隠居すごろく の商品レビュー
気が短くて怒ってばかりのお年寄り、よくいます。糸問屋の旦那だった徳兵衛もそんな人です。待望の隠居生活に入っても仕事一筋で無趣味だったため、なにもする事がないという典型的な仕事人間。でもそれをかわいそうがった孫のおかげでドタバタな日々が始まります。得意な「商売」でいままでしてこなか...
気が短くて怒ってばかりのお年寄り、よくいます。糸問屋の旦那だった徳兵衛もそんな人です。待望の隠居生活に入っても仕事一筋で無趣味だったため、なにもする事がないという典型的な仕事人間。でもそれをかわいそうがった孫のおかげでドタバタな日々が始まります。得意な「商売」でいままでしてこなかった人との関わりを機に、第二の人生を生き生きと送ることになった徳兵衛は、孫に、そしてそれに関わった人達に、救い救われます、世の中はやっぱり情で回っているんだなと感じさせてくれる、気持ちいい読後感が残るお話です。
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とても面白くて時にホロリとさせられる人情噺みたいなほのぼの作品でした。 糸問屋の商いのほかに何の趣味も取り柄も持ち合わせていないと自他ともに認める徳兵衛だが、還暦を過ぎた61歳で自分も悠々の隠居生活に憧れて自ら宣言して現役を退く! 踏み切ったは良いけど時間の過ごし方に戸惑うばかり...
とても面白くて時にホロリとさせられる人情噺みたいなほのぼの作品でした。 糸問屋の商いのほかに何の趣味も取り柄も持ち合わせていないと自他ともに認める徳兵衛だが、還暦を過ぎた61歳で自分も悠々の隠居生活に憧れて自ら宣言して現役を退く! 踏み切ったは良いけど時間の過ごし方に戸惑うばかりの毎日。そこへ突然現れた孫の千代太(8歳)が激動の隠居生活に誘なう発端になり、千代太の成長と期せずして徳兵衛の再成長がシンクロして行く様子が面白おかしくて小気味よく展開する♪ 千代太とその仲間たちが巻き起こす騒動は想像以上の含蓄と影響を徳兵衛に与えて行くし、それを感受する感性を保有している徳兵衛もなかなかに素敵です。 あの高田郁のあきない世傳シリーズとどこか通じるものを感じながら読了。
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一歩進んだと思ったら、後ろに下がったり、振り出しに戻ったり。次々と起こる難題にみんなで知恵を出して、なんとか前に進もうとする。 読んでて元気をもらえます。温かい気持ちになれます。 シリーズ化なってほしいなぁ。
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待ちわびてた隠居生活だが、頑固で趣味なし、仕事一筋で、すぐに暇を持て余す。何か近い将来の自分を想像してしまう。 そこに、孫が絡んできて一変。笑いが止まらないまま、一気読み。笑いだけでなく、人情あふれる理想の老後。そんな風に生きたい。
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主人公の徳兵衛は 口うるさく ケチで生真面目 癇癪持ちで ほんとに嫌なジジイです。 この口うるさいじいさんが隠居した。 なんか 定年になったサラリーマンのよう 孤独だし 暇だし やることがない 遊びも道楽も友だちもいなかったので なにをしていいかわからない。 そこに孫の...
主人公の徳兵衛は 口うるさく ケチで生真面目 癇癪持ちで ほんとに嫌なジジイです。 この口うるさいじいさんが隠居した。 なんか 定年になったサラリーマンのよう 孤独だし 暇だし やることがない 遊びも道楽も友だちもいなかったので なにをしていいかわからない。 そこに孫の千代太が やってくる。 優しいけど 粘り強い 犬 猫を拾ってくるだけじゃなく 貧乏な子供たちも連れてくる。 貧乏な友だちを 可哀想と言って傷つけたのに気がつかない千代太 千代太は おじいさんが ひとりでいるのも 可哀想だから来てくれた。 可哀想と言われて傷ついて じいさんは 初めて この汚い子供たちに共感する。 まあ そのあとは 楽しいこと! 周りに心を開くことが 楽しいとわかり やっと 奥さんとも心が通じるようになる。 奥さんがいつ心を閉じたのか やっとわかる。 どんどん 楽しくなっていく小説です。
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商売一筋に生きてきた徳兵衛。思う存分隠居生活を楽しむつもりが、全く趣味が見つからず暇をもて余す日々。 しかしそんな退屈な日々も、孫の千代太が訪ねてきた日から激変。徳兵衛は人生のすごろくの二枚目を否応なしにはじめることになる。 最初は考え無しに犬猫、果ては人間まで拾ってくるお坊っ...
商売一筋に生きてきた徳兵衛。思う存分隠居生活を楽しむつもりが、全く趣味が見つからず暇をもて余す日々。 しかしそんな退屈な日々も、孫の千代太が訪ねてきた日から激変。徳兵衛は人生のすごろくの二枚目を否応なしにはじめることになる。 最初は考え無しに犬猫、果ては人間まで拾ってくるお坊っちゃんにイライラ。 でも徳兵衛が不器用ながらも教えさとすこと、それでも千代太が食い下がってくること、礼儀作法かまるでできていない子供たちの主張、それぞれに納得、教えられる部分があって、 なによりこの先どうなるのかと、きっとハッピーエンドだと分かっていても、子供たち、徳兵衛を応援する気持ちで一杯になって一気に読み進めた。 最後の一ページには思わずほろり。 良い話を読ませてもらった。
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待ち焦がれていた“隠居生活”を始めた、糸問屋の元店主・徳兵衛。 孫の千代太が隠居家を訪れたことで、徳兵衛の隠居ライフは思わぬ方向に向かい始めて・・・。 商い一筋に生きてきた頑固爺徳兵衛が、千代太が持ち込む“厄介ごと”に渋々対応していくうちに、気がついたら隠居家が、さながら“生活&...
待ち焦がれていた“隠居生活”を始めた、糸問屋の元店主・徳兵衛。 孫の千代太が隠居家を訪れたことで、徳兵衛の隠居ライフは思わぬ方向に向かい始めて・・・。 商い一筋に生きてきた頑固爺徳兵衛が、千代太が持ち込む“厄介ごと”に渋々対応していくうちに、気がついたら隠居家が、さながら“生活&就労支援センター”のようになっていく様が面白いですね。 生活に困窮している子供や女性達が再生して生き生きとしてくる様子は読んでいて心が温かくなります。 狡猾な大人に邪魔されながらも、貧しさ故に自分たちで働いて稼ぐために、色々思考を重ね協力し合い頑張る子供たちの姿には特にグッときました。 めちゃめちゃケチで石頭だった徳兵衛の変化や、優しいけれどボンボン育ち故の甘さがあった千代太の成長も微笑ましいです。 楽しく読めて、清々しい読後感の素敵な物語でした。
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糸問屋の主人「徳兵衛」は家督を譲り、のんびり隠居生活をスタートさせるが性に合わずすぐに飽き、遊びに来た慣れぬ孫を相手に四苦八苦しながら、第二の人生を楽しみ歩んで行く時代小説 現役時代には見えていなかった風景に気づいてゆく徳兵衛の姿が(自分の未来のようで)印象的な作品です
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念願の隠居生活を始めた糸問屋6代目の元主・徳兵衛と、溢れる優しさで犬猫だけでなく人まで拾って来てしまう孫・千代太の騒動+商売記。西條作品らしい優しさとテンポの良さが良い感じです。表紙絵が『しゃばけ』っぽいなぁと思ったら、中身も似てるというか…まぁ物の怪は出てきませんが(^_^;)...
念願の隠居生活を始めた糸問屋6代目の元主・徳兵衛と、溢れる優しさで犬猫だけでなく人まで拾って来てしまう孫・千代太の騒動+商売記。西條作品らしい優しさとテンポの良さが良い感じです。表紙絵が『しゃばけ』っぽいなぁと思ったら、中身も似てるというか…まぁ物の怪は出てきませんが(^_^;) 店を背負っての商いと、隠居後に楽しんでやる商いとではずいぶん違うだろうと素人考えでも分かりますが、それをしみじみ知れて良かったね徳兵衛さん。
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老舗の店の主人を息子に譲り、隠居となって静かに独り余生を送ろうと思っていたところに、世話好きの孫に巻き込まれ、沢山の子供やその家族に関わる事になる。 商いの面白さも再発見。 思い描いていた余生とは異なるが、最後まで前を向いていた御隠居さんが清々しい。
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