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着せる女 の商品レビュー

4.4

18件のお客様レビュー

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2024/04/25

面白かった! 職場でおつきあいのある作家や編集者たちに びしっとしたスーツをあつらえていくドキュメント。 文章だけでも興奮が伝わってくる。 ビフォーアフターをナマで見ていたら相当に面白いだろう。 日ごろ入ることのない銀座や六本木の敷居の高い店。 一人ではとても入れない場所に、友人...

面白かった! 職場でおつきあいのある作家や編集者たちに びしっとしたスーツをあつらえていくドキュメント。 文章だけでも興奮が伝わってくる。 ビフォーアフターをナマで見ていたら相当に面白いだろう。 日ごろ入ることのない銀座や六本木の敷居の高い店。 一人ではとても入れない場所に、友人の服を作るために編集者と3人で訪れ プロのフィッターの講釈を聞きながら、変身していくさまを目の当たりにする。 本を読むだけでも追体験としてすごくおもしろい。 内澤旬子さんのほかの本よりも、明らかにテンション高め。 スーツの世界の奥深さ、誰にでも、自分を素敵に見せる服があること。 値段なりなところがあるのも否めないが、 身体に合うものにするだけでも印象はかなり変わる。 微妙な丈、ゆとりの取り方、プロフィッターの方の見立てのセンスから 自分では選ばない意外な色、形の服が、 ばっちりとその人を格上げさせる。この醍醐味。 吊るしの状態ではイマイチで、 立体の身体が入った時にしっくりするのが上質なスーツ、というのに目からウロコ。

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2024/01/21

高野秀行さんの講演会に行ったときに、このスーツで来てくれないかな…!とひそかに期待して行ったのだけれど、普段のラフなお姿で、ちょっとだけ残念だった(笑)。着せ替え人形とされた男性たちが、徐々に覚醒しつつある姿がとても面白いのだが、やっぱり、普段着からガラッと変わるほどの心地よさで...

高野秀行さんの講演会に行ったときに、このスーツで来てくれないかな…!とひそかに期待して行ったのだけれど、普段のラフなお姿で、ちょっとだけ残念だった(笑)。着せ替え人形とされた男性たちが、徐々に覚醒しつつある姿がとても面白いのだが、やっぱり、普段着からガラッと変わるほどの心地よさではないんだろうなぁ…(笑)。

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2023/03/18

筆者の方が、身の回りの方に似合うスーツを着せていくドキュメンタリー(?)なのだが、スーツへの偏愛ぶりとか、お店でスーツ選びを助けるプロが提供する知識とか(それへの筆者の反応とか)、それぞれの方の変身ぶりがすべて読み応えたっぷりで、面白かった!

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2021/07/29

はじめのビフォーアフターの写真で宮田珠己さんや高野秀行さんがスーツを着こなしているのを見ることができて、貴重だ。高野さんの普段着は上下はともかく足元が草履。バーニーズニューヨークでも革靴を試着して「ここが痛いだのあそこが擦れるだの」うるさく注文をつける。「あのさあ、それで中央アル...

はじめのビフォーアフターの写真で宮田珠己さんや高野秀行さんがスーツを着こなしているのを見ることができて、貴重だ。高野さんの普段着は上下はともかく足元が草履。バーニーズニューヨークでも革靴を試着して「ここが痛いだのあそこが擦れるだの」うるさく注文をつける。「あのさあ、それで中央アルプスを縦走しろってんじゃないの!」(p48)笑ってしまう。 あまりファッションに詳しくないので楽しめないかなと思って読んだけど面白かった。 スーツの奥深さ、ある意味恐ろしい。見る人が見ればそこまでわかるのかと。 バーニーズニューヨークの鴨田さんという方がどれだけすごいか(着る人の体型を見抜いて、TPOとその人の社会的立ち位置にピッタリのスーツ、シャツ、ネクタイ、靴を提案)というところが読みどころ。動画で見たい。 優秀な販売員、銀座の一等地にラグジュアリーな空間、上質な素材、優れたデザイン、目利きのバイヤー…そりゃ数十万円するよね。納得の値段です。 こういう店でいつも買っていると、その事だけでも自信になるでしょう。 しかし、こういう店でしょっちゅうではなくてもたまに買える人は日本にどれくらいいるのだろうか。 スーツを着ている日本人男性できちんと着こなせている人をほとんど見かけないと内澤さんは書いている。もちろん(ファッションに興味がなくて)服を自分で選ぶ習慣がないとかあると思うけど、だいたいの日本の男性は洋服の青山みたいなところでスーツ買ってるからではないか。昔の日本映画を見ると、きちんと着こなせてるのは、昔は吊るしのスーツはあまりなくて、あつらえてもらうものだったからではないかと思う。 新宿にもバーニーズニューヨークがあったが、最近閉店したところを見ると、こういう店で買える層は明らかに減っているのだろう。デパートの洋服が売れなくなってきているのも同じ。 自分の体型を生かしてスーツを着こなせる人を増やすには、「服育」も大切だけど、景気も大事かと。 ちゃんと人並み以上の給与をもらっている正社員でも子どもが2人もいたら、やっぱりこういう店では買えない。 麻布テーラーというお手頃価格でセミオーダーのお店も紹介されているが、せめてこれくらいの店で買える人がもっと増えないと経済大国とは言えないね。 キャリアを積んだ40代以上の女性が着る服がなく、女性のスーツが就活かPTAになっちゃうのは、スーツが必要な職場に管理職になるような女性がものすごく少ないからというのは、確かにそうだと思う。 「そもそもこの歳までガチで働いて、男性と同じくらい稼いでいる知り合いの中年女性のほとんどは、スーツを毎日着ないで済む職種ばかり。」 「たとえば官僚とか。都市銀とか。証券会社などスーツ必携の職場で、五十代まで残って管理職についているような女性って、どれだけいるのだろう。」(p252) 久世番子さんと内澤さんがお友達だということを初めて知ったが、美しいものへのこだわりに共通点があるのだなと。 安くて素敵な服なんて(特に年取ってからは)ないんだな、と悲しいけど納得。

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2021/05/19

スーツ作りたくなる。そして、鴨田さんにフィッティングしてもらいたくなる。 服は他人に見てもらいたい自分の皮膚。 逆に見てもらいたくない自分の皮膚。 気後れしないための皮膚。 人を圧倒する皮膚。 堂々とできるための萎縮してしまう嬉しい恥ずかしい羨ましいあんな風になりたいこれこそが自...

スーツ作りたくなる。そして、鴨田さんにフィッティングしてもらいたくなる。 服は他人に見てもらいたい自分の皮膚。 逆に見てもらいたくない自分の皮膚。 気後れしないための皮膚。 人を圧倒する皮膚。 堂々とできるための萎縮してしまう嬉しい恥ずかしい羨ましいあんな風になりたいこれこそが自分だという…囚われないようにしようとしていながらとらわれとらえよとしている。そしてこの集団の社会の一員であると主張するための。 無視しようと気にしていないと嘯くが確実に好き、でそこにハマれば上がる。 結局は積極的に関わらなければ楽しめず関われば楽しめる。要は人生そのものなのかもしれないとすら思う。大したことないがたいしたやつなのだ。 一箱のマッチか!

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2021/02/23

萌える(笑) 文章だけでもテンションがわかる。 スーツ好きの女史が 身近な男性のスーツ選びに帯同した記録。 業界の、普段はラフな服が多い人たちが プロのサポートでスーツを着たら あら、まぁ、見違えちゃった! 個人的にはイタリアンより ブリティッシュが好き。 しかし、著者も言っ...

萌える(笑) 文章だけでもテンションがわかる。 スーツ好きの女史が 身近な男性のスーツ選びに帯同した記録。 業界の、普段はラフな服が多い人たちが プロのサポートでスーツを着たら あら、まぁ、見違えちゃった! 個人的にはイタリアンより ブリティッシュが好き。 しかし、著者も言ってるけど いいものはケタが違うよね…。

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2021/01/18

誰かに何かをすすめるすべての職業の人にすすめたい。 内澤さんが自分の周りのパッとしない服装の男性たちと一緒に素敵なスーツを買いに行く話なのであるが、すこぶるつきのおもしろさだった。ビフォアアフターの写真があるのもよい。スーツってかっこいいなあ。 何よりも、内澤さんがいちばん頼りに...

誰かに何かをすすめるすべての職業の人にすすめたい。 内澤さんが自分の周りのパッとしない服装の男性たちと一緒に素敵なスーツを買いに行く話なのであるが、すこぶるつきのおもしろさだった。ビフォアアフターの写真があるのもよい。スーツってかっこいいなあ。 何よりも、内澤さんがいちばん頼りにしていちばん多く登場するバーニーズニューヨークのフィッターである鴨田さんがすごい。どうでもいいことだが巻末に対談があって、顔写真が乗っているのだがイメージしていたのと全然違う感じの人だった。もっと落ち着いた感じの年も上の感じだろうと想像していた。 彼のことばが文頭に書いたことにつながる。 どうやって仕事を覚えて、技術を身につけてきたのかという話の中で、例えば採寸をするのに、研修はもちろんある、でも研修で学ぶのは知識であって技術にはならない。「手を動かしてお客様のお身体に触れてメジャーで測って、はじめて身に付くものです。」とか、鴨田さんは自分のフィッティングの技術が他の人より特別優っているわけではない、違うとしたら話術だと思う、と。「スーツに関して正しい知識をあまりお持ちでない方に対してちゃんとしたご案内をするためには、今までと同様のご案内方法ではダメなんだと思ってます。ある程度お客様にもお洋服を知っていただくために、きちんとお話できるようにならなければならない。そのために必要な表現方法とか知識というものを技術とは別に持ち合わせてないといけない」と。これは、ほかの職業、とくに我々にも当てはまることだと膝を強く打ったのだ。 何かの書評にも書いてあったのだが、自分が理想とするスーツの雰囲気を出版社で表すとこが、分かる分かる!となる。

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2020/11/18

お馴染みの作家さんが、いきなりバリっとなって、スーツの威力に驚愕した。そして、洋服のプロの店員さんの凄さ!自分にぴったりな服に出会いたい!と強く思った。ライブ感のある文章で、自分も同行したかのように錯覚してしまう。楽しんで読めて、実用書のように役に立つ。

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2020/11/19

男性陣のビフォーアフター写真が面白い。背筋が伸び引き締まった顔つきになった男性を見てスーツの力を再確認した。

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2020/07/04

作家でイラストレーターでもある著者が、作家仲間、編集者、カメラマン、の一張羅を見立ててあげるドキュメントエッセイ。 著者のスーツへの思いと熱量が半端ない。また、本書の陰の主役ともいえるバーニーズニューヨークのフィッターの人の神業ぶりの描写もすばらしい。 口絵で各人のビフォーアフタ...

作家でイラストレーターでもある著者が、作家仲間、編集者、カメラマン、の一張羅を見立ててあげるドキュメントエッセイ。 著者のスーツへの思いと熱量が半端ない。また、本書の陰の主役ともいえるバーニーズニューヨークのフィッターの人の神業ぶりの描写もすばらしい。 口絵で各人のビフォーアフターが紹介されているので、本文と併せて参照することで、各人のファッションポイントもビジュアルで理解できるのもGood。 そして、誰にも似合うスーツは必ずある、という一言は心強い。 できれば著者に私のスーツ選びにもぜひ同行してもらいたい。そして、これからは町中、あるいはテレビ等でスーツ着ている人への見方が変わる、と思った。

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