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霧の彼方 須賀敦子 の商品レビュー

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2020/11/06

須賀敦子さんは“須賀敦子”だと知らないときに手に取って読んでいた作家さんだ。 須賀さんの“エッセイと小説のあわい”にある作品をエッセイとして読んでいた。当時はエッセイが好きで、どちらかというと賑やかなものをよく読んでいたのだけど、静謐な空気が広がっていくような氏の作品が好きでした...

須賀敦子さんは“須賀敦子”だと知らないときに手に取って読んでいた作家さんだ。 須賀さんの“エッセイと小説のあわい”にある作品をエッセイとして読んでいた。当時はエッセイが好きで、どちらかというと賑やかなものをよく読んでいたのだけど、静謐な空気が広がっていくような氏の作品が好きでした。 キリスト教のことは、あまり思わずに読んでいたと思う。※アメリカ・ヨーロッパの児童文学にどっぷりとつかった読書歴が、立ち止まることをせずに読み進める原因だったかもしれない。 自分は無神論者という強い言葉で表すものではなく、緩やかに仏教と神道に親しみつつ自然への感謝や感動をうけているという日本ではよく見かける素朴な宗教観だ。 宗教が祈りと哲学であるならば、信仰とも宗教とも遠く離れたところにいる。 1類は哲学と宗教であることをもう一度考えてみようかと思う。 長く時間がたって、この須賀敦子さんの「たましい」「身体」「精神」「時代」「哲学」「祈り」を辿る著書を読み、再たび須賀さんの著作を読んだとき、どのように本と対話が出来るだろうかと思う。

Posted byブクログ

2020/11/06
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※このレビューにはネタバレを含みます

霧の向こうに住みたい、だよね、と思って読んだら結構違った。そうか、私が読まなくなった時期がちょうど亡くなった時期だったから気がつかなかったんだ。久しぶりで評伝をちゃんと読んだ。

Posted byブクログ

2020/08/01

大好きな須賀敦子さんのことを若松英輔さんがお書きになるって読まずにはいられない。 大喜びで読み始めたが、いきなりガーンと来た。 もちろん須賀さんが熱心なカトリックの方とわかって読んではいたのだが、そもそもカトリックに関する素養も知識も、もっと言えば関心もほぼない私。それを抜きにし...

大好きな須賀敦子さんのことを若松英輔さんがお書きになるって読まずにはいられない。 大喜びで読み始めたが、いきなりガーンと来た。 もちろん須賀さんが熱心なカトリックの方とわかって読んではいたのだが、そもそもカトリックに関する素養も知識も、もっと言えば関心もほぼない私。それを抜きにして読んで、それで読んだと言えるのか。何を持って好きと言ってるのか。全くわかってないではないかとショックを受けた。ほんとに。今、私のやるべきことは、この若松さんの評伝を横に置きながら、須賀さんを読み直すことと思われる。 でも、もっと意識をして読むからと言って、カトリックの素養のない私は深くは読めないってことなのか。それを抜きにしてもやっぱり好きだから(引用されている文章が、ことごとく出典に戻って読み返したい気分を起こさせる)これを契機に読み返したいという気持ちは満々だし、これからも何度も読み返したいと思っているのに、無信仰な私は無信仰なりの理解しかできないということなのか(バカな私はバカなりの理解、と書きたいところでもある)… ここまで書いて、それを言い出すと、たとえば遠藤周作の小説の理解も多分全然ダメで、それでもそれなりに考えることもあるわけで、全ての書物、人物等は自分の器なりの理解しかできないということなのだなぁ… 格調ある評伝の感想を、こんなふうに書いてしまって… 偉そうなことを言うと、雑誌に連載されてるのを知った時から、若松英輔さんがお書きになるって、須賀さん大喜びだろうなと思っていたのだ。 すごい組み合わせだと感動していたのだ。 こんなガサツな感想で申し訳ない気持ちでいっぱいです。 読み終えたばかりで、うれしいような悲しいような気持ちになっているので、もう少し落ち着かないと。

Posted byブクログ