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虫とゴリラ の商品レビュー

3.5

19件のお客様レビュー

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2020/11/19

解剖学者の養老孟司さんと、霊長類学者の山極寿一さんによる対談を収録した一冊。虫とゴリラの目で日本の未来を語った作品で、養老さんは虫、山際さんはサルやゴリラをたとえに使って、最新のビッグデータやAI・SNSなどについても語られる(2人とも研究対象が異なるのに、不思議と会話が噛み合っ...

解剖学者の養老孟司さんと、霊長類学者の山極寿一さんによる対談を収録した一冊。虫とゴリラの目で日本の未来を語った作品で、養老さんは虫、山際さんはサルやゴリラをたとえに使って、最新のビッグデータやAI・SNSなどについても語られる(2人とも研究対象が異なるのに、不思議と会話が噛み合っていたのが凄い…)。社会学・歴史・生物学からITまで幅広く語られる「知」の宝庫の2人の対談は、読むだけで勉強になる。

Posted byブクログ

2020/11/11

虫の専門家とゴリラの専門家の対談本。いかに人が自然を差し置いて自分勝手なモノの見方をしているかを考えさせられた。専門的な話を軸に、身近なテーマを幅広く扱っているため、とても読みやすく読み応えもある一冊であった。

Posted byブクログ

2020/11/03

「虫(養老)とゴリラ(山極)」は分かりますが、このタイトルはチョットねって思いました。 人間の社会はこれでいいの?虫とゴリラの視点で人間のおごりに物申す。という内容の本です。 今まで山極寿一先生の著作は未読なので、養老先生との対談形式なら山極先生の知識や思想を知るのに良いかと思...

「虫(養老)とゴリラ(山極)」は分かりますが、このタイトルはチョットねって思いました。 人間の社会はこれでいいの?虫とゴリラの視点で人間のおごりに物申す。という内容の本です。 今まで山極寿一先生の著作は未読なので、養老先生との対談形式なら山極先生の知識や思想を知るのに良いかと思い読んでみました。 芸がないと感じた「虫とゴリラ」というタイトルですが、山極先生が「と」について語る場面がありました。 西洋の「a」and「b」は、 「a」か「a」ではない「b」であるが、日本の「a」と「b」は、その2つが同じ価値観を持って相互を了解し合える関係になるのだと。 この発言があったから、『虫「と」ゴリラ』というタイトルにしたのだと勝手に決めつけました。 このお二人の価値観はおそらく似ていて、対話を読んでいてもすべてを言わずとも分かり合えている感じがします。 もう少しやさしく(知識レベルと価値観が違う)読者にもわかるように説明して欲しい箇所もちょくちょくありました。 見方を変えると、この両者はお互いに新しい発見は見出しにくい間柄なのかも知れません。 お二人が広範で深い知識を得た背景には、身体を使った豊富な体験が基盤にあることが良く分かります。 情報の蓄積が進んだ現在、虫や植物は図鑑やインターネットで調べればすぐに見ることができます。 それではダメで、「虫捕り」や「植物採集」ができる場所に行かないと本当の自然を理解することはできないと力説しています。 自然の中では、嗅覚や触覚や聴覚など持ちうる全ての感覚を駆使しているのでインプットの質と量が違ってくるのは当然ですね。 ところが、人間は自然を壊し過ぎたと嘆いています。 技術が進歩し、できなかったことが「できるようになる」と人間はどんどん「やっちゃう」。 野山を切り崩し、ビルや道路などを作りすぎた。 その結果、昔はめったに出遭うことのなかったサル、シカ、イノシシが近年人前に現れるようになった。タヌキやクマも。 自然現象に法則性を求める試みが行われているが所詮無理であり、自然を情報化すること自体がそもそも間違いだと養老先生は言います。 「ここにある虫が飛んできた。何が起きますか?」って、わからない。 確かに、いくら科学が進歩しても宇宙や地球や自然については分らないことだらけです。 例えば、一本の木があって、枝がどのように伸びて、葉がどのように茂るかということすら永遠に分かりそうにありません。 本対談の後半部では、虫やゴリラから離れて人間の愚かさを憂いています。 未来の社会にとって大切なことは、安心を保証することですが、現在はそれが大きく崩れています。 技術の進歩は安全を作ることができますが、その安全を安心にできるのは人です。 ところが、現代は人への信頼が揺らいでいます。 本来信頼を作るためのコミュニケーションが信頼を壊す作用を持つようになってきたからです。 政治でもビジネスでもフェイクが流行り、信頼が破壊されています。 人を判断する時は、結局言うことじゃなくて、やっていることで判断することになります。 言ったことはやらないで、反省するそぶりもない人を信頼し将来を託すことはできないですから。 安心に対する保証が感じにくいのは、自然への信頼が揺らいでいるせいでもあろうというのは本書らしい意見ですね。 自然とも感動を分かち合う生き方を求めていけば、崩壊の危機にある地球を救うことができるというのも同感です。

Posted byブクログ

2020/10/26

☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆ http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB31329351

Posted byブクログ

2020/09/23

虫好きとゴリラ好きには共通点があるようで意外にないっていう話。 養老さんと山極さんと好きなお二人の対談というので期待し過ぎていたのか、表面的な話で終わってしまった感じがした。 水上交通をもっと重視するべきという話が面白かった。

Posted byブクログ

2020/09/22

都市化がヒトから感性を失わせ、"意味のないもの"を許容できない社会をつくりだしているのではないか。 解剖学者と動物行動学者のかみ合ったり少しずれたりする対談が面白い。 昆虫の分布が構造線び影響を強く受けているというくだりが興味深かった。

Posted byブクログ

2020/07/29

一般教養として読むのももちろん楽しい1冊ではあるが、「教育」の視点から読み進めると、ハッと気付かされることがほんと多いなと痛感。 今の教育がいかに自然の摂理に反してるか、養老さんと山極さんは的確かつ痛快に断じてくれているので、私にとっては清々しい気持ちにさせてくれる内容だった。 ...

一般教養として読むのももちろん楽しい1冊ではあるが、「教育」の視点から読み進めると、ハッと気付かされることがほんと多いなと痛感。 今の教育がいかに自然の摂理に反してるか、養老さんと山極さんは的確かつ痛快に断じてくれているので、私にとっては清々しい気持ちにさせてくれる内容だった。 やはり、経済界に動かされている今の日本の教育は不健全なんだなという確信を、またひとつ得ることができた。

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2020/06/14

まあ、2人ともだいたい知っている話が多かったかなあ。本当はコロナ以降の話が聞きたかったのだけれど、今回は仕方ないかなあ。それと、2人がだいたい同じ路線だから、なんか化学反応的に新しいアイデアが生まれるということもなかったような気がするなあ。自然にはひとつとしてまったく同じものはな...

まあ、2人ともだいたい知っている話が多かったかなあ。本当はコロナ以降の話が聞きたかったのだけれど、今回は仕方ないかなあ。それと、2人がだいたい同じ路線だから、なんか化学反応的に新しいアイデアが生まれるということもなかったような気がするなあ。自然にはひとつとしてまったく同じものはないのだ。それを、ことばにすることで、ひとくくりにしてしまう。それが情報になり、それで論理的にものが考えられるようになるのだろうが、ひとつひとつ違うということを感じられなくなってしまうんだな。倫理というのは論理ではないから、感じることができなくなるのは困ったことなのだ。うーん、なんか、分かったような、分からないような、どっちにも意味がとれるような文章が多かったからなあ。新井先生にしかられる。でも、倫理の話は松尾豊さんの番組でも話していて、けっこう興味深かった。で、養老先生が「中動態」とかことばを出したのでちょっと期待したのだけど、そのあと話は広がらなかった。「微気象」というのもちょっとキーワードとして出てきたなあ。おぼえておこう。それから、学習というのはようするに「自習」である、なんて言っていた。確かにそうなのだ。だけど、その自習するようにもっていくのが大変なんだなあ。それが、我々の仕事やな。

Posted byブクログ

2020/06/06

人間を外から(自然側から)見てきたお二人が、現在の人間社会に対する危機感を話し合う。 なんでも情報化、均一化、工業化することによって、こぼれ落ちるなにかがあると。うまく言語化はできないが、人間に必要なものがそこにはあると。 情報に溢れる中、情報化された部分だけを鵜呑みにするの...

人間を外から(自然側から)見てきたお二人が、現在の人間社会に対する危機感を話し合う。 なんでも情報化、均一化、工業化することによって、こぼれ落ちるなにかがあると。うまく言語化はできないが、人間に必要なものがそこにはあると。 情報に溢れる中、情報化された部分だけを鵜呑みにするのではなく、情報化されきれていない部分まで物事を見てみるよう意識して見たい。 少し抽象的で理解しにくいところがあった。 お二人とも知識経験豊富なため、行間で語り合っている部分が多々あったのかもしれない。

Posted byブクログ