旅するパリより住みたいパリ の商品レビュー
「住む」というところに力点をおいて書かれているために、普通の旅行ガイドと趣が異なると感じた。パリで語学学校に入って言葉の通じない国の人と交流を持つという体験は、普通にしていたらなかなかできることではないだろうし、実際やってみると面白いかもね(若いころなら特に)。コンクールに出場す...
「住む」というところに力点をおいて書かれているために、普通の旅行ガイドと趣が異なると感じた。パリで語学学校に入って言葉の通じない国の人と交流を持つという体験は、普通にしていたらなかなかできることではないだろうし、実際やってみると面白いかもね(若いころなら特に)。コンクールに出場するコンテスタントの話で、決勝まで残りたい人は全部で10曲以上用意しておく必要があり、しかも途中までしか進めなかったら、残りの準備が無駄になるという話は、『蜜蜂と遠雷』で読んだばかり。最後まで残る自信がない人は少ない曲数しか準備しないというのはさもありなん。準備していたのに残れなかった人と準備していなかったのに残ってしまった人みたいなところでドラマはありそうだ。コンクールの協奏曲のバックで弾くオケプレイヤーンボ気持ち。この視点も『蜜蜂と遠雷』にはなかったもので、複雑な心境かもしれない。ルーブル美術館にて、フラッシュ撮影禁止の場所(モナ・リザ)で、フラッシュが焚かれるとしばらく絵の照明が消える仕掛けはナイスではないかと思う。でも、周りの目を気にしない厚顔無恥な人には効かないかもなぁ。
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