星月夜 の商品レビュー
CREA(2020.12.29):言語の壁に偏見の種……「外国人留学生」のリアルを描く2冊 留学生活を通して知る 自分の個性 #01 https://crea.bunshun.jp/articles/-/28968
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ネットで書評を見かけてタイトルに惹かれて読んだけど、読めば読むほど自分の無知を思い知らされた。私の知っている中国、台湾、香港は教科書の中だけの情報だった。あと、台湾は親日家が多いけどもちろん反日の人だっている。植民地だったんだから当然なんだけど、自分に都合の良いところだけに目を向...
ネットで書評を見かけてタイトルに惹かれて読んだけど、読めば読むほど自分の無知を思い知らされた。私の知っている中国、台湾、香港は教科書の中だけの情報だった。あと、台湾は親日家が多いけどもちろん反日の人だっている。植民地だったんだから当然なんだけど、自分に都合の良いところだけに目を向けていた。 ユルトゥズは中国国内でもウイグル自治区出身というだけで酷い扱いを受け、日本でも在留カードを携帯していなかっただけで犯罪者扱いされ、ただいるだけで心削られるような対応をされてしまうのがただただやるせない。
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※このレビューにはネタバレを含みます
読み終わった後、私はこの一冊の本に対する言葉を自分の表面から出すことにものすごい抵抗を感じた。 うわっつらの言葉で語ることができない大きな何かを自分の中から探したくて。 自分が普段どんなにいい加減に「中国」という国をとらえていたか、にまず愕然とした。 中国も台湾も香港も新彊ウイグル自治区も、まるっとまとめて「中国」と言ってきた。そこに住む人は「中国人」と。 そこで国がどんな政治をしているか、人々がそんな生活をしているか、どんな言葉を話しているか、どんな文字を書いているか。何も知らない、知ろうともしてこなかった。すぐ隣に暮らす人たちなのに。 例えば名前の読み方ひとつとってもそこにはそれぞれの読み方や発音や意味があったのだ、と今更ながら。 「名前」それはヒトがほかの誰でもない自分であるというしるし。それをあまりにも軽視していた気がする。 そして、最近自分の身の回りにもたくさんいる彼ら彼女たちが何のためにここにいるのか、何を求めてここにいるのか、も知ろうとしてこなかった。まるっとひとくくりに「中国から来た人たち」という名札を貼り付けてみていたのだ。 日本の大学で留学生たちに日本語を教えている台湾人柳凝月、新彊ウイグル自治区から留学してきて大学院を目指す玉麗吐ズー(日本語に変換できない漢字をカタカナで表記されるのも多分ものすごく傷つくことなんじゃないかとも)、二人の女性が、日本で日本語を通して知り合い、お互いの関係が変化していく過程が本当はもっと言葉に、日本語に出来ない、だから私には理解できない動きがあったのだろう、と。それを読みきれないことに忸怩たる思いを感じる。 ヒトとヒトが分かり合うために必要なもの。言葉がなくても分かり合える、というけれど、それもある意味真実ではあると思うけれど、それでも、やはり共通の言語というのは必要不可欠なもの。 言葉を通してしか分かり合えない思い、気持ち、考え、について、ずっと考えている。 私はこの小説から何を得たのだろう。混乱する頭で考える。何を自分の中に見つけ、何を自分の中から出していけばいいのだろう。自分の言葉で誰かに伝えたい、そう思う
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