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三体 Ⅱ(下) の商品レビュー

4.5

334件のお客様レビュー

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    181

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  3. 3つ

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2020/06/25

中国ではシリーズ中もっとも評価が高いという「黒暗森林」だが、下巻を読んだことで納得(個人的にもSF作品の中でベストオブベスト)。前作『三体』では、「ジャッジメント・デイ」の戦闘部分が一番好きだったのだが、本作ではその1000倍規模の大きな戦闘が繰り広げられる、スケールは過去2巻よ...

中国ではシリーズ中もっとも評価が高いという「黒暗森林」だが、下巻を読んだことで納得(個人的にもSF作品の中でベストオブベスト)。前作『三体』では、「ジャッジメント・デイ」の戦闘部分が一番好きだったのだが、本作ではその1000倍規模の大きな戦闘が繰り広げられる、スケールは過去2巻よりも大きく結末もシビア。上巻からいろんな伏線が散らばっていたが、後半一気に回収されるのは気持ちよかった。映像化も計画にあるらしいが、本作であった未来表現がどこまで再現されるか楽しみ。続刊「死神永生」も早く読みたい。

Posted byブクログ

2020/06/25

『三体Ⅱ黒暗森林』は中国ではシリーズ中、最も評価が高い一冊であるそうです。 主な理由はハードSFとして、頭脳戦エンタテイメントとしての完成度が極めて高いということですが、SFを読んだのが初めてに近い私は全く反対でSF用語の多さに辟易しました。 安心して読めたのは、主人公のルオ・...

『三体Ⅱ黒暗森林』は中国ではシリーズ中、最も評価が高い一冊であるそうです。 主な理由はハードSFとして、頭脳戦エンタテイメントとしての完成度が極めて高いということですが、SFを読んだのが初めてに近い私は全く反対でSF用語の多さに辟易しました。 安心して読めたのは、主人公のルオ・ジーが出てくる人物の交流場面のみで、宇宙戦隊の戦闘の場面などは正直読むのがかなりつらかったです。 なぜ、三体世界と地球生命は愛のあるもの同士の世界なのに戦うのかと思いました。 地球の歴史を考えてみても、地球の歴史は戦争の歴史であるのだから、どこの世界でも、宇宙と交信する時代になっても、愛があっても、戦争は行われるのかと思いました。 『三体Ⅲ死神永生』でも「ある宇宙の真相」が解明されると巻末の解説にあり、とても読んでみたい気もしますが、作者によって創作された、宇宙理論より、現実の歴史を読んで勉強した方がよくないかという気もしています。 SFを読むというのはそういう理屈じゃないのかもしれないのですが。 そこが、わからない私はSFファン失格だと思いますが。

Posted byブクログ

2020/06/21

息を飲む黒暗森林。 今作では移行期の荒廃した世界、ディストピアの様子がみえる。 今作は三体危機というディストピアからの回復の物語でもあるようだ。 だとすれば、文革から超大国スーパーパワーへと変貌を遂げた現代の中国の姿と重なり、民族的トラウマも垣間見える。 その一方で、信じ...

息を飲む黒暗森林。 今作では移行期の荒廃した世界、ディストピアの様子がみえる。 今作は三体危機というディストピアからの回復の物語でもあるようだ。 だとすれば、文革から超大国スーパーパワーへと変貌を遂げた現代の中国の姿と重なり、民族的トラウマも垣間見える。 その一方で、信じられないほどに西側諸国的な普遍的価値観さえ語られる。 中国という国や社会、全体主義・中央集権的な統治システムの国出身の作者であるにもかかわらずだ。 この作品が中国語で書かれた事が恐ろしい。 もう日本は文化芸術、文学や自由、知性を含む精神的な領域、共感を育む公共性といった風土も遠く中国に及ばないのかもしれない。 (こうした考えを本作では敗北主義と呼ぶのかもしれないが) この20〜30年間我々日本人はただ惰眠を世界が驚く狭さのワンルームで貪り、テレビだけ見てなにも考えず無関心が無教養をはびこらせ、iPhone片手に「日本と日本製がいちばん。だって100均があってウォシュレットがあっておまけに四季があるしおもてなし」とか言うようになってしまったのはこの国に「智子」がばらまかれて智子をおもてなししてたら面(オモテ)がなくなってしまってオモテナシ。 さて。 それはそうと、第一巻、物語冒頭で示された2つの公理がある。 猜疑連鎖と技術爆発だ。 ネタバレしたくないのであまり書かないけれども、およそこの2つの公理にも疑問は残る。 猜疑連鎖は、では大航海時代の人類はどうだったのだろう。コミュニケーションがあれば解を見いだせるというが、では江戸時代の鎖国は?或いは現代に残る未開の世界、熱帯雨林で「100年の孤独」を過ごす部族は?接近を頑なに拒むインド洋の孤島の民族はどうか。 この猜疑連鎖は結局ゲーム理論、ナッシュ均衡、冷戦の核抑止理論の次元なのではないか。 第二に技術爆発とその影響も、結局は原始における文字と筆記、古代における鞍とあぶみや六分儀、中世の活版印刷、治金、マスケット、近代における蒸気機関、鉄道、内燃機関、自動車、航空機、電子工学云々と結局地球人類史の次元でしかなく、これらの発明が起こった場所、文明の変遷といった次元を類推するにとどまるのではないか。 即ちこれら公理とは仮定に過ぎない。 それがこの物語の装置となっている気がする。 それはいいとして、この物語のラストには息を飲む。 続編『死神永生』は2021年春頃・・待ち遠しい・・

Posted byブクログ

2020/06/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

上下合わせて3日で読んだ。状況の起伏が多く、常にハラハラさせる展開だった。終盤では、残りこのページ数でキリがつくのか??と不安に思ったが、杞憂だった。ただ、三体星人がハッタリを覚えそうな伏線があった割に、最後まで交渉に淡々と従うのは、やはりかわいい。

Posted byブクログ