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持続可能な魂の利用 の商品レビュー

3.5

117件のお客様レビュー

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2022/11/05

だんだん「おじさん」がかわいそうになってきたが、アイドル政権まで見据えたうえだとすればショック療法で仕方ないか。お隣りの国のおじさんや海の向こうのおじさんも歓迎してくれるし。生き残れるかも、この国。「常に防御するのが当たり前の『普通の生活』を日々送っている日本の女性たち(おじさん...

だんだん「おじさん」がかわいそうになってきたが、アイドル政権まで見据えたうえだとすればショック療法で仕方ないか。お隣りの国のおじさんや海の向こうのおじさんも歓迎してくれるし。生き残れるかも、この国。「常に防御するのが当たり前の『普通の生活』を日々送っている日本の女性たち(おじさんたち?)」でも、みんな「おじさん」の共犯者だよねー。終わらせるのではなく未来も描いてほしかった。

Posted byブクログ

2022/11/26

最初はわかる、わかる!と思っていたけど若干の思想の強さも感じた。 ジェンダー小説といわれることも納得。 2つの世界線で話が進んでいくんだけど、こういう風に交わるのか!と予想だにしない展開だった。 I want more.

Posted byブクログ

2022/09/12

一人の女性が子供・少女時代からおとなになるまでの防御的自己確立の軌跡と言おうか。 男性たち(作者はそれをおじさんの目と言う)からの幼児時代の小さなセクハラ(例えば写真撮らせてと近ずく)や、混んだ電車中での痴漢経験、夜道の怖い思いなどが、自意識過剰な防御の習い性になり、おとなしめ...

一人の女性が子供・少女時代からおとなになるまでの防御的自己確立の軌跡と言おうか。 男性たち(作者はそれをおじさんの目と言う)からの幼児時代の小さなセクハラ(例えば写真撮らせてと近ずく)や、混んだ電車中での痴漢経験、夜道の怖い思いなどが、自意識過剰な防御の習い性になり、おとなしめの女性に。派遣社員として働く会社でのある男からの巧妙なセクハラもどきいじめに合い、離職させられ精神を病む。そしてそれから脱出、自立するまでをヒロイン「敬子」を中心に、様々な女性のシーンにことよせて、ファンタスティックに描いている。 小説の設定は現代なのに、わたしの昭和時代と変わらないんだね。高校時代の混んだ都電での痴漢(後からわかったのだけど、犯人は母校の先生だった。もちろんうやむやに)夜道で変なもの見せられたり(蹴とばしてやればよかったのに)就職すればしたで、暗黙の27歳定年制、男性たちのある種のうわさばなしで辞めていった人が何人いただろうか。 とただ、ただ愚痴っているのではいけない。この世からある一定の男性(作者の言うおじさん)が消えればいいのか、解決策はファンタジーではいけない。言っていくしかないんだね。この世は半分は女性だから。作者は「おばちゃん」という言葉も言う、そう「おばちゃん」は強い、「ばばちゃん」はもっと強いよ。 さてさて、ネタバレになるけど小説によると、縮小しなければ成り立たない世界の中で「国をたたむ」くじ引きを一番に引き当てたのが日本なのだとさ。いまの日本のありさまをみていると、その作者の皮肉、秀逸だね。(いやいや、そんなこと許せないけど)

Posted byブクログ

2022/09/05

何度か投げ出しそうになって、それでも最後まで読みましたが駄目でした。 物語というよりフェミニズム小説。これを批判すると、やっぱりあなたも「おじさん」だと批判を受けそうですが、この本の考え方は最も嫌いなタイプです。フェニミズムを否定する訳では無いのですが。。。。 全てはこんな世界を...

何度か投げ出しそうになって、それでも最後まで読みましたが駄目でした。 物語というよりフェミニズム小説。これを批判すると、やっぱりあなたも「おじさん」だと批判を受けそうですが、この本の考え方は最も嫌いなタイプです。フェニミズムを否定する訳では無いのですが。。。。 全てはこんな世界を作ったオジサンが悪い。その考えの元、延々と愚痴と怨嗟が続きます。本当に自分達は完全な被害者なのか?加害者でないにしろ共犯者だったのではないのか?といった考えはない。だから周りの世界を否定ばかりで(自分は悪くないのだから)その先にあるべき、自分(達)が「どうする」が出てこない。最後は象徴を祭り上げて(勝手に祭り上がられた方も大変だ)、世界を壊すだけで終わり。むしろ一番大切なのは壊した後の世界はどうあるべきで、そのためにどういう手を打つかなのに。 最近、コロナ対策でもありましたね。自治体が「全数把握は止めよう」と提案し、じゃあ政府が「ご自由に」と言うと逃げ出してしまう。今のやり方にダメ出しはしたものの「その次」が十分に見えて無かったのでしょう。「やめましょう」では無く「こういうやり方に変えましょう」というのが本当の提案なのです。 小説にそこまで求めるのか?と言われればそれまでですが、愚痴と怨嗟ばかりの物語って全く面白さを感じないのです。

Posted byブクログ

2022/08/24

日本の女性軽視問題をテーマとしたノンフィクションとフィクションと合間のような作品。だが加害者になるようなおじさんがこの作品を読んでもノンフィクションの要素があるとは認めたくないだろうな…

Posted byブクログ

2022/07/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

女性がただ自分のために、好きな自分でいられるように生きているだけなのに、勝手に性的搾取をする「おじさん」たち 女は全部自分の思い通りになると信じてやまない「おじさん」たち この小説の中だけじゃなくて、現実の世界に沢山いて、ずっとずっと嫌だと思ってた気持ちが文章になっていて、より世の中への怒りが噴出した。 自分の心の声を代弁してくれる心強いお守りみたいな本

Posted byブクログ

2022/04/16

三島由紀夫賞にノミネートされただけあって、なんか堅い文章だな…好みではないなと読み始めは感じていましたが、読み進めて行くうちにのめり込みました。 ホント世の中オジサンにコントロールされてるな!とテレビのニュースを見ていて思うように。女が支配してたら戦争なんて起きないんじゃないか?...

三島由紀夫賞にノミネートされただけあって、なんか堅い文章だな…好みではないなと読み始めは感じていましたが、読み進めて行くうちにのめり込みました。 ホント世の中オジサンにコントロールされてるな!とテレビのニュースを見ていて思うように。女が支配してたら戦争なんて起きないんじゃないか?と真剣に思うほどです。 ガラスの天井を女たちが繋がってぶち抜く日が早く来るといいな!と思います。

Posted byブクログ

2022/04/12

読んでいて、これは 「フィクションかはたまたノンフィクションか?判別がつかなくなる。」 一番強かった印象がこれ。 ここ日本に生きていておかしいと感じることや不条理には枚挙にいとまがない。 著書に書かれている、まるで「子どもを減らしてほしいのでは?」と感じる現況の制作にはとこと...

読んでいて、これは 「フィクションかはたまたノンフィクションか?判別がつかなくなる。」 一番強かった印象がこれ。 ここ日本に生きていておかしいと感じることや不条理には枚挙にいとまがない。 著書に書かれている、まるで「子どもを減らしてほしいのでは?」と感じる現況の制作にはとことん頷くばかりだし、7年前三人目の子どもを産んで職場復帰したとき、 「ここに居続けても私には未来がないな」と感じて思い切って退職したのは、 まさに「おじさん」が支配していた会社だったから。 そして現代のこの、一人一人の人権や考えをもつことが許されなくなってきているこのトチ狂った社会においてこそ、大きな考えるきっかけを与えてくれる本だと思う。 フィクションだと、小説と済ませることなく、 今の終末期とも言える綻びだらけのこの日本という国に住む立場として、一読に値する良著だと思う。

Posted byブクログ

2022/04/06

読み始めは不思議な世界観だなぁとぼんやり思う程度だったのに、読み終わってみると「これは、小説だったのか…?(未来から来た読み物では?)」というほどの衝撃だった。 個人的には長年感じていたもやもやや悲しみ、苛立ちなんかを受け止めて一緒に戦ってくれるような、そんな本当に素敵な力強さ...

読み始めは不思議な世界観だなぁとぼんやり思う程度だったのに、読み終わってみると「これは、小説だったのか…?(未来から来た読み物では?)」というほどの衝撃だった。 個人的には長年感じていたもやもやや悲しみ、苛立ちなんかを受け止めて一緒に戦ってくれるような、そんな本当に素敵な力強さがあって、これからもずっと一緒にいて欲しくなる言葉がたくさんあった。 日々女性が何に怯えて何に気を遣い、何を強いられていて何を制限されているのか、どんな風に息を潜めて、どんな想いをしているのか。決して、本当に決して真の意味で男性に理解されることない、そんな私たちにとってのありふれた日々をこれだけ言葉にしてくれたことに感謝しかない。 先日作者さんのインタビュー記事を拝見して、「今の社会に自分の評価を求めない」というようなことが書かれていて、「評価されたくない」という希望を明確に示すその格好良さに惹かれたことも思い出した。 この作者の作品の個人的一冊めがこの作品でとても嬉しかったし、その他の作品にも期待しかないのが嬉しい。早く別の作品も読みたい。

Posted byブクログ

2022/03/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

時間軸的にちゃんと理解できたのか心もとないが。。面白くて共感することが多くて、一気に読んでしまった。 ラストは、そこまでしないと安心な世界は無理なんかと思うと複雑だった。その不条理さを表してるともいえるかもしれないけど。。 ここまでストレートに、理不尽さを書きつくしてくれていているのはすごい、と思った。

Posted byブクログ