RAW DATA の商品レビュー
理系を志す者はすべて最初に選択を迫られる。真理を追求する科学の道に進むか、技術を社会実装して世の中の役に立てる工学を選ぶか。 本書では科学の道を選んだプロフェッショナルたちの努力と葛藤を“不正”という大きな問題をテーマに見事に描き出している。特にそれぞれの心理描写の丁寧さはすば...
理系を志す者はすべて最初に選択を迫られる。真理を追求する科学の道に進むか、技術を社会実装して世の中の役に立てる工学を選ぶか。 本書では科学の道を選んだプロフェッショナルたちの努力と葛藤を“不正”という大きな問題をテーマに見事に描き出している。特にそれぞれの心理描写の丁寧さはすばらしい。ただ研究の素晴らしさだけが評価されるのではなく、運や人に大きく左右され翻弄される科学者たちの心の動きが読者の心を打つ。 著者自身も科学者ということで、細部にわたるリアリティが本書を際立たせている。一方でストーリーとしてはやや単調なので、それぞれの科学者のバックグラウンドなどがもう少しわかると物語としては厚みがあったかもしれない。 巻末の著者インタビューが実に読み応えがあり、よかった。理系の人にはぜひ読んでほしい。
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研究の現場の描写がリアルという評判を聞いて読み始め、想像してわくわくした。不正が決して大げさなものではなく、ひっそりと行われているだけに、どこで不正が始まりいつ終わるのか、他に不正に関わる人はいなかったのか、どきどきしながら読んだ。羊土社のこのシリーズ、他にも読みたい。
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バイオ系のTwitterで知り手に取りました。 米国におけるポスドクといわれる研究者の成功と研究不正のお話。フィクションとのことですが、がん遺伝子にまつわる研究者同士のディスカッションや実験風景の描写はリアル。だけど心理的な葛藤の叙述は若干重いなと。 その重い感じが、なぜ研究者が...
バイオ系のTwitterで知り手に取りました。 米国におけるポスドクといわれる研究者の成功と研究不正のお話。フィクションとのことですが、がん遺伝子にまつわる研究者同士のディスカッションや実験風景の描写はリアル。だけど心理的な葛藤の叙述は若干重いなと。 その重い感じが、なぜ研究者が不正に手を染めてしまうのかの理由になっており、読後感は爽やかとはいかない。が、面白かった。
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人によっては馴染みのない世界の話だとは思うけれど、純粋に物語としても面白く、リアリティがあると思う。
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