自己啓発をやめて哲学をはじめよう の商品レビュー
自己啓発と哲学は表裏の関係にあり、自己啓発は歴史のある貧困ビジネスという視点に惹かれ読んだ。本来の意味がある自己啓発はちゃんとあるはず。自分の自己啓発が作者の言うような、溺れている者に対して藁を売る貧相なものでないと思いたい。
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タイトルに惹かれて読んでみました。自己啓発と哲学の対比がうまく表現されていて、とても説得力があります。後半は哲学を深掘りしており、色々と興味深い内容が書かれています。私が気になったのは『成人発達理論』です。縮約するとこんな感じです。 ハーバード大学のロバート・キーガン博士らは...
タイトルに惹かれて読んでみました。自己啓発と哲学の対比がうまく表現されていて、とても説得力があります。後半は哲学を深掘りしており、色々と興味深い内容が書かれています。私が気になったのは『成人発達理論』です。縮約するとこんな感じです。 ハーバード大学のロバート・キーガン博士らは、大人の成長を五つの段階に分けて考える『成人発達理論』を提唱しています。 ①具体的思考段階・・・言葉の獲得と、それによる基本的な思考段階 ②利己的段階・・・自分以外の他者を、自分の欲求を満たすための道具として考える段階 ③他者依存段階・・・自らの選択を、社会や組織の常識にゆだねようとする傾向を持つ段階(成人の70%が、この段階からの脱出に苦労している) ④自己主導型段階・・・自分の価値観に従って、自律した人生を送ることができる状態 ⑤自己変容段階・・・自分の成長に対する興味を失っている特徴があり、より哲学的。自分の価値観を越えており、自分自身を他者と同じように観察できる状態(到達できている人は1%以下) ③と⑤は似て非なるものです。自覚症状は明らかに異なりますが、外見で見分けるのはなかなか難しそう...。少なくとも目指すべきは⑤ですね。そして「役に立たないことこそ、私たちにとって唯一の希望なのです」の一文、我が意を得たりです!最近、役に立たない事ばかりやっているのですが、どうやら正しい道のようでした(^^;
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哲学とは?自己啓発とは?哲学と自己啓発の違いとは?を万人に分かる説明で教えて いる。自己啓発ビジネスは著書と同じ判断であるが、自己啓発そのものはネガティブにはとらえなくてもいいのかな?というのは感じた。自分に対して自分を知る勉強のことでもあるので、そういった意味ではポジティブな方...
哲学とは?自己啓発とは?哲学と自己啓発の違いとは?を万人に分かる説明で教えて いる。自己啓発ビジネスは著書と同じ判断であるが、自己啓発そのものはネガティブにはとらえなくてもいいのかな?というのは感じた。自分に対して自分を知る勉強のことでもあるので、そういった意味ではポジティブな方向に考えたい。
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※このレビューにはネタバレを含みます
「自分こそが正しいという人間を確実に不幸にする態度を哲学はかなりの程度まで減らすことができる。自分より重要ななにかを発見するための手段であり、自分自身よりも重要なもののために生きるという救済の道」 「自分というつまらないものを探求することをやめにして、この世界という素晴らしいとものを探求しよう」 示唆に富んだ表現が多く、知的態度を見つめ直すきっかけになる。 ただ、著者が自己啓発を憎みすぎている(笑)ことがややノイジーである。自己啓発の定義もやや曖昧で切れ味が悪い。イメージとして共有はできるがそんなに言わなくてもいいと思うのだが。 「自分の中にある「うまく言葉にならないけど、なんだか知っている気がする」というきづきを、簡単には疑えない言葉にする試みが哲学」 という言葉にとても感銘を受けた。「なんだか知っている」を放置せずに向き合っていきたい。
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自己啓発という言葉のせいで著者の意見にかなり偏りが出てしまうようにみえるのが勿体無いなと思ったがそれこそが狙いなのか? 本書の最初と最後では人の人生の大きな流れは変えることができないという主張の上でそれでも自己の外側の理解を深めるために哲学を学ぼうというように受け止めた。 中盤...
自己啓発という言葉のせいで著者の意見にかなり偏りが出てしまうようにみえるのが勿体無いなと思ったがそれこそが狙いなのか? 本書の最初と最後では人の人生の大きな流れは変えることができないという主張の上でそれでも自己の外側の理解を深めるために哲学を学ぼうというように受け止めた。 中盤は自己啓発というよりオカルトや引き寄せの法則など科学的根拠のないものへの批判に思え、そのすべてを自己啓発として括ってしまっているので偏りを感じてしまった。 とはいえ著者の主張は面白いし、哲学を扱っている本にしてはかなり楽に読めた。
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初めて、というか久しぶり?に途中で読むのをやめた。 自己啓発=弱者につけこんだ宗教である、みたいな論調で話が進んでいくのだが、なまじデータなどを持ってきて科学的に根拠がある風に書いてあるくせに完全に個人の主観で決めつけ論を偉そうに語っている。読んでいて甚だ不快で、読むに耐えない内...
初めて、というか久しぶり?に途中で読むのをやめた。 自己啓発=弱者につけこんだ宗教である、みたいな論調で話が進んでいくのだが、なまじデータなどを持ってきて科学的に根拠がある風に書いてあるくせに完全に個人の主観で決めつけ論を偉そうに語っている。読んでいて甚だ不快で、読むに耐えない内容であった
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自己啓発が貧困ビジネスであるということは全くその通りだと思うし、こうして否定すると余計躍起になるところが厄介だなあと思う。可能性を広げるのも大事だけどこうした本当のことを述べるのは重要だと思う。
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「自分というつまらないものを探求するのをやめて、この世界という素晴らしいものを探求しよう」という考えから、 自己啓発=自分探しをやめて、哲学=世界の真理探究を勧める本。 著者の見識が紹介されており興味深い部分もある。 一方、自己啓発=悪、のように決めつけているところには違和感...
「自分というつまらないものを探求するのをやめて、この世界という素晴らしいものを探求しよう」という考えから、 自己啓発=自分探しをやめて、哲学=世界の真理探究を勧める本。 著者の見識が紹介されており興味深い部分もある。 一方、自己啓発=悪、のように決めつけているところには違和感もある。
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前半は著者の自己啓発に対するアンチな感じがリズミカルだった。自分自身を変えられるというのは嘘。変えられる可能性があるとすれば他者の環境になっている場合のみというのは結構本質的。頑張れば自分は変えられるっていう意識の隙を突くのが悪徳啓発ビジネスだから。 後半はサクッとした哲学史とキ...
前半は著者の自己啓発に対するアンチな感じがリズミカルだった。自分自身を変えられるというのは嘘。変えられる可能性があるとすれば他者の環境になっている場合のみというのは結構本質的。頑張れば自分は変えられるっていう意識の隙を突くのが悪徳啓発ビジネスだから。 後半はサクッとした哲学史とキーガンの成人発達理論など急にリズム感無くなる。
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※このレビューにはネタバレを含みます
初めて著者の本を読んだ。実直に書かれていることに好感を持てるし、論理的な展開と無駄のない文章で読みやすい。なので買ってその日に一気に読めてしまった。自分で分かっているけど明文化してこなかったことをスパッと言われた感じ。他人の頭で考えてしまった感じ。(ここちょっと罪悪感) フォレスト出版がこれ出すのかよ!っていうツッコミに対する背景は、はじめとおわりに書かれている。もしかしたら出版元ももがいているのかもしれない。 仏教のことはよく知らないが、自分のうちではなく外に求める態度は、どこか無私の境地に近いし、発達段階理論を持ち出し最後の段階の説明のところからも、そう感じる。世界への興味、という点は分かるけど、その先(あるいは手前)にある、世界と自分との関わり、が本当の興味ではないのだろうか。 氏がちょくちょく名前を出すキルケゴールの哲学も、実在主義としてそう考えたものではなかったっけか。 と書いたが、一方で。私への興味が残るからそう考えるのであって、純粋に対象そのものへの興味に昇華されれば、あるいはそうしたものに出会えれば、自分との関わり、という観点は消えるのかも。それもありか。
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