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続 昭和の怪物 七つの謎 の商品レビュー

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14件のお客様レビュー

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2019/06/14

戦後の話が多めで、個人的には正編より飲み込みやすいように感じたな。それにしても、文章も内容もめちゃくちゃ堅い保坂先生の著作がこれほど売れるとは、ちょっと信じられない。新聞にでっかく広告が出たからか……?

Posted byブクログ

2019/06/09

著者は「昭和史研究」をライフワークとし、これまで元軍人・政財官界約4千人に取材。そこから引き出した「生身の証言」に加え、関連書籍を渉猟し、これまで多くの類書を著す。 本書は昨夏に上梓された「昭和の怪物 七つの謎」の第二弾。先の大戦に直接・間接的に関わった七人ー三島由紀夫・近衛文...

著者は「昭和史研究」をライフワークとし、これまで元軍人・政財官界約4千人に取材。そこから引き出した「生身の証言」に加え、関連書籍を渉猟し、これまで多くの類書を著す。 本書は昨夏に上梓された「昭和の怪物 七つの謎」の第二弾。先の大戦に直接・間接的に関わった七人ー三島由紀夫・近衛文麿・橘孝三郎・野村吉三郎・田中角栄・伊藤昌哉ーの体験が各自のその後の人生にどう影響を及ぼしたのかを基軸に編まれた人物評伝。 ◉高木彬光の「白昼の死角」で一躍知られた 「光クラブ事件」。その首謀者 山崎と三島由紀夫の交錯。 ◉米国に国交断交の通告なしの騙し討ちとなった「真珠湾攻撃」の張本人とされた野村吉三郎の不運さ。 ◉命を賭して太平洋戦争の終結に注力し、新憲法制定に向け意欲的に取り組もうとしていた近衛文麿は決して“腰抜け”ではなかった。 ◉五・一五事件の実行犯の減刑を嘆願したのは多くの農民。その理由と背景に見え隠れする橘孝三郎と彼が主宰した愛郷塾とは? ◉昭和天皇の口をあんぐりさせてしまったエピソードを持つ田中角栄は戦争体験者から評価が高かった。その、訳とは? ◉大平正芳の懐刀であった伊藤昌哉が忌み嫌った田中角栄の籠絡させる術と、その術中にはまった鈴木善幸の愚鈍さ。 ◉コワモテでタカ派でありながら「超護憲」であった後藤田正晴の平和思想の源泉は「歴史の中に解答はある」だった。 七人の話の中では、近衛文麿の章が一番興味深く刮目して読んだ。歴史上には毀誉褒貶相半ば人物が何人かいる。蘇我馬子・平清盛・織田信長・田沼意次・徳川慶喜・山縣有朋・乃木希典…。僕の中では、そこに近衛文麿も含まれている。それだけに、本書のエピソードは意外であり大きな発見であった。 著者は小説家ではない。思い入れや理想や判官贔屓を極力排除し、歴史の中に埋もれている多数の事実を丹念かつ執拗に拾い集めた上に浮かび上がる真実を我々に提示する。その一貫した姿勢が深い説得力をもたらす。

Posted byブクログ

2019/05/19

田中角栄は庶民の視線で非戦を通し、後藤田正晴は戦争を経験した身として護憲を貫いたという。戦争を知る世代だからこその重み。

Posted byブクログ

2019/05/07

 昭和史において、政界から在野の人物7名へのインタビュー等を通じて述べた本書。  いくつも初見があって面白い。  特に気になったのは2点。  一つは橘孝三郎。この人物についてはまるっと初見である。農本主義者で理想主義者。なおかつ自ら汗を流す実践家でもある。その人物が何故「五・...

 昭和史において、政界から在野の人物7名へのインタビュー等を通じて述べた本書。  いくつも初見があって面白い。  特に気になったのは2点。  一つは橘孝三郎。この人物についてはまるっと初見である。農本主義者で理想主義者。なおかつ自ら汗を流す実践家でもある。その人物が何故「五・一五事件」に関与したのか?そこに当時における社会の病巣が関係している。大雑把に言ってしまえば、「都市優先・農村軽視」と「富の偏在・格差社会」。  前者においては、農村の荒廃。今とは比較にならない程、農業者が大半を占める社会において彼らを軽視すればどうなるか。怨嗟の声は天下に満ち、それが動乱への伏流水となっていく。  後者においては貧民窟の存在。当時の日本自体の貧しさを考えればやむを得ない面もあるが、それにしても指導者層(政界・財界)はあまりにも貧困や格差に対して軽視し過ぎであった。自ら恨みを振りまいている感さえある。  それらの問題に対して理想主義を持って対峙しようとした人物。そしてその理想が崩壊していくのと軌を一にするように、日本もまた崩壊していく。  二つ目は、野村吉三郎。駐米大使であり、米国に最後通牒を行った人物なのは知っていた。だが、実は外務省出身ではなく、海軍出身だったのは初見であり、かつ驚く。当時セクショナリズム激しい中、外務省と軍部が連携取れるはずはない。蛸壺化した連携不足で戦争に勝てるわけもなく、しかも始まりにおいてもそうであったとは…。ある意味、首尾一貫していると言えよう。

Posted byブクログ