装丁物語 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
昨年亡くなったグラフィックデザイナー、イラストレーターとして著名な和田誠の装丁に関するエッセイ。読者に語りかけるような文体で綴られている。文章が我々に優しく響く。 この本を読むと、著者が装丁という仕事に愛情を持っていることを痛感する。 私は本を読むことは好きだが、装丁にそれほど注意を払ったことがない。この本を読むと一冊の本が「本」という形態をなすまでにどれほどの、手間暇が必要かということがよくわかる。 最近は電子書籍も多くなっている。そのため装丁にそれほど皆が注意を払わなくなってしまった。この本では最後の方でカバーにつくバーコードについての著者の考えを著している。この本が最初に出版された頃はまだバーコードがある、ないの論議もされていたのだ。しかし、今はバーコードがつくのは当たり前、それが装丁にどれほど影響するものかは考えなくなってしまっている。装丁者にとっては今でもそれは厄介なシロモノなのだろう。 しかし、この本を読むと装丁という仕事はある意味、芸術だと認識した。 そして知らずに今まで、和田誠の装丁本をたくさん読んできたのだと、改めて気づかされた。
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筆者の手掛けた装丁についてのエッセイ 最終章のバーコードについて、はデザインと利便性の天秤の悩ましさを感じる興味深い内容だった
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絵を描き、文字を配し、用紙を選んで一冊を作り上げる。そのデザインの源泉は書物への深い愛着。星新一から村上春樹まで――惜しみなく披露する本作りの話。
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気づくと、和田さんの本を手に取っていることがある。 和田さんの装丁された本はすぐ気づくし、絶対中身も面白いだろう、となぜだか思ってしまう魔法がある。 時代の変化でイラストレーションやデザインの周辺も色々変わっているけれど、変わらない和田さんのポリシー。本当に装丁のお仕事好きなん...
気づくと、和田さんの本を手に取っていることがある。 和田さんの装丁された本はすぐ気づくし、絶対中身も面白いだろう、となぜだか思ってしまう魔法がある。 時代の変化でイラストレーションやデザインの周辺も色々変わっているけれど、変わらない和田さんのポリシー。本当に装丁のお仕事好きなんだなぁと。 バーコードに対する抵抗のくだりも好き。
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書店で何気なく見かけて、気楽に読めそうと思って購入したが、意外と面白くて佇まいを直しながら読んだ一冊。 村上春樹との共作「ポートレイト・イン・ジャズ」を手掛けるなどイラストレーターとして活躍し、昨年逝去した著者がライフワークとして手掛けた”装丁”をテーマに、様々な作品のエピソー...
書店で何気なく見かけて、気楽に読めそうと思って購入したが、意外と面白くて佇まいを直しながら読んだ一冊。 村上春樹との共作「ポートレイト・イン・ジャズ」を手掛けるなどイラストレーターとして活躍し、昨年逝去した著者がライフワークとして手掛けた”装丁”をテーマに、様々な作品のエピソードが語られていくのだけれど、本好きの自分でも全く知らない世界ばかりで本当に面白い。 全体のデザイン、イラストや写真の作成、フォントの選定や自らのフォント作成、紙の材質の選定など、”装丁”とはここまで奥深い世界だったのかと驚かされる。同時に、実際に著者が手掛けた無数の作品が紹介され、その作品をどう表現するかに関する工夫は、単なるプロフェッショナリズム以上に”装丁”に対する愛に溢れている。 ”装丁”についての見方が絶対に変わる、本好きには絶対にお勧めしたい一冊。
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本作りの本。本にまだバーコードが印刷されていなかった頃の装丁の話。 紙の種類など知らないことが多く興味深く読んだ。 筆者の本に対する愛情を感じる。
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