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性転師 の商品レビュー

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2022/02/20

「医療の技術は日本の方が上だと思うし、世界に評価されているのも日本の方だから、(性転換手術は)日本で受けるべきですよね、先生!」 「いや…、タイに行けるんだったら、タイに行きなさい」 「性転換ビジネス」に従事する日本人たちを取材したルポタージュ 日本で出遅れた性転換手術はある...

「医療の技術は日本の方が上だと思うし、世界に評価されているのも日本の方だから、(性転換手術は)日本で受けるべきですよね、先生!」 「いや…、タイに行けるんだったら、タイに行きなさい」 「性転換ビジネス」に従事する日本人たちを取材したルポタージュ 日本で出遅れた性転換手術はある事件がきっかけだった… タイで性転換手術がメジャーになった理由 アテンドと呼ばれる人々の存在 性転換手術はボランティアかビジネスか? そして、非難もありつつも性転換を希望する人に寄り添った和田医師の存在 刺青でその悩みに沿おうとする人など… 自分の性に悩む人々に様々なかたちで関わってきた人々の存在が描かれている。 今でこそ性同一性障害が多くの人に知られるようになったが、まだそんな言葉がない中、悩み苦しむ人も多くいた。 性転換はいろんな意味で「生死」に関わる手術であり、生きていく決意だと思う。 特に心に残っているのは和田医師の言葉 「医療は誰のためのものでしょうか?極論を言えば、私は患者一人ひとりの苦しみからの救済、手助けのためにあるのであって、国や法律や宗教などは一切関係ないと思っています。たとえ違法だろうが、患者は苦しみから救われる権利を人として当然有しており、誰かに不当な迷惑をかけるわけでもない限り、医師は患者に救いの手を差し伸べるべきだと思います。」 医師としての言葉は本当に深い。 訴えられても、警察に逮捕されても、真摯に自分のできることを追求した医師の信念は尊い。 この本は決して手術を推奨しているわけではない。 そして、筆者が言うように「自分は『外側』の人間だった…」という感覚は私にもあるかもしれない。 自分の性で悩んでいる人、悩んでない人…いろいろな人にぜひ一度読んでほしい そう思った一冊。

Posted byブクログ