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また、桜の国で の商品レビュー

4.5

47件のお客様レビュー

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2024/09/10

大学時代、第二次世界大戦を専門に勉強していた身としては、史実に基づくフィクションとして、当時の人々を知ることができる作品に、学生時代に出会っておきたかったところである。 「自分は何者か」の追求と、真実を伝えたいという気持ちから湧き出る行動力を、こと細かに表現された作品だった。 ...

大学時代、第二次世界大戦を専門に勉強していた身としては、史実に基づくフィクションとして、当時の人々を知ることができる作品に、学生時代に出会っておきたかったところである。 「自分は何者か」の追求と、真実を伝えたいという気持ちから湧き出る行動力を、こと細かに表現された作品だった。 須賀しのぶさんの作品は、「革命前夜」「紺碧の果てを見よ」から3作目の読了。 言葉が綺麗で、スッと身体に入ってくる。また違う作品も読みたい。

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2024/05/19

「革命前夜」に感動して読んでみた。 やはり、慣れない地名だったり戦争の話なので用語が難しく、気づいたら読み飛ばしてしまうので、音読したり昔の世界地図を調べたりしながら無理やり読んだ。 ポーランドという国について、キュリー夫人の出身国ということしか知らなかったが、非常に歴史のある国...

「革命前夜」に感動して読んでみた。 やはり、慣れない地名だったり戦争の話なので用語が難しく、気づいたら読み飛ばしてしまうので、音読したり昔の世界地図を調べたりしながら無理やり読んだ。 ポーランドという国について、キュリー夫人の出身国ということしか知らなかったが、非常に歴史のある国なのだと勉強になった。 主人公たちの絶望も喜びも一緒に体験したかのような気持ちになれる大好きな一冊だ。

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2024/03/26

ドイツ、ソ連によるポーランドの侵略は、世界史の授業で単語だけは聞いていても、その中身は全く知らなかった。ドイツ国内だけでない悲惨なユダヤ人迫害、ポーランド人の迫害があったのだとこの小説で初めて知った。

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2023/10/27

ポーランド分割、ユダヤ人ゲットー、アウシュビッツ、赤軍のワルシャワ解放など、歴史的事実としてだけ知っていたできごとの、現地の人から見た内実を日本人大使館員の目から追体験させられた。平原で地続きのポーランドがどれだけすみやかに占領されてしまい、ドイツの大戦初期の電撃戦がいかにあざや...

ポーランド分割、ユダヤ人ゲットー、アウシュビッツ、赤軍のワルシャワ解放など、歴史的事実としてだけ知っていたできごとの、現地の人から見た内実を日本人大使館員の目から追体験させられた。平原で地続きのポーランドがどれだけすみやかに占領されてしまい、ドイツの大戦初期の電撃戦がいかにあざやかだったのか(ポーランド空軍が出撃すらかなわぬまま、空軍基地が一日で撃滅される)。チャーチル登場前のイギリスの弱腰がなぜあんなに馬鹿にされたのか(ドイツに宣戦布告しておきながら、やったことはベルリン上空からのビラまきだけ!)。ワルシャワ蜂起がいかに絶望的な状況で行われ、赤軍に放置されたのか。ユダヤ人の民族浄化ばかりがクローズアップされる中で、第二次世界大戦中、人口比で最大の死者数となったポーランドの戦禍がいかにひどかったかをリアルに感じさせられた。 https://honkawa2.sakura.ne.jp/5227c.html この作品はフィクションだが、当時の日本が枢軸国側に立ちつつも、その諜報活動において、ポーランド側と協力関係にあったことは事実で、大使館の活動に関しては基本的には事実に立脚しているようだ。 杉原千畝などの名前がぽつぽつ出てくるのもとてもリアルだった。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%89%E5%8E%9F%E5%8D%83%E7%95%9D 主人公の、大戦前のポーランドのシベリア孤児とのつながりが、ラストまでつながっていく、「バタフライ・イフェクト」のような運命的流れには、説得力を感じた。エピローグも余韻を残す、良い終わりだと思う。

Posted byブクログ

2023/10/03

NHK ラジオドラマの青春アドベンチャーで放送した本書を読了。 本書を読むまで、ポーランドの事は何も知らなかった。 「ゲットーの壁」「ゲットー蜂起」「カティンの森」「ワルシャワ 蜂起」 本書を読んでいて、これらの単語は、どこかで聞いたことがあるような、ないような? ぐらいの感じだ...

NHK ラジオドラマの青春アドベンチャーで放送した本書を読了。 本書を読むまで、ポーランドの事は何も知らなかった。 「ゲットーの壁」「ゲットー蜂起」「カティンの森」「ワルシャワ 蜂起」 本書を読んでいて、これらの単語は、どこかで聞いたことがあるような、ないような? ぐらいの感じだった。 「革命のエチュード」も知らなかったので、YouTubeで聞いたら、聞いた事がある曲だった。これらの単語をネットで検索して、大変、勉強になった。  以下、主人公の棚倉慎が、ポーランドに来て感じたこと。 『国を愛する心は、上から 植え付けられるものでは断じてない。 まして、他国や他の民族への憎悪を糧に培われるものであってはならない。 人が持つ あらゆる善き感情 と同じように、思いやることから始まるのだ。そして、信頼と尊敬で、培われていくものなのだ』 とあるが、そうは思わない人々もいる。世界に戦争は絶えない。  本書を読んで、深く考えさせられる内容だった。

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2023/03/31

ポーランドと日本のつながりについて、知らなかった歴史をこの本で初めて知りました。 私が歴史に疎いのと、内容の濃厚さに、読むのに時間を要しましたが、その分、深く記憶に刻まれる物語でした。 困難な状況の中で、どのように「外交」を進めていくのか。 どのように情報を集め、どのように活...

ポーランドと日本のつながりについて、知らなかった歴史をこの本で初めて知りました。 私が歴史に疎いのと、内容の濃厚さに、読むのに時間を要しましたが、その分、深く記憶に刻まれる物語でした。 困難な状況の中で、どのように「外交」を進めていくのか。 どのように情報を集め、どのように活用していくのか。 人の尊厳とは何か。 人としての尊厳を守るためにできることは何か。 この物語を読む自分の無知を恥じ、もっと歴史を知ろうとしなくては、と思いました。

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2023/03/16

現実味がない設定があるので、途中から興醒めな部分もあるが、読み応えのある作品。 男の絆を女性ウケしそうな空気感で書いているので、漫画やドラマになるとよりハマりそう。

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2023/03/02

読み応えのある大作 ポーランドについていろいろ調べ勉強になった 架空の設定とはいえ、架空と思えない具体的な内容の驚く ただ 終章の手前は、なんだか終わりを急いだような内容に感じた これを前編にして 後編も書いてほしかった

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2023/02/25

ポーランドという国のことを私はあまりにも知らなかった。 なんとなく美しい国というイメージしかなかった。 そしてこんなにも何度も国をなくす過酷な歴史があったなんて! 今ウクライナでもきっと同じようなことが起きているのかもと思うと何度も涙しながら読んだ。 日本に住んでいると、島国の...

ポーランドという国のことを私はあまりにも知らなかった。 なんとなく美しい国というイメージしかなかった。 そしてこんなにも何度も国をなくす過酷な歴史があったなんて! 今ウクライナでもきっと同じようなことが起きているのかもと思うと何度も涙しながら読んだ。 日本に住んでいると、島国のおかげで国境が変わることなんてなかったけど、大陸だと国境はすぐに変わってしまうんだなあ。 国とはなにか、人種とは何か、そんなものが本当に必要なのか? 同じ人間同士なのに、国家のために殺し合うことがなぜできるのか? 歴史書は勝者で作られていることが多いから、敗者の国で真実は何が起きているのか、知ることは2度と悲劇を繰り返さないために必要だと思った。 いつ自分たちも国と国の戦争に巻き込まれてしまうかもしれないんだから。 世界が平和になることを祈らずにいられない。 それにしても「革命前夜」も圧巻だったが、須賀しのぶさん、凄い作家だ!

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2023/01/23

偶然出会ったヤンに、自分の抱えて続けてきたものに通じる何かを感じた棚倉慎。 国だの血だのが基準になってしまう戦いの中、日本の外務書記製の自分に何ができるのか。 目にした惨状。受けた信頼。そしてよぎる幼き日の少年の目。 自分自身はどうしたいのか。 途中、何度も何度もウクライナの現...

偶然出会ったヤンに、自分の抱えて続けてきたものに通じる何かを感じた棚倉慎。 国だの血だのが基準になってしまう戦いの中、日本の外務書記製の自分に何ができるのか。 目にした惨状。受けた信頼。そしてよぎる幼き日の少年の目。 自分自身はどうしたいのか。 途中、何度も何度もウクライナの現状と重なってしまったけれど、ポーランドという国の、わずかでもその歴史の一部に触れることができたのはとてもよかった。 周りの国に翻弄されつつも誇りを持ち続けようとする姿に、悲しみを乗り越えてきた強さのようなものを感じた。 「また、桜の国で」――それぞれが一歩を踏み出す。

Posted byブクログ