ほんとうの長州力 の商品レビュー
えっ!長州がターザンと対談本?ありえない!と手に取りました。はい、ありえませんでした。聞き手は、ターザンでもなく、さらには山本でもない、KAMINOGEの井上編集長…なぜか、井上を山本と呼び続ける、タトゥーをタツーと発音する、サニブラウン・アブデル・ハキームをサニブラウン・アブド...
えっ!長州がターザンと対談本?ありえない!と手に取りました。はい、ありえませんでした。聞き手は、ターザンでもなく、さらには山本でもない、KAMINOGEの井上編集長…なぜか、井上を山本と呼び続ける、タトゥーをタツーと発音する、サニブラウン・アブデル・ハキームをサニブラウン・アブドーラ・ハキームと呼ぶ、ツィッターのフォローのことをセーブと言い続ける、初孫世代のザ・おじさん、が「ほんとうの長州力」。今回のコロナ禍の下で昔のプロレス観戦仲間から、どんどん昔のレジェンドたちのYouTubeが送られています。中でも長州モノは本数も多く、特に武藤との会話の噛み合わなさや、ベランダ、おっとテラスと呼ばないと怒られる…での娘婿、慎太郎さん(本書にも登場!)との絡みも最高なのですが、維新革命や長州監督時代やUインターとの抗争や週プロ取材拒否の不機嫌長州が「ほんとうの長州」だった世代から見ると、こんなに笑っていいのかな的逡巡もあるのです。それは笑わせている、のではなくて笑われている長州についての戸惑いであります。でも実は長州はそんなに変わっていないのではないか?昔からこんな人だったのではないか?と本書を読んで思いました。「いったいオマエになにがわかるのか!」「墓にクソぶちまけてやる!」「コラタコ、オイタコ」いつだって彼は周囲との違和感を独特の言語にすることで自分であった人なのだ、と。ずっと長州はコトバのプロレスラーなのです。きっと。それがプロレスの枠内にいる時のストレスはビジネスとしてお米(お金)になり、今、プロレスの枠の外に出た時、社会風潮やテクノロジーへのストレスがおじさんのモヤモヤの代弁として、みんなに期待されているのではないでしょうか?なにより表紙と章ごとの中邑真輔のイラストで描かれる可愛く、ちょっと怖い、そしてかなり変なおじさん、が現在の長州の立ち位置なのでしょう。今、この時点で立ち位置を持っているだけで、長州は幸せなプロレスラーです。
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いやぁ面白い!KAMINOGEは創刊号からずっと買い続けてるから前に読んでるんだけどそれでも面白い! ただ、一体どこまでが素でどこからが計算なのかハッキリしない。まさに『底が丸見えな底無し沼』である
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