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2020/08/16
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はたちの時に出会った最愛の夫を亡くし、自らも死を選ぶべく身辺整理を始めていた麻緒。 自殺用のロープを買いに訪れた手芸店で偶然目にした、“週末”ならぬ“終末”の洋裁教室のチラシ。 「春ははじまりの季節。さあ、死に支度をはじめましょう。あなただけの死に装束を、手づくりで。」 ふと心惹かれて教室に通うことになった麻緒は、3人の仲間たちと、講師の小針先生に出会う。 ことぶきジローさんのレビューを読んで、手に取りました。 ありがとうございました! 正直、装う事にはそれほど興味がない方だけれど、ひととき素直に、愛する人を亡くした悲しみから、自分の人生を生きる力を取り戻してゆく麻緒を見守ることが出来たような。 ほんの2時間ほどの間に、麻緒の絶望や後悔、ときめきや幸福感も、あっという間に追体験したような。 こんなに読みやすくてよかったのかと思うほど、読後はとても爽やかでした。 『生前葬』『生前整理』などの文字に反応してしまう今日この頃。 誰にも迷惑をかけず、まぁ少しは悲しんで欲しいけれど、必要以上に誰かの未来に影を落とさずに消えてゆきたい…などと考えている私でも。 何を着て、何を食べ、何を思うかをおろそかにしてはいけないな。 しかし、弦一郎さん…いくら自分の余命がわずかだと悟っていても、麻緒の未来を思っての事だとしても、あれは無いわ…荒療治すぎるわ… さらに、たまたまこの一週間で読んだ本の順番というか…生きているだけで感謝だったり、後悔ありありでもしゃあないだったり、人生のスパイスを味わい尽くさなくてはだったり… アップダウン???が激しすぎて、ちと疲れたところに本作。 ふれているテーマの重さのままの重厚な作品だったら…リタイアはしなかっただろうけれど、ずいぶん今の気分が違っていただろう。 読みやすくて良かった。 タイトルの重さに怯まず、愛らしい装丁に惹かれて、たくさんの人に読んでもらいたい。

Posted byブクログ