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少年の名はジルベール の商品レビュー

3.8

18件のお客様レビュー

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2021/07/07

あの名作はどのようにして生まれたのか。竹宮恵子さんが語る大泉サロンとその後の日々は、少女マンガの革命を生んだ作家たちが、何を悩みどう踏み出していったのかを描いて心を打つ。伝説でしか知らなかった日々は、その実像を知ると貧乏で情けなくて感動的だった。ああ、また少女マンガを読みたい。

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2021/06/15

一度きりの大泉の話と並行して読んだ 若かった日々のことを苦々しく覚えている人もいれば、楽しかったことしか記憶に残らない人もいる。 まさしく、竹宮先生は前者で萩尾先生は後者だと思う。

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2021/04/28

「大泉」の死によせて、竹宮惠子は壮麗な墓へ美しい花を手向けるように語るけれど、萩尾望都はいまだ埋葬も叶わぬその死体と暮らしていると悲痛に告げる。 わたしは10代からの萩尾望都の大ファンであるけれども彼女たちが少女漫画雑誌の表紙を飾っていたころの世代ではない後追いファンで、『一度...

「大泉」の死によせて、竹宮惠子は壮麗な墓へ美しい花を手向けるように語るけれど、萩尾望都はいまだ埋葬も叶わぬその死体と暮らしていると悲痛に告げる。 わたしは10代からの萩尾望都の大ファンであるけれども彼女たちが少女漫画雑誌の表紙を飾っていたころの世代ではない後追いファンで、『一度きりの大泉の話』の読後、補論として『少年の名はジルベール』を読んだ。 非常に整然とした面白い回顧録だった。「頭がよくそつのない何でもできる人」という著者への評価が腑に落ちる。

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2020/04/15

著者である竹宮恵子先生の自伝 ファラオの墓 執筆中の様子が非常に印象深い 読者の好みの把握、自分の描きたいものと描けるもののバランス、徹底した分析と研鑽 マーケットインのビジネスそのものと感じた

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2020/10/01

 表紙のジルベールが半端なく美しい。単行本で出たときは、購入するのを躊躇ったくらいだった(苦笑)。文庫本は意を決して購入した。サンキュータツオ氏のあとがきの最初の一文は、「これほどシビれる読後感を抱くことはなかなかない」。思わず膝をたたいていまった。全くそのとおりだった。  この...

 表紙のジルベールが半端なく美しい。単行本で出たときは、購入するのを躊躇ったくらいだった(苦笑)。文庫本は意を決して購入した。サンキュータツオ氏のあとがきの最初の一文は、「これほどシビれる読後感を抱くことはなかなかない」。思わず膝をたたいていまった。全くそのとおりだった。  この本は主に竹宮先生のデビュー間もない頃から、代表作(問題作?衝撃作?)「風と木の詩」の連載時あたりまでの自叙伝。萩尾望都先生の才能へ嫉妬したり、「風と木の詩」の掲載を熱望し画策する自分を赤裸々に書いている。これを読んでいて竹宮先生は、マンガに対する「情熱」と「冷静」を併せ持ち、マンガ学部の教員に向いているなと感じた。  ちなみに「地球へ…」は、月刊マンガ少年連載時にリアルタイムで読んでいて、別冊総集編も全巻持っている。

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2020/01/11

今や少女漫画は、60代80代になった大人をも満足させられる芸術の一部門になっているが、竹宮さんがデビューした頃はまだ、“女子供のモノ”と少年漫画に比べて少し下に見られる分野だった。 かく言う私も、中学生になると、お決まりハッピーエンドの少女漫画に興味を失い、少年漫画を主に読むよう...

今や少女漫画は、60代80代になった大人をも満足させられる芸術の一部門になっているが、竹宮さんがデビューした頃はまだ、“女子供のモノ”と少年漫画に比べて少し下に見られる分野だった。 かく言う私も、中学生になると、お決まりハッピーエンドの少女漫画に興味を失い、少年漫画を主に読むようになった。 それゆえ、竹宮さんをはじめとする人たちによって、少女漫画界に革命が起きていることも知らず、『風と木の詩』は後から人に勧められて読んだのだった。 今、市民権を得ているBLは、『風と木の詩』で竹宮さんが描きたかったものとは少し違うような気もするが、『風と木の詩』無くしてはあり得なかった、というのは確かだと思う。 駆け出しの頃、こなし切れないほどの作品を抱えてついにパンク、困った編集者たちに「この子どうしよう」と話し合われるところから始まる。 それが、『風と木の詩』の掲載が認められる頃のことになると、「仕事をきちんとこなし、その中身に責任が持てたことは、自立することにつながった」と書かれている。 そこまでの長い道のりが、この作品には主に語られている。 七転八倒のスランプの日々、頭の固い編集者との戦いも描かれるが、読み終えてみると意外なほどに客観的に書かれた印象で、何かを成し遂げた人にとっては、苦しかった思い出も、今の自分にとっては必要な栄養だったと自覚しているように思えた。 ストーリーを書き慣れている人だからか、小説のように読みやすかった。 この本の中で、同業者の萩尾 望都さんはひときわ大きな存在感をもって描かれている。 大いなる親しみと共感がありながらも、彼女の才能への羨望、嫉妬が竹宮さんを苦しめた。 物語的に言えば、最大のライバルであり、乗り越えるべき壁だった。 もう一人。 初期の頃から竹宮さん、萩尾さんと寄り添い、大いなる芸術の知識とセンスを持ち、いつも的確で、時には毒舌とも言える口調でアドバイスをし続けた、増山法恵(ますやまのりえ)さん。 後々まで竹宮さんのマネージャー兼プロデューサーのような立場でともに歩み続けた。 長く支えてくれた担当の編集さんたちにも、合わせて感謝の気持ちが述べられている。 同時代の人として名前が挙がる漫画家の人たちももちろん、竹宮さんの成長の糧となり、少女漫画界の殻を破って革命を成し遂げた大きな協力者であったのだと思う。

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2019/11/29

萩尾望都派だけど竹宮恵子の名に反応してしまうのは、やはりどちらも読み漁った世代だからなのか。デビュー前後のこと、代表作秘話、「大泉サロン」での繋がりなど、これまで知らなかった知りたかったいろんなことを興味深く読んだ。あのときこうなったのはそういうことだったのかーとか(ただコミック...

萩尾望都派だけど竹宮恵子の名に反応してしまうのは、やはりどちらも読み漁った世代だからなのか。デビュー前後のこと、代表作秘話、「大泉サロン」での繋がりなど、これまで知らなかった知りたかったいろんなことを興味深く読んだ。あのときこうなったのはそういうことだったのかーとか(ただコミックス追っかけ派なので雑誌連載中のことはよく知らない)。 後半、風木の最終巻の辺りがちょっと駆け足で、いくつか物足りない部分もあったけど、創作する人にはとても大事なことが書いてあると思う。望都サマの本も探そう。

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2019/11/28

会社帰りに本屋さんで購入。通勤のお供のはずが、今日も夜更かし。 萩尾望都と竹宮惠子が一緒に住んでたなんて全く知らなかったし、増山さんという存在の凄さに興奮。山岸涼子まで一緒にあの時代にヨーロッパ旅行に行ってたなんて!オールスター感。 映画を観ると萩尾望都と竹宮惠子は映像をその...

会社帰りに本屋さんで購入。通勤のお供のはずが、今日も夜更かし。 萩尾望都と竹宮惠子が一緒に住んでたなんて全く知らなかったし、増山さんという存在の凄さに興奮。山岸涼子まで一緒にあの時代にヨーロッパ旅行に行ってたなんて!オールスター感。 映画を観ると萩尾望都と竹宮惠子は映像をそのまま記憶できるので絵面や衣装のディティールについて延々と感想を述べ合う、という記述があり、さすが。 そして70年代の女性漫画家の扱い、少女マンガの制約も興味深く読んだ。 ネームを郵送して…などという通信事情も面白い。徳島ではマンガの新刊を注文しても届くのに3ヶ月かかったとか。 絵の上手い人、才能のある人への憧れを改めて感じる。 この本が書店で目についたのはきのう何食べた?でジルベールジルベール言ってた影響がかなりあると思う。 実は未読の風と木の詩、一度読んでみようかな。 日出処の天子も今読んだら違う感想を抱きそう。

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