人事・労務・福利厚生の税務 第2版 の商品レビュー
本書では人事労務担当者向けに知っておいてほしい税務が取りまとめられている。税務実務で悩みやすい論点がわかりやすく解説されているので、初学者にもおすすめの内容だ。 P293 1. 年次有給休暇の買い上げが認められる場合 労働基準法39条では、労働者には年次有給休暇を与えなければなら...
本書では人事労務担当者向けに知っておいてほしい税務が取りまとめられている。税務実務で悩みやすい論点がわかりやすく解説されているので、初学者にもおすすめの内容だ。 P293 1. 年次有給休暇の買い上げが認められる場合 労働基準法39条では、労働者には年次有給休暇を与えなければならないとされている。会社が年次有給休暇を買い上げることは、年次有給休暇を付与したことにはならないので、原則的には認められない(昭 30.11.30 基収4718)。ただし、次の三つの場合には、年次有給休暇の買い上げが認められている(昭23.3.31基発513、昭23.10.15基収3650)。 ①法定日数分を超える部分の休暇日数を買い上げる場合 ②時効によって消滅した休暇日数を買い上げる場合 ③退職・解雇により消滅した日数を買い上げる場合 2. 年次有給休暇の買い上げを行う会社の取り扱い 会社が社員の退職時に年次有給休暇の買い上げをするに際して支給する金銭は、退職給与として取り扱われる。年次有給休暇の買い上げのほかに通常の退職給与が支給される場合には、それらの金額を合算して、退職所得の源泉徴収を行うことになる。 3. 支給を受ける退職者の取り扱い 退職時の年次有給休暇の買い上げは、退職者のみに適用される制度である。買い上げてもらうことで支払われる金額は、退職に基因して一時に支払われる性質のもので退職所得として取り扱われることになる。
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