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黒い豚の毛、白い豚の毛 自選短篇集 の商品レビュー

4.2

6件のお客様レビュー

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2023/02/18

中国の農村や軍隊での生活がどんなものか知ることができた。一方であんまりオチがすんなりってわけにもいかず、自分の理解力不足なのか、文化の壁なのか。

Posted byブクログ

2023/01/28

どっとはまってしまった閻連科作品群。 中短編合わせ6作が入っている。 ユーモアとは言わぬまでも滑稽をてらうような 筆者ならではの精神生活を積みげてきた人物にしか書けない 深いペーソス的味わいが。 WW2以降生まれの彼が育った中国は革命、思想闘争、自由主義国との軍備に明け暮れて来...

どっとはまってしまった閻連科作品群。 中短編合わせ6作が入っている。 ユーモアとは言わぬまでも滑稽をてらうような 筆者ならではの精神生活を積みげてきた人物にしか書けない 深いペーソス的味わいが。 WW2以降生まれの彼が育った中国は革命、思想闘争、自由主義国との軍備に明け暮れて来た。 従い、彼が送ってきた人生に有っての軍隊生活は 傘の元で仮想平和を過ごしてきた日本人には想像を絶する時間が多かったのではと思う。 その中でふと感じる心情、感覚、揶揄めくやり取り等々、堪能させて貰った。 あとがきで 彼が日本の作家諸氏に多々なる影響を受けたことを記す下りがある。 芥川・夏目・三島・太宰・川端・谷崎・・と若手現代作家たち。 感性の鋭さに敬服しつつ、それを足掛かりに飛翔し得た想像力の翼に舌を巻く。 柳郷長に流れた人間同士のやり取りの流れが心を温もらせてくれる。積んである「愉楽」を読むのが、ますます楽しみになってきた。 それと「信徒」~もう主席の肖像画どこ苛中に有る世界での♰が興味深かった。

Posted byブクログ

2020/02/01

閻連科(yan lianke)「黒い豚の毛、白い豚の毛」http://kawade.co.jp/np/isbn/9784309207735/ 読んだ。中国おもしろいなー。文学地図的なメジャー国以外では中国トルコ南米の作品が割と好きなんだけど、中でも中国は群を抜いてワンダー。完全に...

閻連科(yan lianke)「黒い豚の毛、白い豚の毛」http://kawade.co.jp/np/isbn/9784309207735/ 読んだ。中国おもしろいなー。文学地図的なメジャー国以外では中国トルコ南米の作品が割と好きなんだけど、中でも中国は群を抜いてワンダー。完全に創作と言い切れないから本当に凄い。斜め上どころか月面宙返り(おわり

Posted byブクログ

2019/12/29

作者はあとがきで感銘を受けた日本の短編小説作家を数人あげているが、筆頭に「芥川龍之介」をあげて、こう書く。「芥川の短篇を読んだときは、精巧な硬い手榴弾が頭上で爆発した感じだった。」 それを踏まえて改めてこの短編集を読むと「なるほど、フフン」と妙に納得したような気分になる。 特に表...

作者はあとがきで感銘を受けた日本の短編小説作家を数人あげているが、筆頭に「芥川龍之介」をあげて、こう書く。「芥川の短篇を読んだときは、精巧な硬い手榴弾が頭上で爆発した感じだった。」 それを踏まえて改めてこの短編集を読むと「なるほど、フフン」と妙に納得したような気分になる。 特に表題作は、構成美の追求であるとか、結末でのスパッと切るかのような劇的な展開(転回)の手法に、私は芥川の影響を見ている。 ほかに個人的には「兵隊シリーズ」(と私が勝手に名付けた)中国人民解放軍での兵隊生活を描いた一連の作品に興味をもった。 著者は26年間軍隊生活を送ったらしいが、つまり規律社会の縮図という面で、私も体験した運動部での厳しいルールによる独特の人間関係で固められた生活に重なる部分(いわゆる「あるある」)が多く見られたのだ。 例えばいなかから出てきた新兵と指導官とのやりとりは、私が見聞きしてきた下級生と上級生との関係と重なるし、「革命浪漫主義」では、兵隊として尊崇を集めるが女性に対して不器用な第三中隊長に対して、隊がこぞって何とかしようと様々な画策をする描写なんか(一般の読者はそこに引っかからないと思うが)私にとってはすごくおもしろく読めた。 もちろん私も軍隊の規律主義を賛美するつもりはない。 著者も当然そうであり、軍隊という閉じられた組織だけの話ではなく、軍隊を中華人民共和国に置き換えもありうる所謂メタファーとして、文学的テーマを巧妙に織り込んでいるのがわかる。 芥川の話に戻ると、彼が日本の大正と昭和の時代の新しい潮流に敏感で自分自身も作品を生み出すことに対して鋭敏だったがゆえに、あのような人生の閉じ方に至ったと思う。 閻連科も社会主義国家としての中国社会の新しい潮流の中で小説を生み出すという点では、芥川を取り巻いていた外的状況と類似するのかもしれない。 しかし私が思う閻連科は、芥川の手法を咀嚼し採り入れつつも、自分の裕福でない農村での出生や、兵隊生活によって著者オリジナルの精神面の重層化がもたらされ、彼が芥川の繊細さ鋭敏さを求める一方で、彼の精神には一種のタフネスさが居座っていると思っている。 日本の作家では見られない新たなアジアの小説家の旗手として、今後も注目していきたい。

Posted byブクログ

2019/10/02

2019.09.30 読了 タイトルが六文字のやつと道士は未読。 信徒、兵役、標題の作品がそれぞれいい。愉楽届く前に硬きこと読んでみよ

Posted byブクログ

2019/09/20

閻連科氏の長編小説をたくさん読んできているが、どれも力作で、現代中国の様々な問題点を、リアルに表現する内容にはいつも感心している。1本書は短編小説をまとめたもので、

Posted byブクログ