人公が異なる。これだけ短いお話の中にいろんな人生を考えさせられる文は凄い!

Posted byブクログ

2021/12/19

短い短編の中で、テンポ良く時間が流れていく。身近な誰かのことのような話、取り止めがないような話、ちょっと不思議な話、壮大な話、いろいろな物語が詰め込まれている。

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2021/11/15

じわじわ来ました。 作品名がとても長いのが斬新で、まじまじと見つめていた序盤。段々雰囲気がわかってきて、読み終わる頃には沢山の人の人生を現在から過去、もしくは反対に旅したような感覚が残った。 本のタイトル「百年と一日」は、言い得て妙だなと改めて思う。 何気ない日常の描写が多...

じわじわ来ました。 作品名がとても長いのが斬新で、まじまじと見つめていた序盤。段々雰囲気がわかってきて、読み終わる頃には沢山の人の人生を現在から過去、もしくは反対に旅したような感覚が残った。 本のタイトル「百年と一日」は、言い得て妙だなと改めて思う。 何気ない日常の描写が多く、とても静かな一冊。 それにしても絶妙な人選。これから街に出かけたら、彼らに会える気がする。 お気に入りは、兄弟の話と雪の日の子供たちの話! 

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2021/10/27

異なる時に、人が現れ留まり、去ってゆく話がたくさん詰まった本 説明文のようなタイトルも相まって、 過ぎた時にラベルをつけて、そっと棚にしまってある静かな博物館を眺めてきたような読後感でした 「初めて列車が走ったとき、祖母の祖父は羊を飼っていて、彼の妻は毛糸を紡いでいて、ある日か...

異なる時に、人が現れ留まり、去ってゆく話がたくさん詰まった本 説明文のようなタイトルも相まって、 過ぎた時にラベルをつけて、そっと棚にしまってある静かな博物館を眺めてきたような読後感でした 「初めて列車が走ったとき、祖母の祖父は羊を飼っていて、彼の妻は毛糸を紡いでいて、ある日からようやく話をするようになった」が特に好き

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2021/10/23

ちょっと、私には合わなかった。 戦後っぽい話から現代風の話まで、百年の中のそれぞれの話という意味なのか、とにかく不思議で特に何も起こらないというのがほとんど。

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2021/09/16

なんとも不思議な作品だ。短編というか掌編というか詩のような作品集。最初に長い見出しの目次が並んでいるのを見て、「ネタバレ?」と思ってしまった。ネタバレではなかったが、こんな長い見出しに設定した意図はよく分からなかった。作品ごとの関連もよく分からないが、なぜか読んでいて気持ちがよく...

なんとも不思議な作品だ。短編というか掌編というか詩のような作品集。最初に長い見出しの目次が並んでいるのを見て、「ネタバレ?」と思ってしまった。ネタバレではなかったが、こんな長い見出しに設定した意図はよく分からなかった。作品ごとの関連もよく分からないが、なぜか読んでいて気持ちがよくなるリズム感があり、どんどん読み進められる。これが筆力というやつなのだろうか。煙に巻かれながらも様々な時間の流れを感じることもでき、なんとも不思議な読後感である。感想を書くのが難しい。

Posted byブクログ