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空気を読む脳 の商品レビュー

3.8

89件のお客様レビュー

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2022/08/05

日本人特有の、周りの空気を読み利他的に行動する特性について解説されていた。セロトニンとかオキシトシンとか脳内物質の名前について少し詳しくなれた。頭脳明晰な著者だが、読者層に合わせて簡易な表現を選んで書かれているように感じた。

Posted byブクログ

2022/07/25

日本人は他人に厳しい民族。それは、脳内のセロトニントランスポーターというたんぱく質の密度が低いからだそうだ。「社会性のルールに従わないものには、ペナルティーを負うべきだ」と思い、制裁を与える。だから、不倫や失言に対するパッシングが止まない。 その理由は、脳がそうなっているらしい...

日本人は他人に厳しい民族。それは、脳内のセロトニントランスポーターというたんぱく質の密度が低いからだそうだ。「社会性のルールに従わないものには、ペナルティーを負うべきだ」と思い、制裁を与える。だから、不倫や失言に対するパッシングが止まない。 その理由は、脳がそうなっているらしい。 <第1章 犯人は脳の中にいる ~空気が人生に与える影響とは?~> <日本人はなぜ「醜く勝つ」より「美しく負ける」を好むのか?> これは面白かった。サッカー好きなら有名な話がある。サッカーワールドカップ・ロシア大会の日本対ポーランド戦。経緯は複雑なので単純に解説すると、日本チームはポーランドに上手に(ある意味故意に)負けて、決勝トーナメントへ進出した。それに対して、ものすごいパッシングがあった。意見も真っ二つに割れた。当時の西野監督を批判する人と擁護する人。僕の飲み友達の間でも、激論が交わされた。本書によると、セロトニン何とかが少ない人はパッシングして、そうでない人は擁護するということになる。まあ、真偽のほどはわからないが、なぜ論争するかの原因がわかれば腑に落ちる。 僕は脳科学のことは、大昔、医学部の生理学や生化学や薬理学で習った気がするが、ほとんどわからない。しかし、作者の中野信子さんの説得力のある書き方がいい。テレビでもお見掛けする美しい科学者であるが、淡々と話す方である。文章もそんな感じだ。あまり盛り上げないところがかえって説得力はある。 ひとつだけ、おっ、と思ったところは131ページ。子供を褒めて育てた方がいいか、叱って育てた方がいいかという永遠の議論がある。最近は褒めて育てた方がいいという風潮であるが、それに一石を投じるメッセージが示されていた。 本書で示されたデータは、子供に対して「頭がいいと褒める①」「努力したと褒める②」「何も言わない③」の3つにグループに分けると、その後、難しい課題を選ばなかった子の割合は65%、10%、45%。つまり、褒めて育てると困難に立ち向かわない人になる。その証拠に、①のグループは、他のグループよりも成績が下がってゆく。要するに、「頭がいいと褒める」と子供はその評価を守りたいがために容易なことばかりを行い、結果伸びない、ということのようだ。かなり省略して書いているので、詳細は本書を読んで欲しい。とにかく、褒め方には注意が必要だ。安易に褒めることはその人のためにならないようだ。 もうひとつ、これはホント??と思ったこと。 191ページ。長寿には共通する「性格」が見つかった。良心的で、慎重で、注意深く、調子に乗らない。いわば、まじめで悲観的な性格を持っていることが長寿との相関が高い、と本書では言っている。僕は一内科医としては、これは逆だと思う。僕が今まで見てきた患者さんで、100才前後の元気な人は、明るく楽観的な人が圧倒的に多い。百歩譲って、もともと悲観的な人が長寿の結果楽観的になったのかもしれないが、それこそセロトニンが多くポジティブに物事をとらえる人が多いと思う。 毎週僕は104才の女性に会う。調子はいいと笑い、炭坑節を歌ってくれる。 「長生きの秘訣はなんですか?」 「は~、そんなのはない。まあ、おいしくご飯食べて、笑っとくことかなあハハハハハー」 もちろんマイペースで周りの空気など読まない(笑)。この方の脳は、どうなっているのだろう。ホッホホホ~~。次回をお楽しみに!

Posted byブクログ

2022/04/21

2022/04/21 読了(図書館の本) 脳がどのように働いているか、などをまとめた本。 読みやすく、勉強になった。 内容としては星4くらいかな、と思った。 でも、「おわりに」の著者のコメントが好きだった。 『人生という不条理なゲーム』という感じで、人生をゲームに例えて考え...

2022/04/21 読了(図書館の本) 脳がどのように働いているか、などをまとめた本。 読みやすく、勉強になった。 内容としては星4くらいかな、と思った。 でも、「おわりに」の著者のコメントが好きだった。 『人生という不条理なゲーム』という感じで、人生をゲームに例えて考えているところ、そこが私と同じで、読んでいて「仲間がいた!!」と思えた。 その部分で、追加の星1をつけて、満点の星5とした。

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2022/04/03

中野本に説得力があるのは、海外の研究結果などをそのまま鵜呑みにせず、日本では、と中野さんが分析して意見を述べているところ。今の日本社会の傾向が理解できる。

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2022/03/17

私たちは知らず知らずのうちに脳の本能で操作されている。また、真面目で神経質な人の方が長生きするらしいので私は長生きできそうだと思った。

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2022/03/16

不倫へのバッシングや、男女のLINE返信頻度の違い、褒める教育が及ぼす影響など、身近な問題を脳や遺伝子の観点から紐解いていく。 日本人はセロトニントランスポーターが少ない、女性は男性に比べセロトニン合成能力が低い、性格はほぼ遺伝などなど、、努力ではどうしようもないことも多いのか...

不倫へのバッシングや、男女のLINE返信頻度の違い、褒める教育が及ぼす影響など、身近な問題を脳や遺伝子の観点から紐解いていく。 日本人はセロトニントランスポーターが少ない、女性は男性に比べセロトニン合成能力が低い、性格はほぼ遺伝などなど、、努力ではどうしようもないことも多いのかな、と感じた。 トピックや原因は興味深いものの、いまいち頭に入ってこなかった。

Posted byブクログ

2022/02/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「なぜこんなことをしてしまうのか」を脳科学の視点から言及するトリビア集。 ・よかった編 「おわりに」 愛・情・絆・感動・・・周りが高揚し酔いしれる法則が理解できなかった著者の、人生生存ゲームについてが語られる。いきなり個人的な話が始まったが、こんな風にゲームとクリア条件について自己定義したことってないかもなぁと思うともに、はっきり表明できちゃう著者がすごいなーと思う。 あと「利他性はバランスと器用さを備えていなければ、自己を本当に幸せにするための確実な武器とはなりにくい」の一文にも唸った。バランスも器用さも圧倒的に足りないタイプなので、ちょびっと罪悪感もちつつも自分優先に行動しがちだからなーと。 ・悩ましいと思った編 「幸福度が低いのには訳がある」 セロトニンが低いからこそ長く生き延びてこられる。だけど幸福度は低い。おとぎ話のように「末永く幸せに」とはいかない所が憎い。でも長生きが必ずしもいいことでもなくなってきてるので、ほどよく幸せを感じるタイプじゃないと長期的に環境適応していけないんじゃないかなあと思った。 <総評> 知ってる話も知らない話もあって、書物としての統一感はないけどまぁまぁ面白かった。一個体と種の一員としての自分に、ダブスタというかいくつも脳の生存戦略的衝動が組み込まれてて、どっちも誤りではないからそりゃ息苦しいわーと納得。仕組みが分かるのと気持ちが収まるのとはまた別だけど、”人間”ていう種類の生物の性質なんだなーと距離をとってみると怒っても仕方ないかーという気がした。

Posted byブクログ

2022/02/06

とても丁寧な言葉遣いで人生の選択における様々な心理や葛藤や選択を表現されているので、内容は過激だが落ち着いた凪いだ気持ちで読めます。 サバクトビバッタが孤独相から群生相になるのはセロトニン分泌が増加することが原因。後脚を刺激することでセロトニンが増加。そして変容するらしい。20...

とても丁寧な言葉遣いで人生の選択における様々な心理や葛藤や選択を表現されているので、内容は過激だが落ち着いた凪いだ気持ちで読めます。 サバクトビバッタが孤独相から群生相になるのはセロトニン分泌が増加することが原因。後脚を刺激することでセロトニンが増加。そして変容するらしい。2009年の研究。 利他的な脳ほど不公正を憎む。協調性が高い人はセロトニンポーターが優位に低い。 相手を配分した分だけ自分のことが尊重されないとリベンジに走る可能性がある。これは「自分は利他行動を優先しているのに、あなたはなぜそれを正当に評価せず利己的に振る舞うのか」「なぜ自分を不当に扱うのか」と言う心情が働くからなのではないかと考えられる。 「褒めて育てる」は危険 人はご褒美が貰えるものは嫌なことをさせられる時と経験から学習しているので、モチベーションが下がる。 創造性を上げたいときには報酬を与えてはいけない。むしろやりがいを与えた方が創造性が高くなるということがわかった。人をやる気にさせるのに効果的なのは、その仕事自体が「やりがい」があり、素晴らしいものだと繰り返し伝え続けることと、「思いがけない、小さな、プレゼント」です。予測される報酬ではなく気まぐれに与えられること、しかも小額であることが重要。 インポスター症候群(嘘つき・詐欺師) 褒める教育で子供は失敗や間違いを隠すウソをついたり、困難な課題への挑戦を避けるようになる。自分の実力がどの程度なのかを知られまいとする。 才能伸ばす名将の褒め方 その人の努力や創意工夫に焦点を当てて褒めていく。 10代の子供の睡眠リズムはメラトニンの分泌が大人より2時間遅いため後ろにずれている。その上、分解も遅いので睡眠を誘発するホルモンがで続け朝中々起きられない。 真面目で悲観的な性格は長生き。陽気で楽観的な人が短命。適度な運動や食事は関係ない。 人生の目的は一体何なのか考えれば考えるほど解が定まらない。言い換えれば解はどんな形であろうとも正解であり得ると言う事。

Posted byブクログ

2022/02/02

日本人はセロトニン(安心になる物質)トランスポーターが少ないため、遺伝子レベルで不安感がつよく、まじめで自己犠牲をいとわない。、、まさに自分!嫌だ〜。南欧に生まれたかった。 ある意味、遺伝子で脳が決まってくるわけだから、人生、努力より遺伝子で決まってくるんですね?という話なのだ...

日本人はセロトニン(安心になる物質)トランスポーターが少ないため、遺伝子レベルで不安感がつよく、まじめで自己犠牲をいとわない。、、まさに自分!嫌だ〜。南欧に生まれたかった。 ある意味、遺伝子で脳が決まってくるわけだから、人生、努力より遺伝子で決まってくるんですね?という話なのだが、一方で、人を育てるなら、「頭がいいね」はご法度で「努力したね」なんだそうだ。これは、他の本でも見たし、褒め方には注意。 個人的に興味深かったのは同性愛の科学。生産性、という生々しい話になったとき、生産性がいいから同性愛があるという研究結果がある。 また、あとがきが秀逸。

Posted byブクログ

2022/01/22

自分の生き方をどう見直していくか考える人におすすめ。 【概要】 ●セロトニンの役割とその影響。日本人はセロトニントランスポーターの量が少ない。 ●オキシトシンの役割とその影響 ●「褒める」ことの危険さと有意義な方法 ●幸福度に関する研究 【感想】 ●脳内物質に関して勉強になっ...

自分の生き方をどう見直していくか考える人におすすめ。 【概要】 ●セロトニンの役割とその影響。日本人はセロトニントランスポーターの量が少ない。 ●オキシトシンの役割とその影響 ●「褒める」ことの危険さと有意義な方法 ●幸福度に関する研究 【感想】 ●脳内物質に関して勉強になった。特に、オキシトシンの副作用とも言うべき心理現象には興味が湧いた。オキシトシンは重要な脳内物質であり避けられないため、反作用的な一面を理解したうえで付き合いたい。 ●単に「褒める」だけではよくないことが理解できた。注意して「褒める」ことに取り組んでいこうと思った。 ●自分の人生は自分が決めていくことなので、少しでも悔いのないようにいろいろな情報を基に考えて行動したい。

Posted byブクログ