北斎になりすました女 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
絵画ミステリー?ノンフィクション? ジャンル分けが難しいけど、とにかく面白い。 学術書という訳ではないので、憶測で書いてる部分も少なからずあるのかな?とは思う。 でもあの当時の90歳って相当の高齢な訳だから、誰かが晩年の北斎の絵を手伝ってた可能性は高い訳で、それが応為だとして全くおかしくない。いつの間にか手伝いの量が多くなって、影武者の様に描いていた可能性だって大いにあるよね。 応為はどういう気持ちだったのか。ただ絵を描ければそれで嬉しかったのかな。 話も面白いけど、応為の作品がどれも素敵な事に感動した。女の人特有の繊細さ、光と影のコントラストが素晴らしい。一度生で見てみたいな。
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葛飾北斎とその娘で卓越した絵師応為(辰女)の伝記。北斎が最晩年、明らかに筆が震えているのにも関わらず肉筆画の傑作を連発した裏には応為の助けが不可欠だったとみる。一方北斎の名前を使って実利を絵多分後世に名前を残すことはできず、その死も不明な応為。応為のいくつかの作品では西洋の技法を...
葛飾北斎とその娘で卓越した絵師応為(辰女)の伝記。北斎が最晩年、明らかに筆が震えているのにも関わらず肉筆画の傑作を連発した裏には応為の助けが不可欠だったとみる。一方北斎の名前を使って実利を絵多分後世に名前を残すことはできず、その死も不明な応為。応為のいくつかの作品では西洋の技法を使いこなし、女性の髪の毛や指を書く技術、光と陰を表す技法では北斎を超えるものを生み出したが、構成力はワンパターンな面もあった。
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葛飾応為、本名、栄。生没年不詳の謎に満ちた、女絵師。 葛飾北斎の娘である彼女の生涯を探る、ノンフィクション。 序章 闇に消えた女 第1章 北斎の幽霊 第2章 応為誕生 第3章 光と影を描く 第4章 シーボルトのコレクション 第5章 長崎から来た男 第6章 北斎になりすまし...
葛飾応為、本名、栄。生没年不詳の謎に満ちた、女絵師。 葛飾北斎の娘である彼女の生涯を探る、ノンフィクション。 序章 闇に消えた女 第1章 北斎の幽霊 第2章 応為誕生 第3章 光と影を描く 第4章 シーボルトのコレクション 第5章 長崎から来た男 第6章 北斎になりすました女 第7章 秘密の仕事 第8章 応為、夜を描く 終章 応為はどこに消えたのか 参考文献・・・書籍・雑誌・論文、ウェブサイト、テレビ番組、史料 カラー口絵他、モノクロも含め適宜、絵の画像有り。 葛飾北斎の娘、応為とは? 知名度抜群の父・葛飾北斎の生涯の影に隠れた存在。 『葛飾北斎伝』の他、乏しい数の書状や文書、記録等の、 記憶の破片を組み合わせて、彼女の生涯を追う内容です。 作品ですら、ほんの僅かしか残っていない。 だが、伝・北斎や無落款の作品に残る、彼女らしさの痕跡。 北斎が試みた遠近法と影、応為が挑んだ光と影。 長崎の絵師、オランダ、貧乏だった理由。 老いても旺盛な北斎の画業の影に、彼女の姿が大きくなってゆく。 それらはまるで、ミステリー。 彼女の技法や痕跡を絵の中に探すのは、謎解きそのものです。 晩年の北斎の作品をじっくり観てみたくなりました。
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朝井まかての『眩(くらら)』を読んでいた時に本屋でたまたま出会ったのがこの本。 今月発売されたばかりの新刊で、自分にとってはあまりにタイムリーなので迷わす購入。 葛飾北斎の娘である女絵師、葛飾応為のノンフィクション。彼女の作として知られる絵は少なく、その背景に関する伝聞や文献も僅...
朝井まかての『眩(くらら)』を読んでいた時に本屋でたまたま出会ったのがこの本。 今月発売されたばかりの新刊で、自分にとってはあまりにタイムリーなので迷わす購入。 葛飾北斎の娘である女絵師、葛飾応為のノンフィクション。彼女の作として知られる絵は少なく、その背景に関する伝聞や文献も僅かなゆえ謎の絵師である。残された事実から推察をまとめたこの本は、ミステリーの謎解き要素満載である。 オランダ出島のお抱え絵師の川原慶賀の『妓楼格子先図』と彼女の代表作である『吉原格子先之図』の瓜二つの構図の背景にあるものとは!読んで納得。
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