よかれと思ってやったのに の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
女性の男性との恋愛に関するの悩みや不満をアンケートする団体のメンバーが、あるあるな内容を取り上げ意見を述べていく構成となっている。冒頭には著者自身の自戒の言葉も添えられており、その思いに激しく同意する自分もいるというテンドンを続けながら興味深く読み進めていけた。 目下悩んでいるからか「話し合いできない男たち」の単元が自分のことを言い当てられているようで、身が引き締まる思いだった。 話し合うは双方向であることが大原則、お互いの意見を交換するところに話し合いの本質がある。切り出すのが常に女性側だったり、自分の意見を述べなかったりというのはこの原則から外れる。 「責められている」と感じる傾向がある。相手の言葉を的確に理解し、自分の内面を言語化する力が求められ、能力不足から面倒くさいと投げ出してしまうのか?他の書籍だけど、男性はどうも自分自身の内面に対する解像度が低く、身体や心に感じていることをうまく言語化する能力が女性に比べ劣っているのではという指摘がある。自分を省みても、その性質は多分にあるかなーと納得。 女性は「目前の問題に対して意見を述べ合い、そのすり合わせを図る行為」、男性は「相手の期限をなだめるための行為」として話し合いを解釈している。ここに齟齬があり、一旦険悪な関係が緩和されても、根本的な問題解決には何一つ発展していないのだから、寧ろ問題は深くなっている。これは、もう。。。はい、その通りでございますと首肯しかない。 全体的に感じたのは、男性性の社会的優位にあぐらをかいてどうも対話や感情の表現の機会や修練を怠ってきた男性像というのが一貫した問題で、そこに自分自身も含まれていることに問題があるのだなと。環境や相手への共感があれば、一旦立ち止まって行動や発言を修正するチャンスが生まれる。そう念頭に置いて日々過ごしていく気概を持つのだ。 各専門家との対談もアカデミックに男性を研究されている内容を触れることができ、非常にためになる。須長先生のホモショーシャルでの存在証明を得るためのからかいと人格テストという指摘は、今でも自分もこの手法を使用しているなと気づかされた。適度に攻撃し合いながらの、上手い返しで盛り上がってくという雰囲気は本当にいつでもある。対象となっているときは気分が悪く嫌気がさしていることが多々あるのに、する側となっているときは何か良い連帯感や優越感などを感じてしまっている。何かいびつな関係性なんだなと認識を改めさせられた。 表紙はキャッチーでライトなエッセイ本かなーと思ったけど、清田さんは主観を断定することはなく各種専門家の意見や研究内容などを参考に意見をまとめてらっしゃって、非常に好感が持てる内容だった。
Posted by
分類が難しい……。 女性が男性に思う、「何で男ってこうなの!?」の疑問に答える本。 出てくるエピソードが、あるあるのオンパレードである。 一般的に男性の方が自分の感情の言語化が苦手で、あまり内省的な考え方をしない傾向にある。 特に、ずっとマジョリティとして生きていて、自分の人...
分類が難しい……。 女性が男性に思う、「何で男ってこうなの!?」の疑問に答える本。 出てくるエピソードが、あるあるのオンパレードである。 一般的に男性の方が自分の感情の言語化が苦手で、あまり内省的な考え方をしない傾向にある。 特に、ずっとマジョリティとして生きていて、自分の人生に疑問を抱かずにきた人ほどその傾向が強いと思う。 今こそ、多くの男性が自分の感情と向き合い、人に言葉で伝えられる力を身につけてほしいと思う。
Posted by
借りたもの。 「男女あるある」を「男の目線から」丁寧に解説した良著。 読んでいて思ったのは、本のタイトル「良かれと思って」とは“相手を思いやって”という意味ではなく、“自分がそれで良いと思って”という意味だという事。 安っぽい心理学系の本でも男女のモノの捉え方に差があること――女...
借りたもの。 「男女あるある」を「男の目線から」丁寧に解説した良著。 読んでいて思ったのは、本のタイトル「良かれと思って」とは“相手を思いやって”という意味ではなく、“自分がそれで良いと思って”という意味だという事。 安っぽい心理学系の本でも男女のモノの捉え方に差があること――女性性に相当する共感、グレーゾーンを許容する傾向がない――ことは指摘されているが、それを丁寧に“言語化”することにこの本は重きを置いている。 世の男性たちに向けて代弁しているのか、その言語化によって気づかせようとしているのかは、私には判断しかねるけれども…… 19種類の事例を挙げ、こうしたコミュニケーションに難ある男性に対して共通している事は、どれも主観(等身大の自分ではなく妄想の場合もある)で、共感と想像力に欠如していることだった。客観性に乏しいと言える。 ラクしたい、快感だけを味わいたい、失敗したくない、説明したくない…… それらを回避できる世界観に依存する問題… すなわち男性だけの暗黙の了解――ホモソーシャル――の世界に留まっていることに警鐘を鳴らしている。 ゲイの話ではなく男子校的な男尊女卑、内輪ネタ的な世界のことだ。 そこは男だけの共通認識しかないため、居心地がいい。 その中にいる男たちの“女”は記号、物体でしかない。女性に人格や人権があることが消えている。 ポルノや二次元と同じ“消費するためのフィクションの女性”の感覚。 これをそのままホモソーシャルの外に持ち出しているようだった。 それを解消するのが女性をはじめとして他者に“共感すること”だが、この本では共感という言葉は使わず、図で相手と自分の領域が重なっている部分で表している。 そして19種類の男たちはその重なっている部分に踏み込んでいないことを指摘。 処方箋は「話し合い」だが、この本ではその前段階に留まる。何故なら個々人のケースバイケースだから。 男性がどういう思考回路をしているのかを文章化している点で面白かった。
Posted by
インパクトのあるタイトル。 表紙だけで既に面白い♪ 世の男性たちに感じている小さなイライラ、モヤモヤが詰まった一冊。(男性に限らず女性にもいますけどね) 小さな面倒を押し付けてくる、人の話を聞かない、謝らないなど。「こういう人いるなぁ」と一人頷きながら楽しく読みました。 女性か...
インパクトのあるタイトル。 表紙だけで既に面白い♪ 世の男性たちに感じている小さなイライラ、モヤモヤが詰まった一冊。(男性に限らず女性にもいますけどね) 小さな面倒を押し付けてくる、人の話を聞かない、謝らないなど。「こういう人いるなぁ」と一人頷きながら楽しく読みました。 女性から見た「男性あるある」の行動や発言を分かりやすく分析して下さってます。 モヤモヤが言語化、図解で可視化されていて分かりやすかったです
Posted by
男女関係なくという部分もあって、共感できることも、耳が痛いようなことも。「失敗学」入門ということで、何が失敗だったのかは分かりやすいけれど、もう一歩踏み込んだ解説や解決策もあればなぁと思うところ。この本の中に出てくるような人達に読んで欲しいけれど、読んだところで何も変わらない気も...
男女関係なくという部分もあって、共感できることも、耳が痛いようなことも。「失敗学」入門ということで、何が失敗だったのかは分かりやすいけれど、もう一歩踏み込んだ解説や解決策もあればなぁと思うところ。この本の中に出てくるような人達に読んで欲しいけれど、読んだところで何も変わらない気もした。
Posted by
女性が疑問に思う(苛立ちや不満)男性の代表的リアクションを集めた本。男女の認識の齟齬を解消することを目的としている。ジェンダー観のアップデートという側面もあり、内省するのにも役に立つ。 男たちの「失敗学」とは、男性の具体的な行動、行為、態度、発言が女性から見て疑問や問題に感じ...
女性が疑問に思う(苛立ちや不満)男性の代表的リアクションを集めた本。男女の認識の齟齬を解消することを目的としている。ジェンダー観のアップデートという側面もあり、内省するのにも役に立つ。 男たちの「失敗学」とは、男性の具体的な行動、行為、態度、発言が女性から見て疑問や問題に感じるものを指す。例えば、女性が男性に対して「話を聞いていない」と感じる事例である。これが問題となるのは、男性側としては相手の話に耳を傾け、会話ができていると思っていても、女性側から見れば、不要なアドバイスを送られたり、励ましてほしいだけなのになぜか説教の話になったりという出来事である。これらの原因は、男女の「話を聞く」の認識の違いにあり、女性が思う「話を聞いている」とは、「ちゃんと相手に話が届いた」という感覚であり、「相手と同じ景色が見えている」と感じるときにあり、男性はそうでないことが多いためと本書は分析している。上記の出来事を解消するためにそういった見方のズレを炙り出した上で、解決策を論理的に提示している。 全員が当てはまるわけではないにしろ数多くの男性の不満に関する「あるある」が寄せられるのは、それだけ誰の身でも起こり得る出来事なのだと理解できる。だからこそ、より心地よく誠実なコミュニケーションを考える必要がある。「よかれと思ってやったのに」なんてならないように身を引き締めていきたい。
Posted by
ファンタジー消費 現実の生活に則し、実際に生じた必要性ゆえに購入するのではなく、まるでロールプレイングゲームにおける装備やアイテムのように、それを身につけるとあたかも自分がすごくなれるかのような「気分」に対してお金を払っている。これがファンタジー消費の正体。
Posted by
"昭和のおじさん"たちに投げつけたくなった!!笑 (※本は大切に扱いましょう。) そもそも男女とかって、区別つけるのはあんまり好きじゃありませんが、わかるなぁって思うことたくさんあった。 そして、ああ、なるほどな、そういう感覚だったのかって理解して、こちら...
"昭和のおじさん"たちに投げつけたくなった!!笑 (※本は大切に扱いましょう。) そもそも男女とかって、区別つけるのはあんまり好きじゃありませんが、わかるなぁって思うことたくさんあった。 そして、ああ、なるほどな、そういう感覚だったのかって理解して、こちら側もどう接すればいいか考えるきっかけになる本だった。 でも、というか、なんか女性であるわたしのほうが、耳が痛い話もあって、少し反省しました笑 相互理解。相手を理解するって、本当に大切。 個人的には、女性の身体的なことをもっとたくさんの知らないひとたち(男性)に知ってほしいなと思う。切実に。
Posted by
桃山商事の清田氏の最新著書が面白くて前作である本書を手にした。ジェンダー問題を男性が自らの反省も込めて論じているのに好感持てる。男性に向けた本らしいが、女性としてはこーゆー男性多い!とページをめくるたびに激しく共感。私としてはいつも感じてる会社の中のモヤモヤが、本書で解説されてる...
桃山商事の清田氏の最新著書が面白くて前作である本書を手にした。ジェンダー問題を男性が自らの反省も込めて論じているのに好感持てる。男性に向けた本らしいが、女性としてはこーゆー男性多い!とページをめくるたびに激しく共感。私としてはいつも感じてる会社の中のモヤモヤが、本書で解説されてる"ホモソーシャル(女性蔑視をベースにした男同士の連帯)"だと知れたことがすっきりポイントでした。ぜひ今を生きる男性に読んで欲しい。
Posted by
冒頭で「そうじゃない」旨も書かれていたけど、男ってこう、女ってこうってめちゃくちゃ言うじゃん…と言う気持ちと戦いながら読んでいた感じがした。 男性の失敗に失敗する側として共感する部分も多かった。 清田さんとそれぞれの専門家の方の対談はどれも面白かった。
Posted by