国宝ロストワールド の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
日本は文化や歴史を大事にする国、と思いがちだがそうでもない、ということがよくわかる本。 明治の廃仏毀釈の嵐が吹き荒れたとき、仏閣は荒れ、仏像や美術品の国外流出や破損が続出していた。 それを文章ではなく、当時の古い写真をもとに解説しているので非常にわかりやすい。 今の日本では当たり前になっていることでそこまでの歴史がないもの、というと、 墓…明治期まで墓がある家は珍しかった。高度成長期以降、「ウチも墓をというニーズに応え、各地で霊園開発が続いた」 米食…ふんだんに米が供給されるようになったのは昭和に入ってから。大戦でいちど食うや食わず、というレベルまで落ち、そこからまた回復。 小麦…うどん、ラーメンなどは小麦の輸入量が現在と同レベルに到達した1970年以降に本格普及した。讃岐うどんも例外ではない。
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明治~昭和に撮影された33の国宝の写真に込めれた、 写真家たちの被写体への想いと、国宝の数奇な運命の物語。 写真、解説、国宝データ、写真家プロフィール、 ここに注目!での構成。 解説1~2、KOKUHO COLUMN、用語解説有り。 写真家たちが向き合い撮影した国宝の記録と記憶。...
明治~昭和に撮影された33の国宝の写真に込めれた、 写真家たちの被写体への想いと、国宝の数奇な運命の物語。 写真、解説、国宝データ、写真家プロフィール、 ここに注目!での構成。 解説1~2、KOKUHO COLUMN、用語解説有り。 写真家たちが向き合い撮影した国宝の記録と記憶。 それら文化財にも写真家にも、物語がある。 よくぞ写真で残してくれた、記録。 撮影当時の貴重な姿は、明治時代、荒れ放題の東大寺大仏殿。 琉球王朝時代の名残りが残る、大正時代の首里城。 戦災での焼失前の名古屋城。修理前の興福寺の阿修羅像。 発見した翌日には撮影された、高松塚古墳の壁画の鮮やかさ。 焼損前の法隆寺の金堂壁画には、思わず息を吞んでしまいました。 写真家たちの、明治期からの撮影技術と工夫、苦労、 そして執念は、並々ならぬものがあります。 記録として残すことの重要性。そしてそれを表現する芸術性へ。 簡潔ながら、当時の状況がわかる文章が良くて、 国宝の本や、紹介された写真家の作品集が 読みたくなってしまいました。
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国宝と向き合った写真家達の執念、その結果残った貴重な写真に感嘆した。「ここに注目」と各写真の見所を示してくれていて親切な作り。
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写真家の残した国宝たち。修復される前の阿修羅像や、荒れた感のある彦根城、戦争で焼失する前の首里城。どれも貴重だ。高松塚古墳の鮮やかな壁画には、ただ感動する。
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写真がすばらしい。国宝データも写真家プロフィールも解説もいいですが、「ロストワールド」のキャッチの使い方はおかしいのでは?
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