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大地よ! の商品レビュー

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2023/12/24

俳優の宇梶剛士さんの若かりし頃の暴走族伝説は知っていた。 宇梶剛士主宰の劇団PATHOS PACK(パトスパック)による『永遠ノ矢=トワノアイ』も観劇した。彼の母親という方はどんな方だろうと関心があった。 アイヌ解放の活動家であることは知っていた。しかしそんな肩書で語れるほど彼女...

俳優の宇梶剛士さんの若かりし頃の暴走族伝説は知っていた。 宇梶剛士主宰の劇団PATHOS PACK(パトスパック)による『永遠ノ矢=トワノアイ』も観劇した。彼の母親という方はどんな方だろうと関心があった。 アイヌ解放の活動家であることは知っていた。しかしそんな肩書で語れるほど彼女の人生は単純ではなかった。昭和は8年生まれ。両親ともアイヌ。6人兄弟の次女。北海道浦河郡姉茶村の和人とアイヌが混在した集落で20歳まで育つ。20歳で札幌の中学に入学、卒業後東京に出る。27歳で結婚、子育てしながら詩作活動を始める。40手前でアイヌとしての自覚に目覚め、苦悩の中、同胞との交流が始まる。 60過ぎて布絵と出会い、古布絵作家としてデビュー。アイヌの表現者として大地に起った。今までどうしても拭えなかった飢餓感からの解放だった。書籍の冒頭に古布絵の作品の写真が数点掲載されている。今まで見たことのないアート作品だった。カムイが宿るようなシマフクロウの絵に魅了された。

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2021/11/13

先住民族アイヌについては、ずいぶん昔、中学生の時に岩波文庫の知里幸恵「アイヌ神謡集」を読んで強く関心を引かれ、以後、ずっと関心を寄せ続けてきました。詩人、古布絵作家、東京ウタリ会の設立メンバーなど、さまざまな活動をしてきた著者の自伝的一冊。最後の方に、ほとばしるように思いが綴られ...

先住民族アイヌについては、ずいぶん昔、中学生の時に岩波文庫の知里幸恵「アイヌ神謡集」を読んで強く関心を引かれ、以後、ずっと関心を寄せ続けてきました。詩人、古布絵作家、東京ウタリ会の設立メンバーなど、さまざまな活動をしてきた著者の自伝的一冊。最後の方に、ほとばしるように思いが綴られています。

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2020/12/24

(2020/8/12読了) 近ごろ北海道新聞紙上などでもよく見かける、アイヌ民族である古布絵作家の自伝的エッセイ。 筆者も、出自や差別に悩まされてきた一人のようだけど、いわゆる「土人保護法」や漁業権の問題、なかんずく「ウポポイ」問題(箱モノありきで、アイヌの立場、発信すべきも...

(2020/8/12読了) 近ごろ北海道新聞紙上などでもよく見かける、アイヌ民族である古布絵作家の自伝的エッセイ。 筆者も、出自や差別に悩まされてきた一人のようだけど、いわゆる「土人保護法」や漁業権の問題、なかんずく「ウポポイ」問題(箱モノありきで、アイヌの立場、発信すべきものをしっかり議論していない、とする)などを通して、日本の過去・現在の行政(役人)の問題点を論じる。 一方で、「絵、踊り、歌に、自然と血が騒ぐ」「アイヌには所有の概念がない」「自然への畏敬」など、民族が持っている特質への温かいまなざし、尊崇の念も語られる。 素朴な文体が却って胸に迫る好著であった。

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2020/07/21

アイヌ人の物の考え方や価値観、リアルな生活な記録がとても興味深かった。かなりパッションが熱い人物である。民族運動家としての記録ではなく、一人の人物史として素晴らしい。活力をもらえた。

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