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世界からコーヒーがなくなるまえに の商品レビュー

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15件のお客様レビュー

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2023/12/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

原著の英語タイトルは「Coffee matters - A revolution is on the way」で、コーヒーそのものが議論の焦点であり、改革が今まさになされている、という意味合いだった。日本語版はもっと直球で「このままだとコーヒーを飲めなくなるぞ」という危機感をあおるスタイルになっている。 コーヒーだけでなく、チョコレートの原材料であるカカオなども、よくこの手の議論の対象になる。安く、大量に供給するという点にだけ注目していては、作り手も流通も遠からず機能できなくなり、消費者の手元に届かなくなるぞ、という警鐘を鳴らすものが多い。このほんもそうした議論の中にあるのだが、ブラジルで丁寧にコーヒーを栽培、供給している農園を特に取り上げ、ストーリーを展開している。 冒頭の「オーガニック認証」「フェアトレード認証」の違いや、ロブスタ種とアラビカ種の違いなどは、コーヒーについてあまり詳しくない読者にはありがたい情報。終盤ではSustainabilityに着目し、サステナブルであることとエコロジカルであることは必ずしもイコールではなく、栽培において環境にやさしくても、その農園の労働環境が悪いこともあり、そのようなケースでは持続性の担保は難しいと著者は主張する。当たり前のような話があえて提示されるあたりに、コーヒー産業分野の労働環境の悪さが逆説的に透けて見える。 最後に著者はいう。「市場経済は、消費者の購買行動や価値観を変えず、ただ需要に応えることにのみ着目している点で問題がある。高いコーヒーを少ない量、美味しく飲むことでこの問題を解決できる」と。安いコーヒーをガブ飲みするのではなく、丁寧に作られたコーヒーを丁寧に淹れ、ゆっくり飲むことの大切さを、いちコーヒー好きとして改めて考えてみたいと思った。

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2023/07/24

コーヒー愛飲家なので嫌なタイトルが目に付き、読んでみた。内容自体は興味深く、自分も今後コーヒーを買うときは違う視点で見てみようと思えた。しかし、本自体は微妙な翻訳に誤字脱字の多さも相まって正直言って読みにくかった

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2023/04/15

在宅勤務でコーヒーを挽いて飲むことが増えたので手にした1冊。 コーヒー消費1位フィンランドの著者二人が、コーヒー生産1位(だが美味しいコーヒーを飲むことができない)ブラジルで「コーヒー革命(この本の原題)」を目指す一家の活動を中心に、コーヒーの歴史や種に関することも書かれている。...

在宅勤務でコーヒーを挽いて飲むことが増えたので手にした1冊。 コーヒー消費1位フィンランドの著者二人が、コーヒー生産1位(だが美味しいコーヒーを飲むことができない)ブラジルで「コーヒー革命(この本の原題)」を目指す一家の活動を中心に、コーヒーの歴史や種に関することも書かれている。 品質と倫理的な面と環境面を無視して安さと大量生産を追求しているコーヒー産業を憂え、生産から消費に至るまでサスティナビリティでオーガニックな美味しいが高くて量も少ないスペシャリティコーヒーの必要性を訴えている。 誰もが飲むコーヒーだからこそ、”なくなる”ことが無いように、ひとりひとりが考えて行動する必要がある。

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2022/08/17

コーヒー栽培に疎い私には内容が難しかった。 めげずに最後まで読んでよかった。 7割程度は理解できたと思う。 最近大豆の種を育ててみて、白くて小さい、可愛らしい花が咲くことを初めて知った。それから先に枝豆がなること。大豆は旅を経て大豆になること。 大豆からなる豆腐なんかは更に長旅...

コーヒー栽培に疎い私には内容が難しかった。 めげずに最後まで読んでよかった。 7割程度は理解できたと思う。 最近大豆の種を育ててみて、白くて小さい、可愛らしい花が咲くことを初めて知った。それから先に枝豆がなること。大豆は旅を経て大豆になること。 大豆からなる豆腐なんかは更に長旅を続ける。 私たちは口にするもの一つ一つ、どんな旅をしてきたのか知らない。けれど、本当は知らないといけない。安さ、便利さ、目の前にある得は実は遠く離れた人の不幸かもしれない。地球と自分を切り離して考えてはいけない。

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2022/07/03

安いコーヒーは労働搾取や熱帯雨林を切り開いた畑の単一農業の環境破壊によってもたらされる。 ブラジルのオーガニックコーヒー農家の畑の美しさや考え方が素晴らしい。環境を守り循環させ、それを周りの農家に広め、美味しいコーヒーを作り続けるための革命。世界に広がってほしい。 消費者にで...

安いコーヒーは労働搾取や熱帯雨林を切り開いた畑の単一農業の環境破壊によってもたらされる。 ブラジルのオーガニックコーヒー農家の畑の美しさや考え方が素晴らしい。環境を守り循環させ、それを周りの農家に広め、美味しいコーヒーを作り続けるための革命。世界に広がってほしい。 消費者にできることは、安物のコーヒーを何杯も飲むことではなく、質のいい一杯のコーヒーを大事に飲むこと。コーヒー農家や環境のことを思い浮かべながら。

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2022/02/22

本当に美味しいコーヒーを飲んだことがあるのか? 多分飲んでいない。高いコーヒーと言ってもスタバ止まりだ。日本でもコーヒーフェスティバルをやっているのなら是非参加したい。 多少高くても美味しいコーヒーを買えば、コーヒーのサステナビリティが実現できると言うが、日本でそれが定着するのか...

本当に美味しいコーヒーを飲んだことがあるのか? 多分飲んでいない。高いコーヒーと言ってもスタバ止まりだ。日本でもコーヒーフェスティバルをやっているのなら是非参加したい。 多少高くても美味しいコーヒーを買えば、コーヒーのサステナビリティが実現できると言うが、日本でそれが定着するのかは疑問だ。まだまだ、質より価格優先のように思う。

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2021/09/30

コーヒー好きで一日3,4杯は飲んでいる。最近はコンビニでも安くて結構おいしく飲めるからありがたい、そんな風に気楽に思っていたけれど、それは未来のコーヒー農業にとっては喜ぶべき事ではなかったと知り、猛反省。 コーヒーに限ったことでは無いかもしれないが、安く手に入るという事は、流通マ...

コーヒー好きで一日3,4杯は飲んでいる。最近はコンビニでも安くて結構おいしく飲めるからありがたい、そんな風に気楽に思っていたけれど、それは未来のコーヒー農業にとっては喜ぶべき事ではなかったと知り、猛反省。 コーヒーに限ったことでは無いかもしれないが、安く手に入るという事は、流通マージンを引かれて、生産者の手に入る利益はごくわずかになるという事。それではやっていけない生産者は薄利多売で効率重視の大量栽培になる。それはただ単にそれ程良い品質のコーヒーが生産されないというだけでなく、農薬や化学肥料で汚染された土地はどんどん疲弊しやがて何も育たなくなる。大量に効率よく生産するために、大切な木々をどんどん伐採していくことも、地球温暖化や大洪水などの災害をもたらすこととつながる。このまま進めば、コーヒーの生育に適した土地がどんどん狭くなってしまうらしい。そんなこともこの本は教えてくれる。 「ブラジルのコーヒーはまずい」と言われていることを覆すために、偶然コーヒー農場を引き継ぐことになった家族の奮闘を紹介しながら、コーヒーだけに限らない大切な問題を教えてくれている。 消費者としては良いものが安く手に入るのは本当にありがたいけれど、その裏に潜む問題はいつか大きなしっぺ返しとなるかもしれない。

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2021/09/25

タイトルを見た時に、実際の日本の状況は、コーヒーがこの世からなくなるなんてそんな馬鹿な話ないだろう?って思ったのだが、読み終わってみて、世界的にかなりまずい状況なんだなということが良くわかった。ロブスタ豆をもっと特性を生かした改良ができればまた話は変わってくるのかもしれないが、こ...

タイトルを見た時に、実際の日本の状況は、コーヒーがこの世からなくなるなんてそんな馬鹿な話ないだろう?って思ったのだが、読み終わってみて、世界的にかなりまずい状況なんだなということが良くわかった。ロブスタ豆をもっと特性を生かした改良ができればまた話は変わってくるのかもしれないが、この本はそういう論旨ではない。 自分でも、ここ数年はすっかり缶コーヒーを飲まなくなったが、350くらいのペットボトルのコーヒーはやっぱり飲んでるし、ドトールもお気に入りだ。 でも一方で一杯の値段の高さに驚きながらも、スペシャルティコーヒーを飲み歩き、豆を買ってきて淹れて飲むことが多くなってるから、このまま行ったら飲めなくなってしまうという世の中は耐えられないな。 自分が生きてる間はまだ大丈夫なのかもしれないが、息子の世代が悲しい思いをすることのないような世の中にしていかなければいけないんだな。 独立してコーヒー屋をやりたい微かな夢を叶えるためにも、まずは何かできることを始めなければ。

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2021/08/16

コーヒー農家が最終商品(コーヒー)の味の良し悪しを知らない、もしくは、関心が低いため、高品質な豆の追求やそれに伴う所得向上に行きつきにくいという話は、自分にとって新たな視点だったので興味深いなと思った。 またサステイナビリティーやオーガニックに重きを置く親世代と、品質に重きを置...

コーヒー農家が最終商品(コーヒー)の味の良し悪しを知らない、もしくは、関心が低いため、高品質な豆の追求やそれに伴う所得向上に行きつきにくいという話は、自分にとって新たな視点だったので興味深いなと思った。 またサステイナビリティーやオーガニックに重きを置く親世代と、品質に重きを置く子世代の対比。 学校ガス水道などを全て提供する生活保障型の農園経営から有償化へ等、肌感のあるストーリーとして共有されていて面白かった 品質と生産コストはトレードオフとして論じられていたが、例えば完熟した豆の選定と収穫など、テクノロジーの進化により、今後同価格でも高品質のコーヒーが飲める可能性は高いのではと思った

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2020/07/19

食と環境、持続可能な食づくり等、今やらなければならないことに気づかされてくれます。 私の場合は、「フィンランド人が書いた書籍」という理由で手に取ったので、ちょっと感覚は違うかもしれませんが、食問題全般に関心を持っている方であれば、既にご存じのことも多いかも。コーヒー豆の産地につい...

食と環境、持続可能な食づくり等、今やらなければならないことに気づかされてくれます。 私の場合は、「フィンランド人が書いた書籍」という理由で手に取ったので、ちょっと感覚は違うかもしれませんが、食問題全般に関心を持っている方であれば、既にご存じのことも多いかも。コーヒー豆の産地について詳しく知りたいという方には、お薦めです。

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