ひみつのしつもん の商品レビュー

岸本佐知子(著者)

2022/05/11

抽象画を見ると、こんなの自分にだって描ける、子供だって描ける。と言う人もいるが、それは自分の浅はかさを暴露する言動。エッセイもそう。読んでいて楽しく、おかしく、少し痛い。自分でも書けそうなのである。でも絶対に無理だ。日常の、また思い出の一片をこんなに複雑かつ明快に文章にできるのは優れた技術だ。語彙が豊富かというとそんなでもない。でも例えが絶妙だったり、カテゴライズが上手かったりで読者は筆者の妄想を理解し体験できる。朽ちかけたポストから物語を作ってみせる。簡単そうにやってのけるのが優れたプロの仕事。

2022/03/20

著者の気持ちが、まるごと詰まった本。

52話ほどの少し笑えて、楽しめる、そしてわかるよ〜と頷ける話がたっぷりと入っている。

イラストもナイスでちょうど良い具合に挟んである。

どこから読んでもいい感じで、ついつい手に取りクスッとする。

表題の「ひみつのしつもん」は、クレジットカード系のログイン時に入力すべき文言のこと。
これって、エラーが出るとヤバイってなって、何度もエラー続くともぅいいわ〜ってなるやつ。

2022/03/11

大好きな宇垣アナが紹介されていた本。

恐るべし想像力。外で読んでいたけれどマスクの中でにやけが止まらなかった。

どの話もおもしろかったけれど
アメリカスラング辞典の中に
Maryjane＝マリファナと記されていて
自分の好きなアーティストの曲と
すべてが合致することに気づいたとき
声を出して笑ってしまった。

他の岸本さんの本も読んでみたい。

2022/02/06

相変わらず誰にも書けない安定の爆笑エッセイ。
言葉のチョイス、発想の面白さ、それ以前にまず下地になる経験が、他の人と違う。
「哀しみのブレーメン」「不治の病」が秀逸。
数年に１度、岸本さんの新しい本を読めることがとても贅沢。

2022/01/22

本当にもう大好きすぎて心も言葉も奪われる。お会いしてみたいけど話せる自信がまったくない。
初めて読んだ時から、今に至るまで、およそ十八年の歳月が流れているらしい。なんてこった。その間、岸本さんはずっと魅力的だ。ご自身がどんなにカバディ性をもっていようと。変わらずご健康で書き続けていただけることを切望する。

2021/12/05

「ちくま」で17年続くというエッセイの単行本。口当たり軽く、毒気少なく、人と楽しく雑談をした後のような、なんだかさっぱりとした気持ちになる。

2021/12/02

本を読みながら何度も声を出して笑ってしまいました。わたしも変なところが気になるタイプですが、岸本さんはその何倍も先をゆく感じでした。すごいおもしろいお友だちと延々と話しているような、たのしい気持ちになりました。

2021/09/16

最高だった
本当に1話1話笑える
先生は私と同じ人種かと思うほど共感できる話がいくつもあった
流石にあそこまでの妄想力がないことは残念だけど

他のエッセイも読みたいし、翻訳された本も読みたい

2021/07/27

ああまたしても、おもしろかった。

人の名前が出てこない問題、すごくわかる。私もこの間「鈴木京香」が出てこなくて友達と「ほれあの、色白の、美人な……」「声に特徴のある」などと言い合い、どうしても「深田恭子」が邪魔をして大変だった、という思い出がある。

マーラーのみじめ小屋(言い方‪w)とか地下鉄の仙人とか、検索してしまった。

2021/09/12

『ひみつのしつもん』読了。
最近読んだ『いちばんここに似合う人』を翻訳した人のエッセイ集でした。しかも3巻目。初めて読んだけど、面白かった。日常の話が途中から妄想に変わっていく様が面白かったわ。
ていうか、どんだけオリンピックが嫌いなんだよって思うくらい、五輪について書いてて笑った。
なんかすごく悲観的に表現してるのが面白くて。何かある度に「死にたくなった」が頻回に登場して、まあ…気持ち分かるわ…と妙に親近感が湧いた。
それでもその悲観を妄想ツールを活用して面白おかしく解決してて面白かったな。
うふふ、むふふ、あはは、の連続。あー、なんか、明るくやってこって思った。
で、あとがきは多少まともなことが書いてあるかなと期待していたら全然。執念深く五輪について書いていたわ。
あーもう、最高に面白かった。
あともう少しで東京五輪が始まるけど、この方にとっては本当に地獄のような日々になるんだろうなって容易に想像できる笑

2021.7.14（1回目）