普通の人々 の商品レビュー
文章にするよりも詩にする方が自分の思考の広がりにあってる。孤独について、人はそれは前提でしょう。という答えが好き。
Posted by
小説は物語を描くけど、詩は場面のみを描く~といった話を、谷川俊太郎さんがあとがきで語っている。 本作も、情景描写がたくさん出てきて、シーンのその後を想像するのも、面白い。 ○○は××にしかずと俊彦は考えている・・・、とか、 早く□□したいと安田は言っている・・・、とか...
小説は物語を描くけど、詩は場面のみを描く~といった話を、谷川俊太郎さんがあとがきで語っている。 本作も、情景描写がたくさん出てきて、シーンのその後を想像するのも、面白い。 ○○は××にしかずと俊彦は考えている・・・、とか、 早く□□したいと安田は言っている・・・、とか。 谷川さんは、一人カフェで座って人間観察をしてモーソーするんだそうだ。 曰く、勝手に名前をつけ、その人たちの生活の断片を想像してみたりする、と書かれている。 この遊び、若い頃はよくしたなあと、ここを読んで思い出した。 放課後、駅前に行って友達と街ゆく人をお題に勝手に想像大喜利のようなものをするのだ。 あの頃は、いかに笑えるか、だけが基準で、拙い遊びだったけれど、大人になった今は、ちょっとは生活の部分も語れそうではある。 それは、読書や人生経験を通して多少想像できることも増えていったのだと思う。 普通の人々に溶け込んだってことなのかなあ。 谷川俊太郎さんのご逝去につきまして、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
Posted by
ピープル・ウォッチング。通り過ぎていくのは私の知らない人たちだが、その一人一人に同じ人間、もしくは生きものとしての親近感を感じて、私は勝手に名前をつけ、その人たちの生活の断片を想像してみたりする。 自分は詩を読むのは下手だと思っているのですが、短い言葉で大きな時間・空間をイメー...
ピープル・ウォッチング。通り過ぎていくのは私の知らない人たちだが、その一人一人に同じ人間、もしくは生きものとしての親近感を感じて、私は勝手に名前をつけ、その人たちの生活の断片を想像してみたりする。 自分は詩を読むのは下手だと思っているのですが、短い言葉で大きな時間・空間をイメージさせていると思いました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
普通の人々 普通 の人々はそうでない人々に ひけめを感じさせないように 心を砕いている問 それが偽善であることに 薄々気づいている 亜歴須は 竹とんぼを作る テラスでチャイを飲む 弟に関メールする たまに泣く 結論 今朝の朝陽を見て昨日の朝陽を思い出すのは 記憶の浪費だ とぽつんと言った奴がいて 会話が途切れた 生きることのほとんどは 繰り返しで成り立っている 蒙昧 毎日以下同文みたいにして生きているので見 せんこう 何かが閃光のようにひらめくのを夢見る と朝のうちに書いたページ 妻がこれ消去していい? と訊く夕暮れ時 隣家のテレビの音声が聞こえる時 明日が楽しみだった頃の蒙味を みんな引きずっているのではないか よく見れば この世もあの世並みに謎めいている と喋っているのは日本に帰化したキム 後期高齢者たちの寿命のグラフ 墨絵の虎が時雨に惨んで 紐はとっくにほどけている あとがき 店の外にテープ ルを出しているカフェなどがあると、座っていわゆるピープル·ウオッチングをしたくなる。どちらかというと私は、 友達と喋るより一人でぼんやりしているほうが好きなのだ。 通り過ぎていくのは私の知らない人たちだが、その一人一人に同じ人間、 もしくは生きものとしての親近感を感じて、 私は勝手に名前をつけ、 その人たちの生活の断片を想像してみたりする。詩も小説と同じく基本的には虚構だと私は考えているが、小 説が物語を語るのに対して、詩は(私の場合)場面しか描かない。場面の前後に存在するであろう物語は、読者の想像力に任せたいと思っている。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
あとがきにあるように、 カフェのテラス席で、人物観察しながら 記したのだろうか。 「人々」とタイトルにあるように、どの詩にも、人名がはいる。ちょっと不思議な散文詩。 「空耳」という詩の末尾に、こうあった。 どんな詩にも一人称がひそんでいる そうだろう。というか、詩って詩人個人の呟きだから、一人称の「私」が語っているものと思って読んでいる。すると、亀井だ、安田だ、渡辺だと人名が出てきて、「おやっ?」と立ち止まってしまう。 不思議な詩だ。 こころにひっかかる、面白い一篇、あるいは一節も、いくつか拾えた。 詩って、その”寸鉄”な表現を、今後の暮しの、どこかワンシーンで引用出来た時に、初めて自分のものになるんだろうなぁ。
Posted by
20190701 さすが、大家、意味を追ってもしょうがないがついつい考えてしまう。答えは感覚の中にしかないのだと思うしそもそも意味があるのだろうか。読んで気分が軽くなれば良いのだと思う。理由は求めてもしょうがない。
Posted by
なぜこんなに書けるのか。 わたしなんかよりよっぽど現代的なんだろ。 行き交う人々を ばさばさと、イマジネーションで付箋して ペタペタしまくってるようなのに なんてシンプルでおしゃれなのー
Posted by
- 1