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よるのばけもの の商品レビュー

3.8

230件のお客様レビュー

  1. 5つ

    51

  2. 4つ

    92

  3. 3つ

    65

  4. 2つ

    11

  5. 1つ

    2

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2025/11/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2025.8読了 「いじめ」が題材となっている作品で、中学生の狭いコミュニティの特有の空気感、学生の残酷さが色濃く描かれていると感じた。 ばけものの状態で会う時と昼間学校で会う時とで態度を変えざるを得ない感覚、ばけものには物理的になれないものの、学生時代誰もがこの微妙な空気感を感じながら過ごしたことがあるであろうことから、我々の心の中にもばけものは潜んでいると感じさせられた。 最後主人公は声を掛けるものの、その後何が待っているのかは想像できるし、安易にロマンス方向に行かなかった点もまたリアリティがあると感じた。

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2025/11/24

中学生の時って多かれ少なかれこんな感じの雰囲気がクラスにあったよなって思いながら読みました。 思春期の複雑な心境とか人間関係とか常に付き纏う不安とかぎゅっと詰まっていて、綺麗に白黒つかない事だらけだけど自分の中で折り合いを付けたり納得いく落とし所を見つけたりあの頃はもっと人に対し...

中学生の時って多かれ少なかれこんな感じの雰囲気がクラスにあったよなって思いながら読みました。 思春期の複雑な心境とか人間関係とか常に付き纏う不安とかぎゅっと詰まっていて、綺麗に白黒つかない事だらけだけど自分の中で折り合いを付けたり納得いく落とし所を見つけたりあの頃はもっと人に対して誠実だったなとか色々考えちゃいました。

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2025/11/23

化け物のアッチーと矢野さんの夜の冒険と、集団内の立ち位置での昼の二人の隙間。変わらない矢野と、どちらが本当の自分なのか悩むアッチー。最後に心の叫びから、答えを見つける。たとえ集団内の安寧を捨てることになっても。 笠井の正体、縁川の本質、能登の確信など謎が残ったが、読みやすく楽しか...

化け物のアッチーと矢野さんの夜の冒険と、集団内の立ち位置での昼の二人の隙間。変わらない矢野と、どちらが本当の自分なのか悩むアッチー。最後に心の叫びから、答えを見つける。たとえ集団内の安寧を捨てることになっても。 笠井の正体、縁川の本質、能登の確信など謎が残ったが、読みやすく楽しかった。

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2025/11/22

うーん。住野よるやっぱり苦手である。 とりわけ、何が地雷かっていうと「冴えない主人公 × 容姿の良い不思議な少女 × 僕だけが知っている顔」という構図である。これに強い拒否感がある。 その時点で少女がひとりの人格としてではなく、 主人公の自己肯定のための装置として扱われているよ...

うーん。住野よるやっぱり苦手である。 とりわけ、何が地雷かっていうと「冴えない主人公 × 容姿の良い不思議な少女 × 僕だけが知っている顔」という構図である。これに強い拒否感がある。 その時点で少女がひとりの人格としてではなく、 主人公の自己肯定のための装置として扱われているように見えてしまう。キャラクターを人間ではなく役割として配置する作劇が気になって仕方なかった。 作品全体を通して、残酷さや苦しみを優しい言葉でコーティングして感動的な結末に導こうとする姿勢が透けて見える。しかし本質的な救いは提示されず、登場人物たちも読者もどこにも着地できない。 救いは、物語側から押し付けられるものではない。 登場人物や読者が自分で見つけて初めて価値が生まれる。そう思うからこそ、この作品のまとめ方はどうしても受け入れられなかった。 痛みを消費し、美談に加工し、涙を要求する物語は好きになれない。そういう意味で、自分とは相性の悪い一冊だった。

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2025/11/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

君の膵臓をたべたい以来、2作目の住野よるさん著書。 よるのばけものってなんだろう!!!…という気持ちで読み進めたのですが、 「人は色んな面を持っているけど、それも含めて全部自分だよね」というものを分かりやすくするための『よるのばけもの』でした。 話の進み方も面白くて、飽きずにも読めましたし、最後の一文の書き方は凄く好きでしたが、 この本は結局何を核心としたストーリーなんだ?という疑問(私の理解力がないだけかも)と、よるのばけものについてもう少し言及して欲しかった!!(クラスの人物の闇深なあの言葉の意味とかまだ伏線なところが結構あるように見受けられたが、回収されず) …ので星4にしました。 また住野さんの作品は読んでみたい!!

Posted byブクログ

2025/11/11
  • ネタバレ

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ヒロアカの作者描き下ろしの表紙に惹かれて購入。 「よるになると、まっくろで足が6本あって眼が8つのバケモノになってしまう」 あまりにも設定が好み!最初のワクワク感がすごい! どうなっちゃうの!なにするの! と、読み進めていましたが、本題はそこじゃなかった。 昼の自分。クラスに馴染むことに注力してそれができない人間はおかしいと思い込むことで安心を得ている自分。 夜の自分。馴染めないおかしな奴だと思っていた人間が自分と似た趣味をしていて、ちゃんと傷ついていたことを知って、昼の行動に疑問を持ってしまった自分。 人って一筋縄じゃないかないよね。あっちの面もあってこっちの面もあってどっちも自分だよね。 それを分かりやすくするための「よるのばけもの」だった訳で。 私が求めていたワクワクは消化されなかった。 ファンタジー好き!よるのばけものって何!?って人には向いていないかも。 今まさに学生生活を送る中学生くらいに読んでほしい本でした。

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2025/11/04
  • ネタバレ

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いじめを黙認している、だけどそれに嫌悪感を抱いている、だけど皆に嫌われる勇気もない。 そんな、どこにでもいる人間。 だけど、彼は化け物になることで変われた。 それでも、いじめがなくなって円満!みたいな無理な終わり方じゃないところが、住野よる先生の良さ。 挨拶を一言返す。傍から見ればなんてことはないけれど、クラスでいじめられている人間に挨拶することは、自分がいじめられることに直結する。 それでも、彼はそれを選んだ。 何も決められていないと言っていたけど、彼は変われた。 それが後にどんな展開を生むかは分からないけれど。 矢野さんの個性についてや、笠井の考えてることについて、明かされなかったのもリアリティがあると思った。 綺麗にネタばらしをして終わるんじゃなくて、現実と同じように、自分からの視点でしか分からない物事。 それが、この物語の先に余白を作っていて良かった。

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2025/11/03

ヒロアカ作者のイラストカバーが何故か気になって購入。住野よるさんの作品は初めて読んだ。 不思議な没入感がある作品。矢野さん本人からの悲惨さの無さと、2人の会話が意外なテンポのよさを出すから読み進めていける。 怖いと笑うの、にぞっとする。 私は学校という場から離れて久しいけど、在学...

ヒロアカ作者のイラストカバーが何故か気になって購入。住野よるさんの作品は初めて読んだ。 不思議な没入感がある作品。矢野さん本人からの悲惨さの無さと、2人の会話が意外なテンポのよさを出すから読み進めていける。 怖いと笑うの、にぞっとする。 私は学校という場から離れて久しいけど、在学中だったら息苦しく感じただろうか。読了して解放されただろうか。 不思議が不思議のままだから好き。 それがそのままあてはまる コナンと金田一、どっち派? ネウロ派 回答が秀逸。

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2025/11/03

化け物になるというファンタジー要素が薄れるぐらいの酷な現実世界。 昼の顔、夜の顔、どちらが本当の自分だろうか? 自分ならどう行動するだろうか? 軽いようで重たいクラスの空気感が。。

Posted byブクログ

2025/11/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

気持ちよくは読めなかった。 ムズムズ、イライラ、椅子に座って読んでいたら貧乏ゆすりをしていたに違いない。 いじめのある日常と、それを受け入れる子供たち、黙認する大人たち。いまや様々な作品で描かれる光景だが、本作のそれは特に異様に感じた。主人公たちの通う教室では、「見て見ぬふり」が許されない。制裁という名のいじめに対して、積極的な加担がなければ擁護とみなされる。その異様なまでに蔓延する処罰感情は、私にとってはやはり異様で、違和感として没入を阻害した。 私が世間を知らないだけかもしれないが、とにかく私は本作の教室に馴染めなかった。唯一共感できたのは、主人公が抱く矢野への苛立ちだけ。負の感情について共感するというのは、あまり気持ちのいいものではないのだなと気付いた。 しかし、後半の展開には惹き込まれるものがあった。特に「化け物」であることについて自問する主人公の独白は、この世界においてもあの教室は異常であることの示唆とも捉えられたし、そのことにあの教室の面々だけが気付いていない、集団らしい客観性の喪失にも思えた。だからこそ、「化け物」と「夜」という2つの非日常に触れて、日常からはみ出してしまった主人公だけが、その歪みに気付き、悩み苦しむ。まさに中学生らしい青臭い葛藤だが、そこで初めて私は彼に共感できた。(序盤、矢野に対する苛立ちを除く) 共感を欠いた私の視点は、大人の立場からの無責任なアドバイスだった。 「そんな友達絶交してしまえ」「どうせすぐ疎遠になる」「なんで行動しない?」 Twitterでよくみる光景だ。本人の心情も事情も慮ることなく、外野から正論を投げつける。正しいことなど、彼にとってはなんの意味も持たないのに。 物語に没入できない代わりに、私はそんな自分のことをぐるぐる考えるはめになった。物語として好きか/面白いかと問われれば素直にyesとは答え難いが、感想の綴り甲斐のある作品ではあった。 物語のラスト、小さな勇気を振り絞った彼の前途が幸福であることを願ってやまない。

Posted byブクログ