まち の商品レビュー
ひとシリーズ、第二弾。 小学三年生の時、両親を火事で亡くした瞬一は、歩荷をしているじいちゃんと二人暮らし。歩荷は食料や燃料を麓の問屋から山小屋に運ぶ重労働で、じいちゃんは余計なことはな話さない。 瞬一は、高校卒業後、大学、専門学校いくでもなく、また就職するでもなく、じいちゃんに、...
ひとシリーズ、第二弾。 小学三年生の時、両親を火事で亡くした瞬一は、歩荷をしているじいちゃんと二人暮らし。歩荷は食料や燃料を麓の問屋から山小屋に運ぶ重労働で、じいちゃんは余計なことはな話さない。 瞬一は、高校卒業後、大学、専門学校いくでもなく、また就職するでもなく、じいちゃんに、村の外の世界を知る為、東京に行けと言われて、東京でバイトをして暮らしている。 頼られる人間になれ。じいちゃんの教えを守り、まさに実直に生きている瞬一が、なんか眩しく感じられる。
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ひと(小野寺史宜)がとても良いお話だったので、今回はこちらを読んでみた。 想像以上に優しく心に残る物語だった。 瞬一は、小学生の時に両親を失くし、じいちゃんに育てられた。高校を卒業したら東京へ出ろ。と背中を押され、村を出て1人暮らしを始める。 瞬一は誠実で人に優しい。そ...
ひと(小野寺史宜)がとても良いお話だったので、今回はこちらを読んでみた。 想像以上に優しく心に残る物語だった。 瞬一は、小学生の時に両親を失くし、じいちゃんに育てられた。高校を卒業したら東京へ出ろ。と背中を押され、村を出て1人暮らしを始める。 瞬一は誠実で人に優しい。そして、堅実に物事を決めていく。彼の生きる姿勢に感動し、大好きになった。人に対して慎重にかつ丁寧に接し、皆が彼のことを好きになっていく。 彼を育ててくれたじいちゃんも素敵な人だと思った。生きていく上で大切なことを瞬一にきちんと伝えていた。 小野寺史宜さんの作品は、独特のゆったりとした流れがあり、読んでいて心地がいい。心の乱れが整っていく感じがたまらない。他の作品も読んでみたい。
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こころのきれいな青年が主人公という点は『ひと』に通ずるところがあります。大変な境遇なのに悲観したり他人を羨んだりしない。まだ人生模索中の若者ですが、心の在り方は既に悟りの境地のよう。なかなかこんな思考になるのは難しいけれど、そうなれたら幸せだなと思いました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
小学生の時、両親を火事で亡くした主人公は、その後、祖父に育てられた。 祖父が歩荷(山小屋から荷物を運ぶ人。車などの機械は一切なく、人間の力で人間の荷物を持つ仕事。ひどい時には100kg以上の荷物を運ぶこともある。)をしていたことがきっかけで、主人公も体を動かす仕事に就きたいと思い、上京してアパートに住み、引っ越しのアルバイトをしている。 アルバイト先やアパートに住んでいる人、同級生、祖父との人間関係を通して主人公が成長していく物語だった。 人は1人では生きていけず、色々な人の力を借りて生きているんだなと改めて感じた。
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歩荷という仕事を初めて知りました。 群馬県の片品村で歩荷の仕事をしているおじいちゃんに育てられた主人公江藤瞬一はおじいちゃんから「東京に出て、よその世界を知り、人と交われ」と言われ、高校卒業後に江戸川区のアパートに一人暮らしを始めます。 コンビニの次は引っ越し屋さんでバイトを...
歩荷という仕事を初めて知りました。 群馬県の片品村で歩荷の仕事をしているおじいちゃんに育てられた主人公江藤瞬一はおじいちゃんから「東京に出て、よその世界を知り、人と交われ」と言われ、高校卒業後に江戸川区のアパートに一人暮らしを始めます。 コンビニの次は引っ越し屋さんでバイトをして早5年。アパートの住人とも交流し、中でも隣の君島さん親子とは虫退治をしたことから仲良しに。若いけど優しくて真面目。何しろ身体が大きくて頼りになりそう。こんな青年なら人に好かれますよね。 おじいちゃんが東京のアパートに訪ねて来た時は何となく嫌な予感がして、それが当たってしまったのが悲しい。素敵なおじいちゃんでした。 小野寺さん蕨市知ってるんですね〜。知ってる土地が出てくると何だか嬉しい。
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声を出して笑っちゃったり 思わず涙してしまったり。 まちに暮らして、人と交わる。瞬一の生き方は、じいちゃんも安心してくれてると思う。 田野倉のエイキ君にも会えてよかった。
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前作「ひと」と同じ地域を舞台とした物語 主人公は小学生の頃に両親を火事で亡くし、歩荷として働く祖父に育てられた瞬一 高校を卒業し、一度は都会に出てみた方がいいと、祖父に勧められた瞬一は江戸川区沿いのアパートに引っ越してきた 最初はコンビニ、のちに引っ越しの日雇いバイトとして 祖父...
前作「ひと」と同じ地域を舞台とした物語 主人公は小学生の頃に両親を火事で亡くし、歩荷として働く祖父に育てられた瞬一 高校を卒業し、一度は都会に出てみた方がいいと、祖父に勧められた瞬一は江戸川区沿いのアパートに引っ越してきた 最初はコンビニ、のちに引っ越しの日雇いバイトとして 祖父と同じく、体を使って物を運ぶ仕事をしながら 堅実に日々を生きる瞬一 バイト先の同僚やアパート周辺に住む人など、様々な人と繋がりあった暮らしが 丁寧に描かれている 瞬一の真面目でうそのない姿は本当に好青年 今時珍しいと思ってしまうくらいに擦れていない 前作「ひと」の主人公とも通じるものがあるなと思う こういう人柄だからこそ、周りにも信頼され、そして繋がりあって生きていく ほっとする良い話が読みたい時には外れない小野寺史宜さんだなと思う
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本の裏表紙のスカイツリーの絵。 読み終えて作中の言葉を思い出す。 「あれは上るためのものじゃない。 遠くから眺めるためのものだ」 高校を卒業後、進学でもなく就職でもなく 群馬の村から東京に出てきた瞬一。 「東京に出て、よその世界を知れ。 知って、人と交われ」 じいちゃんの こん...
本の裏表紙のスカイツリーの絵。 読み終えて作中の言葉を思い出す。 「あれは上るためのものじゃない。 遠くから眺めるためのものだ」 高校を卒業後、進学でもなく就職でもなく 群馬の村から東京に出てきた瞬一。 「東京に出て、よその世界を知れ。 知って、人と交われ」 じいちゃんの こんな言葉に背中を押されて。 18歳の青年の住まいは荒川の河川敷近く。 アルバイトをしながら、 少しずつ周りの人々と交流を深めていく。 正直で優しく、187㎝の長身で力持ちの瞬一。 彼の力が 友人や隣人を助けることも。 じいちゃんはこうも語る。 「瞬一は頼る側じゃなく、頼られる側でいろ。 人は大事にな」 登場する人々が、みんな愛おしい。 となりの部屋に住む君島さん母子。 階下の笠木得三さん。 バイト仲間で 血の気の多い 野崎くん。 細々と世話を焼いてくれる 郷里の村の 摂司さん。 そして 何と言っても一番の素敵は、じいちゃん。 ちょっとした事件がいくつか起こるものの おだやかで優しい空気が終始流れ、 忙しさや喧騒に疲れた心を ふっとほどいてくれる。 全くの余談ですが、先日 友人と訪れた姫路城。 あまりの暑さに、外から眺めるだけにしました。 「お城は中に入るためのものじゃない。 遠くから眺めるためのものよね。美しいわぁ!」 なんて…。
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この人の作品は本当に読みやすい。時間がゆっくり流れる感じがすごく心地いい。 周りの人を幸せに、守れる人間になるというのはこの作品で描かれてるほど簡単なことではないが、人生で1人、2人は家族ではない、けど大切な人と出会えたらいいなと思う。
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こういう人に私はなり たい。 瞬一くんは宮沢賢治の 雨ニモマケズの人だ。 器が大きい!というか 人してとても綺麗♡ なにをしても見返りを 求めない。 ああ私には遠い道のり ・・・(汗
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