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いくさの底 の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2023/04/11

太平洋戦争でのビルマを舞台にした戦争小説のようなサスペンスもので、まさかのオチがあり普通に面白かった。主人公が通訳という立場なのも、中立的視点となって良かった。 また、ビルマ人・日本人の人々の人間性がそれぞれのキャラに表れていて、日本人としては共感とともに反省しないといけない一面...

太平洋戦争でのビルマを舞台にした戦争小説のようなサスペンスもので、まさかのオチがあり普通に面白かった。主人公が通訳という立場なのも、中立的視点となって良かった。 また、ビルマ人・日本人の人々の人間性がそれぞれのキャラに表れていて、日本人としては共感とともに反省しないといけない一面があるなと、、

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2021/11/06

初めて知った作家だったが面白かった。単なる推理小説ではなく、単なる戦争小説でもなく、そして余分な修飾語もなく全体的にシンプルで読み易い。けど先が読めてしまうような安直なストーリー展開ではない。というわけで総じて面白かった。

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2021/09/04

購入済み 2021.09.04.読了 ほんとうに、さすが!の作品。古処さん大好き。 古処作品ハズレなし。 読み進める中、なんで?となることも多かった。でも読み返して読み進めてを繰り返すうちちゃんと辻褄が合っていることに気づく。 軍隊用語も多く、私の読解力では1度で理解できないこ...

購入済み 2021.09.04.読了 ほんとうに、さすが!の作品。古処さん大好き。 古処作品ハズレなし。 読み進める中、なんで?となることも多かった。でも読み返して読み進めてを繰り返すうちちゃんと辻褄が合っていることに気づく。 軍隊用語も多く、私の読解力では1度で理解できないことも。そんな時は焦らずめんどくさがらずに戻って何度か読み直すとちゃんと視界が開ける

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2021/08/07

第二次大戦時、ビルマで農村に駐留する小隊で発生した殺人事件を扱うサスペンス。戦争がからむサスペンスというのが初めてだったので、こんなのあるんだと思ったが、解説を読むとジャンルとしてあるみたい。民間人で通訳として徴用された主人公の目を通して事件が進むが、実は華僑だの重慶軍だの真相が...

第二次大戦時、ビルマで農村に駐留する小隊で発生した殺人事件を扱うサスペンス。戦争がからむサスペンスというのが初めてだったので、こんなのあるんだと思ったが、解説を読むとジャンルとしてあるみたい。民間人で通訳として徴用された主人公の目を通して事件が進むが、実は華僑だの重慶軍だの真相がわかるシーンとかのロジックがやや難しかった。

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2020/05/01

このミス2018年版5位。第2次世界大戦初期、日本がビルマに進行した際の駐屯先の村での殺人事件。同行した通訳の視点での状況描写で進行していく。一般的にはなじみのない時代背景や登場人物の置かれた状況についての俯瞰的な説明が一切なく、いきなり登場人物視点での描写が始まるため、とても分...

このミス2018年版5位。第2次世界大戦初期、日本がビルマに進行した際の駐屯先の村での殺人事件。同行した通訳の視点での状況描写で進行していく。一般的にはなじみのない時代背景や登場人物の置かれた状況についての俯瞰的な説明が一切なく、いきなり登場人物視点での描写が始まるため、とても分かりにくい。途中までは人間関係の理解も困難で少ない分量だけどなかなか進まなかった。後半は徐々に事実が明らかになっていくのがとても心地よく引き込まれる。事件の構想や解明していく展開などすごくよくできてるし、真相を明らかにしていく際の心理的な駆け引きがサイコパスもののような臨場感があって一気に進んだ。前半にもうちょっと人間関係を注意しながら読めばもっと楽しめだろうと少し残念になった。あえての選択ながら、時代設定が古臭い上に前半の読みにくさで、若い人はなかなか好まないだろうなとか思ってすごく惜しい。

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2020/02/10

これぞまさに古処さんにしか書き得ない戦争小説×ミステリ。改めて古処さんの戦争小説の凄みを感じた作品です。 舞台は太平洋戦争下のビルマの小さな村。戦争小説といっても、この小説では大きな戦闘もなく、殺人事件こそは起こるものの特攻や玉砕といった、戦火の悲劇が描かれるわけでもなく、非情...

これぞまさに古処さんにしか書き得ない戦争小説×ミステリ。改めて古処さんの戦争小説の凄みを感じた作品です。 舞台は太平洋戦争下のビルマの小さな村。戦争小説といっても、この小説では大きな戦闘もなく、殺人事件こそは起こるものの特攻や玉砕といった、戦火の悲劇が描かれるわけでもなく、非情に地味な展開が続きます。 古処さんの文体も、感情や修飾的な著述を排した静かなものなので、前半は退屈に感じるところも多いかもしれません。 事件が起こってからが俄然面白くなってきたかなあ。戦時下、ビルマ、この状況ならではの犯人の見当と推理の仕方がかなりロジカル。 そこに、被害者の中将の過去の行動の不審な点も相まって、どんどん本格ミステリらしくなってきます。このあたりは、さすがミステリ界隈からも評価を受けただけのある作品だと感じました。 そして、クライマックス。真相が明らかになり犯人の動機が語られるとき、これが戦争ということなのか、と考えてしまいました。 この状況で、そしておそらく日本軍でしか起こりえない事件と動機の設定に加えて、軍の暗部、兵士の哀しみを折り込み、戦争に狂わされた人生の悲哀と戦争の業を描いていたと思います。 先に書いたように特に戦闘シーンもないので、これを戦争小説でやる意味はあるのか、と思わなくもなかったのですが、読み終えてみると、これは確かに戦争小説であることが分かるのです。 いつも思うのですが古処さんの戦争小説は、他の戦争小説とは一線を画しているように感じます。戦争の悲劇や死をドラマチックに描くことを避け、反戦や厭戦の意味を物語に積極的に込めるわけでもない。 徹底して冷徹に、そしてリアルに戦争という極限状態での人の業を見つめる作品を書かれているように思います。 だからこそ逆に人の業を通して、戦争の目に見えない部分。ドラマチックに語られがちな戦争の悲劇とは違う、表面化させることが許されなかった人々の叫びが、聞こえてくるように思うのです。 精緻に練られた構成に、抜群のリアリティの本作は、特殊状況下のミステリとして、ホワイダニットのミステリとしてはもちろん、戦争小説としても、とても強い力を持った作品でした。 以下、余談。 この作品が賞を二つ取って、このミスでもランクインしたので、これを機に絶版になっていたり、文庫化されていない古処作品に何らかの動きがないか、ちょっと期待した自分が当時いたのですが、結局何もなかったなあ。確かに売れにくいジャンルだとは思うけど、勿体ないよなあ……少なくとも自分は買うのに。 第71回日本推理作家協会賞 第71回毎日出版文化賞 2018年版このミステリーがすごい!5位

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