愛の手紙の決めゼリフ の商品レビュー
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文豪や芸術家、その家族や恋人との間の手紙の決めゼリフ集。 胸を打ち抜かれたものをいくつか。 ●恋愛の決めゼリフ 平塚らいてう ライてうから恋人への質問状。で、その恋人:奥村博史さんからの返事が普通なんだけど、真摯でストレートで確かな愛にあふれている。これは女史も即オチやわ~。読んでるこちらも、ときめいちゃったじゃないか。 ●夫婦愛の決めゼリフ 徳冨蘆花夫婦 ずーっとイチャコラしとる。「末永く爆発しろ~!」って、こんなときに使うんだよね。 和辻哲郎夫妻 照夫人が寄こした2人の坊やの言葉。速攻、家に帰りますわ。 ●友愛の決めゼリフ 梶井基次郎から川端康成への、療養先からの手紙 初夏の山里のスケッチ。生への憧れ。初々しい緑と咲き誇る花と、これから苗を植える土と。 ●家族愛の決めゼリフ 野口シカ→野口英世へ 読むたびに、子へと焦がれる気持ちに圧倒され、胸を締め付けられる。息子を送り出して、ずっと寂しいのを我慢してたのが、自分の終わりの時間が見えてきて、“会いたい”を止められなくなったんだろうなあ。 ●師弟愛の決めゼリフ 夏目漱石→野村伝四 ビスケットをかじりながら学生たちの試験の添削をする漱石先生。ビスケットは無くなるが、答案はなくならない漱石先生。愛しい。先生の取り巻き文豪蹴散らして愛を叫びたい。即、庭で焼却されそうだが。 志賀直哉→杉田英男、太宰治 一時の激情に筆をすべらせてしまった後悔が、杉田氏への手紙から切々と伝わる。 夏目漱石→松根東洋城 恋愛のアドバイスをユーモアも交えて。きっと、キリキリと張り詰めていた心持ちが、少し緩んだのではないかな。 別離の決めゼリフもあるんですが、やっぱ気持ちよく離縁って、無いよなー。
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