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よその島 の商品レビュー

3.4

24件のお客様レビュー

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2024/06/04

さすがの筆致です。 老人について書かせたら今一番の作家さんなのでは…? こんなにきれいに歳をとっている老人も少ないでしょうけど、、お金があるんだろうな、運がいい。 70、80になったら、もう世界に対して執着しないで、諦念を身につけて欲しいと思ってしまうんだけど、老年はより自分...

さすがの筆致です。 老人について書かせたら今一番の作家さんなのでは…? こんなにきれいに歳をとっている老人も少ないでしょうけど、、お金があるんだろうな、運がいい。 70、80になったら、もう世界に対して執着しないで、諦念を身につけて欲しいと思ってしまうんだけど、老年はより自分事に固執するんだな…、という印象。 自分、自分、自分、エゴの塊。 若い人ならアンバランスでも許せるけれど、もういい加減長く生きた人間がずっとそれだと醜いな。

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2023/05/16

離島に移住した老夫婦と老作家。妻は殺人者でお手伝いの女性は殺された女の人の娘なのか?穏やかな島の生活の中に不穏な空気が漂う。

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2023/05/15

骨董品店を営んでいた、碇谷芳朗、蕗子夫婦と、その店の常連だった、野呂晴夫は、ある島で、共同生活を送る事になった。 その家には、家政婦の仙崎みゆか、宙太親子が居て、5人で住む事になった。 仙崎みゆかと、野呂には、何やら、秘密めいた関係がありそう。 ● 自分の影を、気味が悪く、...

骨董品店を営んでいた、碇谷芳朗、蕗子夫婦と、その店の常連だった、野呂晴夫は、ある島で、共同生活を送る事になった。 その家には、家政婦の仙崎みゆか、宙太親子が居て、5人で住む事になった。 仙崎みゆかと、野呂には、何やら、秘密めいた関係がありそう。 ● 自分の影を、気味が悪く、生まれて死ぬまで、こんなものにつきまとわれて過ごすのか。と感じる。 ●息子が生まれた日、病院に駆けつけて、前を歩いている老婆を追い越せず、このままずっと、息子のところに、辿り着けない気がする。 ●別れた妻と息子に会いに行く途中、4〜5才の10人ばかりの子供に遭遇し、その小さな顔の一つ一つが、ちゃんと人間の笑顔になっていることが、恐ろしく感じられ、結局、妻と息子に会いに行かなかった。 等、 ちょっと、辛気臭い。

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2023/02/17

「美しい手、だがこれは殺人者の手だ」 冒頭の一言でサスペンスフルな内容を想像する。 碇谷芳郎、碇谷蕗子、野呂晴夫、物語は3人の視点で交互に語られ進行して行く。 離島へ移住を決めた芳朗と蕗子、夫妻の友人・野呂。 人生の終盤を迎えた70代の3人の共同生活は表面上は仲睦まじく見える...

「美しい手、だがこれは殺人者の手だ」 冒頭の一言でサスペンスフルな内容を想像する。 碇谷芳郎、碇谷蕗子、野呂晴夫、物語は3人の視点で交互に語られ進行して行く。 離島へ移住を決めた芳朗と蕗子、夫妻の友人・野呂。 人生の終盤を迎えた70代の3人の共同生活は表面上は仲睦まじく見えるがそれぞれに心に秘めた思いがある。 文中から醸し出される重苦しい空気感と、この独特な設定で更に不穏さが増大し、途中から感じる違和感は終盤に向けてどんどん強くなっていった。 読み終えて、この物語はミステリーではなく人間ドラマだった事に気付かされる。

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2023/01/02

ゆっくり流れる空気感。最初はまどろっこしく、じれったかったのだが、段々その速度が心地よくなってくる。 夫婦と知人男性と三人で島に移り住む、その設定さえわけがわからない。しかし、これが上手くいっている。その時、それぞれがどう考えていたのかが語り手となって教えてくれる。それがわかりや...

ゆっくり流れる空気感。最初はまどろっこしく、じれったかったのだが、段々その速度が心地よくなってくる。 夫婦と知人男性と三人で島に移り住む、その設定さえわけがわからない。しかし、これが上手くいっている。その時、それぞれがどう考えていたのかが語り手となって教えてくれる。それがわかりやすいのかも。わかるはずのない他人の考えがわかる。

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2022/09/30

とても不思議な話のテンポで進んでいく… 老夫婦が、夫の浮気相手を殺害した、後に逃げるように同じマンションのお友達男性と3人引越し先の島で同居生活を始める。 でもそれは夫の身に変化が現れ、意外な最後になっていく… 全てに収束地点があり、内容は引き込まれながらもわかりやすいが、作者...

とても不思議な話のテンポで進んでいく… 老夫婦が、夫の浮気相手を殺害した、後に逃げるように同じマンションのお友達男性と3人引越し先の島で同居生活を始める。 でもそれは夫の身に変化が現れ、意外な最後になっていく… 全てに収束地点があり、内容は引き込まれながらもわかりやすいが、作者が最も言いたい事って?とも思った。 登場人物がそれぞれに魅力的。 過足ショーン ヨギアシと読むそうだ… 他の作品も読んでみたい。

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2022/02/06

感想を書くのがためらわれるなあ。もう、荒野さんの世界に浸りきっていた。 70を過ぎてもみずみずしい手を持つ美しい夫人と元骨董屋の夫。テレビにも出演して見知らぬ人から声をかけられることも未だにある。そこに作家の男が登場し、3人で離島に移住するところから話は始まる。 3人のそれぞ...

感想を書くのがためらわれるなあ。もう、荒野さんの世界に浸りきっていた。 70を過ぎてもみずみずしい手を持つ美しい夫人と元骨董屋の夫。テレビにも出演して見知らぬ人から声をかけられることも未だにある。そこに作家の男が登場し、3人で離島に移住するところから話は始まる。 3人のそれぞれの秘密が所々でフラッシュバックとして描かれ、読者を離さない。記憶とは「つねに更新される運命をもっている」のだ。 鋭くて痛くて気品があって、これが小説というものだと懸賞に応募してくる人たちに語り掛けているのでしょうねえ。

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2021/12/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

*離島へ移住を決めた芳朗と蕗子、そして夫妻の友人・野呂。人生の終盤で実現した共同生活の滑り出しは順調に見えるが、三人はそれぞれ不穏な秘密を抱えており…。妻が〈殺人者〉と知ったとき、穏やかな日常がサスペンスに変わる。あやしく溶け合うなかで〈真実〉が徐々に姿を見せていく――読み終えたときに立ち上がる、思いがけない光景に息を吞む傑作長編小説* 読売新聞の夕刊小説。 当時も展開の意外さを楽しみながら読んでいましたが、こうして通しで読むとまた格別です。 サスペンス・・・ではないような、違う意味ではサスペンスであろう物語。これは、ひととし重ねてから読んで欲しい。 と言うか、「老い」の上に流れるゆるりとした空気感のようなものが想像出来ないと、この物語は魅力が半減する気がします。 老いることは、切なくてやるせなくて怖いけど、その先を見ることが出来れば救われるのですね。凛とした路子のシーン、心に染みました。

Posted byブクログ

2020/12/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

小説を読むことは旅に出ることと同じ、ということであれば、この小説を読んでいる間は「ちゃんと」旅に出ることができた。 中盤くらいまでの方が引き込まれたかな。みゆかが小説家の義理の娘ではなく愛人で、碇谷夫妻が「殺した」女性の娘だった方がむしろ面白かったかもしれない。 ロケ隊の人たちが押しかけてきて、監督が泥酔してしまうシーンが必要だったかなとは思うけど、エッセイ教室の件は息抜きができたし、亡くなった息子が受賞した時に会いに行こうとして行けなかった件は妙にリアルでよかった。 それにしても荒野さんの小説は料理が抜群に美味しそうで洒落てる。 碇谷夫人も相当に洒落てる。 大人の映画になりそうな作品。

Posted byブクログ

2020/11/21

島へ移住かぁ。 夫婦と友人との暮らしってチグハグしないのか? 友人だけ、夫婦だけのほうがまとまりそう。

Posted byブクログ