1,800円以上の注文で送料無料

今昔百鬼拾遺 天狗 の商品レビュー

3.7

82件のお客様レビュー

  1. 5つ

    20

  2. 4つ

    18

  3. 3つ

    26

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2020/11/14

2019(令和元)年発行新潮社の新潮文庫。途中までなかなか話が進んでいないな、と思っていたのですが、最後に来て一気に解決編へ。日数でいけば数日しかたっていないはず。読みやすくすっと入っていく。くどいといえばくどいんだろうが、さほどしつこくは感じなかったかな。

Posted byブクログ

2020/11/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

敦子、美由紀に加えて、美弥子も一緒になったチームは心強い。人間消失の問題で三作の中で一番ミステリっぽかった。ジェンダーの問題は森博嗣さんの『数奇にして模型』のオカマキャラ大御坊を思い出した。なんだろうこの人って奇異の目で見ていたけれどそれって本書にもあるように偏見なのだろうと今更ながらに思う。美由紀や美弥子が出てきた『絡新婦の理』『百器徒然袋―雨』はすっかり忘れているので、それらも含めてもう一度「百鬼夜行シリーズ」を最初から読み直したい。

Posted byブクログ

2020/10/21

3部作で最後に読んだがこの作品が一番読み易かった。 小難しい題材の説明が長々しくなかったのも要因か。 兎に角時間経過が遅い(笑)。 ずっと会話が続くからかもしれないが文章自体が非常に洗練されているから全く読んでて飽きない。 結末も予想し易いがそんなことなんてどうでも良い位文章に惹...

3部作で最後に読んだがこの作品が一番読み易かった。 小難しい題材の説明が長々しくなかったのも要因か。 兎に角時間経過が遅い(笑)。 ずっと会話が続くからかもしれないが文章自体が非常に洗練されているから全く読んでて飽きない。 結末も予想し易いがそんなことなんてどうでも良い位文章に惹きこまれる。 気軽に読める京極作品。

Posted byブクログ

2020/10/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

今回女性陣達の登場で探偵は出て来ない このシリーズ三作とも読んだがどれも呉美由紀の長台詞で幕を閉める 最後に警察が踏み込んでくるあたりご都合主義だが頁の都合だろうか 篠村美弥子の存在はすっかり忘れてて榎木津探偵関連だそうだが借りた本なのでもう読めない すぐ読み終われる京極本もたまにはいいね

Posted byブクログ

2020/08/14

ミステリの要素が強くかなり面白かったです。もうちょっと読みやすければ★四つでした。姑獲鳥の夏を読んだ時の、とっつきにくいがそれを超えた先にある真相解明体験の悦び、を思い出しました。本シリーズは短めなので読みやすいですね。

Posted byブクログ

2020/08/09

お兄さん譲りの理性的な感じがたっぷりでした。 この時代だからこそのミステリーでした。 どの時代でも前時代的な人がいるものですね。

Posted byブクログ

2020/07/07

京極夏彦先生は意外にも読むのは初だった。きっかけは、やはり最近のマイブーム、水木しげる先生の影響。 水木先生と親しくしていた方の一人。妖怪、怪奇モノと言えばこの方。 調べるとこちらは妖怪探偵シリーズ。記者の敦子と女学生の美由紀が何らかの妖怪の伝説にまつわる怪事件を...

京極夏彦先生は意外にも読むのは初だった。きっかけは、やはり最近のマイブーム、水木しげる先生の影響。 水木先生と親しくしていた方の一人。妖怪、怪奇モノと言えばこの方。 調べるとこちらは妖怪探偵シリーズ。記者の敦子と女学生の美由紀が何らかの妖怪の伝説にまつわる怪事件を解決していく推理モノ。 今回は高尾山が舞台となっていて、作中で天狗の伝説が語られる。 女性同士で愛し合う二人。そこから生まれてしまう悲劇が悲しかった…。 水木先生の漫画のように、様々な妖怪が出てくるのだろうか?小説でどうやって妖怪を表現するんだろう? と先入観なく読み始めたら、イメージと違い、どうやらファンタジー要素はないようだった。 ちょっと古い言葉使いや難しい言い回しに最初抵抗があったけど、途中から慣れてくる。 しかし、こちらはシリーズの最新と言うことを知った。。順番間違えたなぁ。 鬼と河童も読んでみよう。

Posted byブクログ

2020/06/18

久々の百鬼夜行シリーズ。 今昔百鬼拾遺 鬼、河童、天狗の3作が、 3ヵ月連続でそれぞれ異なる出版社で発売されました。 いずれも中禅寺敦子と「絡新婦の理」に登場する呉美由紀がペアで解決する物語となってます。 1作1話の長編ですが、百鬼夜行本体と比べると短く、内容もポップ? な...

久々の百鬼夜行シリーズ。 今昔百鬼拾遺 鬼、河童、天狗の3作が、 3ヵ月連続でそれぞれ異なる出版社で発売されました。 いずれも中禅寺敦子と「絡新婦の理」に登場する呉美由紀がペアで解決する物語となってます。 1作1話の長編ですが、百鬼夜行本体と比べると短く、内容もポップ? なので、気軽に読めます。 一応、鬼・河童・天狗の順で読んだ方がいいでしょう。

Posted byブクログ

2020/06/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

まあ、ーーなのだが。 いや、ーーーなのだけど。 というような独白がちと多すぎて気になる。 読み進むのに時間がかかってしまった。 青木くんたちおなじみメンバーが出るのが嬉しい。最後の数ページのおじいさんは私があの場にいたら足払いしてた。

Posted byブクログ

2020/05/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

今昔百鬼拾遺の三部作の第三部である。このシリーズは京極堂の妹、中善寺敦子と呉美由紀が主役だ。前作の『河童』は、京極作品らしい河童への蘊蓄が多く語られていたが、『天狗』ではいわゆる妖怪変化としての天狗そのものへの言及は少ない。 むしろ、武家社会に根差す男尊女卑社会への女性の側からの反論やLGBTに関する議論までの言及が語られる。時折、天狗も顔を出すが、特に型破りなお嬢様の篠村美弥子と青春真っ盛りな呉美由紀の議論は、その論が戦わされた場所の異色さも相俟って、暑苦しいほどである。敦子も含め、少しばかり理屈っぽい彼女らの語りが、事件解決への伏線ともなっている。 昭和、戦後まもなくという時代背景。これもまた、物語のバックグラウンドとして重要なのではないだろうか。平成、令和の世では、事件捜査も科学的な手法になっていて、本作の世界観で事件を解決に導くことはできまい。そもそも現代では、この犯罪を起こすことも事実上不可能であるように思える。 だが、本作品で扱われるテーマ――武家、男尊女卑、家父長制、「家」、LGBTは、時代とともにその濃淡は変化しているであろうが、決して消滅してはいない。その意味で、本作は、妖怪ミステリーのつもりで読み始めたものが、実は社会派ミステリーであった、というような印象がある。 戦後まもない時代に、うら若き女性がこのようなテーマで議論するのは、大変だったに違いない。現代と比べれば、「多様性」などというものは社会的地位などほとんど与えられていなかった時代だ。いわゆる「アブノーマル」に分類されてしまい、あるものは社会的落伍者の烙印を捺され、あるものは狂人扱いをされ、いずれにせよまともな「人」としては扱ってもらえぬ時代だったであろう。したがって、戦後という時代背景の中でこのテーマに挑んだ作者を喝采したい。 おそらく『河童』を評価する者は本作の評価を下げるように思えるし、逆もまた然りである。それは京極作品に「何を」期待するのかによって変化するのだろう。そして、私は本作品がとても好きである。

Posted byブクログ