ふるさとって呼んでもいいですか の商品レビュー
たくさんの人に届くように、ルビつきの平易な文で書かれたエッセイ。 著者は6歳で日本にきたイラン人。 自分の経験を通して日本で「外国人」が置かれている状況をわかりやすく伝えている。 本自体は明るく優しく礼儀正しく日本人にも伝わるように書かれている。 それが辛い。良い子すぎて、過剰...
たくさんの人に届くように、ルビつきの平易な文で書かれたエッセイ。 著者は6歳で日本にきたイラン人。 自分の経験を通して日本で「外国人」が置かれている状況をわかりやすく伝えている。 本自体は明るく優しく礼儀正しく日本人にも伝わるように書かれている。 それが辛い。良い子すぎて、過剰適応しなければ生きられない環境が透けて見える。 常に感謝を口にして努力を重ね日本への好意と忠誠を誓い、害はないです役に立ちますと言い続けてる。 最後に少し人権は誰にでもあるというところにたどりつくけどそれでもまだ足りない。 過渡期のマイノリティがやりがちなことではあるけれど、これを読んだ子供がここまで良い子でいなきゃいけないんだとか、こうできない人はひどい扱いを受けても仕方ないと思ってしまわないように願う。 1991に来日した子供が、中里恒子 「まりあんぬ物語」の二つの大戦の間に生きた人と同じ苦悩を抱えているのが悲しい。 日本の人種マジョリティとして、こんなふうに思わせていることを恥ずかしく思う。
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2022年4冊目。 読みやすくておもしろくて勉強になって、2022年序盤ですが、早くも今年No.1の作品に出会えた心地です。 移民や難民の受け入れ、そしてその後の生活について、諸々困難があることは理解していたつもりでしたが、ほんのごく一部しか見えていなかったんだと思いました。 ...
2022年4冊目。 読みやすくておもしろくて勉強になって、2022年序盤ですが、早くも今年No.1の作品に出会えた心地です。 移民や難民の受け入れ、そしてその後の生活について、諸々困難があることは理解していたつもりでしたが、ほんのごく一部しか見えていなかったんだと思いました。 イランからの移民である筆者が、幼い頃感じたことや出会った事象を丁寧に描いていて、すごく説得力があります。 日本社会が抱える問題も、逆にその良さも、浮き彫りになります。また、ひとりの少女が様々な葛藤を経て成長していく、力強さに励まされます。 日本をふるさとと呼んでくれて、ありがとうと言いたいです。 この本に出会えたおかげで、わたしの中で、内なる国際化が進みました。 誰もが安心して暮らせる社会にするためには、法律や制度の改変や整備はもちろん、わたしたち自身の意識をアップグレードしていくことが必須ですね。
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私には 西アフリカのブルキナファソという国産まれの 無二の親友がいる 彼のおかげで マリ、セネガル、コートジボワール ウガンダetc の 知り合いがずいぶんできました そして 彼らは 日本に暮らし 日本で家族ができている 彼らの子供たちは 日本で生まれ 日本で育っている ので...
私には 西アフリカのブルキナファソという国産まれの 無二の親友がいる 彼のおかげで マリ、セネガル、コートジボワール ウガンダetc の 知り合いがずいぶんできました そして 彼らは 日本に暮らし 日本で家族ができている 彼らの子供たちは 日本で生まれ 日本で育っている ので日本人の行動様式には 精通している ただ 子供たちは その見た目が 東洋人ではないので それはそれは さまざまな体験を している プラスのことを耳にすることは 少なく (この日本という国では) マイナスのことはよく入っていくる そんなときに つくづく 日本は 「国際化」とは ほど遠いところにあるなぁ と 思い知らされる そういう状況を抱える この国(日本)で この一冊が出版される ことは 大きな意味がある 作家の星野智幸さんが 帯にかいていらっしゃるけれど 「私たちの社会は今、 こんな豊かさを手にしているのです!」 という 言葉が 読んだ後に しんみり 伝わってくる
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★館長の本棚★ 秋山図書館長推薦図書 【所在・貸出状況を見る】 https://sistlb.sist.ac.jp/opac/volume/242509
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著者が出演していたラジオ番組を聞いたのがきっかけで読んでみた。 ルールが違う人との共存は難しいけど、人に優しくなれる本です。
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6歳のとき家族でイランから日本に移り住んだナディ。 在留資格がないため、ふとしたときに強制送還におびえる暮らし。 生まれ育ったイランと日本の文化や宗教、考え方の違いに驚く毎日。 日本人なのか外国人なのかイラン人なのかアイデンティティに揺れる。 ニュースの向こうのメディアが作った移民の姿ではなく、隣に住む友人としての姿を。 ※少しだけ気になったのは、自然科学的な進化の記述。 「ヒトの祖先はサル」ではなく、「ヒトとサルの祖先は同じ」 記述部分のテーマとは違いますが。
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ふるさとって呼んでもいいですか ~6歳で「移民」になった私の物語 ナディ著 2019年6月14日発行 大月書店 イラン人少女の著者は、1991年に来日した。本人6歳、両親と、5歳と1歳の弟のあわせて5人。理由は親の出稼ぎで、周囲の反対を押し切って父親だけでなく、一家でやってきた。 事前に、日本はバブル経済で人手不足と彼らは聞き、日本での雇い先の社長には日本語が話せる男性1人でビザもある、と伝わっていた。しかし、来日するとバブルははじけ、仕事がないことを知る。雇い主となるはずだった社長も日本語が話せずビザもない彼らを追い返したが、毎日頼みに来る熱意に押されて父親と母親を雇うことにする。 ナディは家に残され、不法滞在がバレないように注意しながら、毎日、弟たちの面倒をみつつ時間を過ごす。イランではテレビでおしんや水戸黄門、みなしごハッチの吹き替え版を見て、日本ではハチまでペルシャ語を話すんだと思い、日本行きをとても楽しみにしていたのだが、言葉もまったく分からず、生活習慣もなにもかも違う。周囲の子供たちからは差別され、いじめられるが、それでも段々と仲良くなって友達もできていく。 狭いアパートに、やがてテレビが来る。それで日本語を覚え、半年ほどで日常会話が出来るようになる。10歳で小学校へ。不法滞在でも学校へ行ける。難敵は漢字。辞書を引き、友達に教えてもらいながら、なんとか“解読“していく。算数の九九は何かの呪文に聞こえた。それでも、一生懸命努力し、日本に馴染もうと頑張って、徐々に成績も上位になり、高校受験に成功し、大学へも行けた。 両親はずっと時給700円のまま、ボーナス期は5000円の上乗せ。大卒のナディはエンジニアとして日本の老舗企業に就職して、両親を喜ばせ、結婚して2児の母となっている。 イラン時代、最初は裕福だったが、そのうちに借金を抱えるようになり、日本へ。その日本でも苦労の連続。健康保険がないので、足を捻挫しても初診ぐらいしか医者にかかれない。3度繰り返し、あまりにひどいので医者に行くと骨折していることがわかる。あるいは、膝の靱帯断裂が判明した時も。それでも医療費が高いから連続でかかれない。 しかし、苦労しながらも滞在11年で在留特別許可を得た。これで健康保険にも入れる。アルバイトも就職も、正々堂々とできる。彼女は日本に感謝し、日本が大好きになり、恩返しもしたいと思っている。イランに里帰りした時、周囲にイラン人ばかりがいるのを一瞬不思議に感じるほど、すでにアイデンティティが日本人的になっていたことに気づく。自らをイラン系日本人と称し始める。でも、移民に対してもっとこうしたらいいのにという考えももっている。そのあたりも最後に率直に語っている。 少女の感性や物事への対処など、とても素直で真面目で交換がもてる。ナディに会って話がしたいと思える、とてもいい本だった。 (以下、メモ) ・ナディの父親は日本での職探しに、まず代々木公園へ。当時は代々木公園と上野公園は「日本のテヘラン」と呼ばれるほどイラン人が集まっていた。しかし、そこで待っていた職とは、麻薬や偽造テレカの取引だった。彼はやはり予定の工場で雇ってもらうことにした。 ・ナディは幼いながら、アパートで人に会ったらとりあえず、ニコっと笑って、ぺこりとお辞儀することを繰り返した。この「ニコッ」「ペコリ」で、最初はなんとか乗り切っていけた。 ・縁に模様があってとても綺麗な食器が路上に捨ててあったので、拾ってきたら、出前の器だと教えられて慌てて返しに ・イランでは自転車を人から見えないように家の中に隠すが、日本では外に置くので捨ててあると思って乗って帰ってしまった ・年末、家族でアメ横に。人混みで迷子になって泣き出すと、ナディと呼ぶ声。イランにいるおじさん(父の兄)ともう一人知らない人だった。こっちだと言われてついていくと、両親がいた。おじさんが連れてきてくれたと言うと、おじさんはすでに人混みに紛れていなかった。数日後、イランに電話をするとその2人が事故で死んでいることが判明した。死んだ人が助けてくれたというような記述は一切ないが(イスラム教徒なのでそういう考えはないのかも)、日本でよく言われるような不思議な現象があるものだと思わされる ・漢和辞典と国語辞典を引きながら、学校からのプリントや両親の確定申告所などを解読 ・体育の時間、ブルマの替わりにジャージー、スクール水着の替わりにサーファー用の水着を着用。日本人の同級生から「カッケー」。
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日本に幼い頃から住んでいるナディさん。 出稼ぎにやってくる外国人の実態や、外国人だからと差別を受ける現状、自分は日本人とイラン人どちらなのかのアイデンティティに悩む気持ち、やさしい言葉からナディさんの繊細な思いがストレートに伝わってくる本でした。 自分は日本人だからと、移民の問...
日本に幼い頃から住んでいるナディさん。 出稼ぎにやってくる外国人の実態や、外国人だからと差別を受ける現状、自分は日本人とイラン人どちらなのかのアイデンティティに悩む気持ち、やさしい言葉からナディさんの繊細な思いがストレートに伝わってくる本でした。 自分は日本人だからと、移民の問題にはほとんど関心を持ったことがなかったので、とても恥ずかしくなりました。 外国人労働者を安い賃金で雇いながら、用が済んだらさっさと追い出す日本の姿勢は残酷に思いました。 メッセージがある本ですけど、幼少期にイランからやってきたナディさんの話はとても興味深く、ナディさんが出会う人は良い意味でも悪い意味でも人間味を持った人ばかりで、お話としても面白い本だったと思います。 国際化という言葉は使いながらも、生活の中に外国人を受け入れる姿勢はなかなかできていないのが現状です。 これが当たり前、これが普通、という固定観念を取り除いていくことって難しいですが、この本はやんわりと固い考えをを諭してくれるような内容です。
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session22の特集で知ってから ずっと気になっていた本。 やっと読めました。 筆者のナディさんと同年代なので、 当時の学校教育の空気感もよく分かります。 「内なる国際化」という概念がとてもしっくりきました。
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ナディさんがイランから来日してからの日々が綴られていた。とても読みやすかった。 日本の生活に慣れるのに必死だったことがよくわかった。読んでみてナディさんは比較的精神的にも強く、周りの環境に恵まれてるほうではないかと思った。 強制送還されてしまう人、長期収容者、不就学や不就労に陥っ...
ナディさんがイランから来日してからの日々が綴られていた。とても読みやすかった。 日本の生活に慣れるのに必死だったことがよくわかった。読んでみてナディさんは比較的精神的にも強く、周りの環境に恵まれてるほうではないかと思った。 強制送還されてしまう人、長期収容者、不就学や不就労に陥ってしまう人が沢山いる。 ナディさんのこの本から、多くのことを学べた。 外国にルーツを持つ人たちが、暮らしやすい環境になるように努めたい。
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