藻屑蟹 の商品レビュー
テーマが重い予感がしていたので、読みたいと思いながらもずっと手が出なかった。重い腰を上げて読み始めたら、止まらなくなり1日で読了。 エンタメ寄りに書かれていて物語として面白いが、震災後の人々を取り巻く描写、特に立場の違いによる対立構造は考えさせられるものがあった。 藻屑蟹とヤマメ...
テーマが重い予感がしていたので、読みたいと思いながらもずっと手が出なかった。重い腰を上げて読み始めたら、止まらなくなり1日で読了。 エンタメ寄りに書かれていて物語として面白いが、震災後の人々を取り巻く描写、特に立場の違いによる対立構造は考えさせられるものがあった。 藻屑蟹とヤマメの描写がとても記憶に残った。
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この作者は、現時点での最新作「救い難き人」から読み出し、受賞して最初に話題となった本作を読んだ。かなり遅咲きのデビューも、初期の文章はまだ若く無駄や邪心の見える初々しいものでした。ただ、ある種の使命感を感じるだけで無くエンタメ性も考えられた文章です。
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除染作業員、原発避難民、東北の苦悩の一端を知る事ができたと思う。大好きな仙台、まだ訪れたことの無い福島。どちらも必ず行こう。
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特に急展開!という訳でもないのに、終盤は主人公の心理描写にドドドッと惹きつけられた。 震災と原発事故の被災者に対する支援金などの闇部も描かれ、どこまでが事実なのかはさておき、賛否両論になる事を厭わず描き切った作者の覚悟は凄い。 ただ個人的にはラストシーンがちょっと尻切れトンボに感...
特に急展開!という訳でもないのに、終盤は主人公の心理描写にドドドッと惹きつけられた。 震災と原発事故の被災者に対する支援金などの闇部も描かれ、どこまでが事実なのかはさておき、賛否両論になる事を厭わず描き切った作者の覚悟は凄い。 ただ個人的にはラストシーンがちょっと尻切れトンボに感じる。アレが良いという人もいるだろうが。
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福島原発事故後のメディアがあまり報じない現実。 地震や津波に直接被災していなくても心が壊されてしまった人達もいたんだな・・・。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
原発の除染作業員の経験がある赤松利市の大藪春彦新人賞受賞作。デビュー作なのに文章力、表現力がある。原発の廃炉作業にともなう利権に群がる人々の群像劇かと思ってよみすすめたら、最後は市民の矜持が勝つという話だった。 長年、原発の作業に従事して被曝、そして自殺。 原発の除染に関わる利権を手にして、疑心暗鬼そして暴殺される。そして主人公は原発で家族を失ったキャバクラ嬢と第二の人生を生きようとする。 ミステリー仕立ての話の展開も読ませる筋だった。
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途中暗くて心が折れそうになってからの最後のスピード感、すごかった。 そして作者の経歴を知らず(激レアさんも見てたのに気付かなかった。。)、びっくり。
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面白すぎて1日で読み終わる。 地の文で、俺たちは虫けら以下だな。とか書いちゃう。「てにおは」の使い方も独特。そこがなんだか面白く読んでいて飽きない。 そのせいか、リアリティがありドキュメンタリーを見ているかのよう。と思ったら著者は本当に除染作業員だった。 痺れた。
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原発が爆発して、大変なんだなとしか思わなかったあの頃。当時、その地域で何があったのか、少しだけわかった気がした。そして、それは決して感動するドラマではない。
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非常にショッキングな小説だった。文章の力も強く実際に原発の作業員だったらしく 内容が濃かった。年末に一気読みした。
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