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カゲロボ の商品レビュー

3.5

89件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

    25

  3. 3つ

    42

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    1

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2020/03/05

こういう感じか…。というのが率直な感想。純文学に近いのかな?貪欲に、自己表現に徹しようとしている人の作品に触れるときは、ちょっと心の準備というか覚悟がないとしんどい。基本的に「さあ、楽しませてくれ!」という心持ちで読んでいるから、著者の魂みたいなものをボーンとぶつけられる作品に出...

こういう感じか…。というのが率直な感想。純文学に近いのかな?貪欲に、自己表現に徹しようとしている人の作品に触れるときは、ちょっと心の準備というか覚悟がないとしんどい。基本的に「さあ、楽しませてくれ!」という心持ちで読んでいるから、著者の魂みたいなものをボーンとぶつけられる作品に出逢うと、おおぉ…ってなる。それでいて短編集だから、よりしんどい。設定自体はどの短編集も身近だから、入りやすいのだけど、その世界観に浸るまでの間に一編終わってしまう。純文学の短編集は、すっごくキツイなあと感じました。読んでいる間は、耽れるのだけど。

Posted byブクログ

2020/03/04

近未来のお話なのかな? 実はロボットが人間の生活を影から見守っていて危機があると助けてくれる。 そんなカゲロボの話は都市伝説でしかない。 でも、あのときのことはもしかしたら…カゲロボだったのだろうか… 連作短編にもなっていて… AIが注目されている現代では、近い将来、ロボット...

近未来のお話なのかな? 実はロボットが人間の生活を影から見守っていて危機があると助けてくれる。 そんなカゲロボの話は都市伝説でしかない。 でも、あのときのことはもしかしたら…カゲロボだったのだろうか… 連作短編にもなっていて… AIが注目されている現代では、近い将来、ロボットと人間は共存することになるのかもしれない。

Posted byブクログ

2020/02/13

タイトルと装丁に牽かれて読んでみました。ディック・ブルーナっぽいかわいいタッチなのに二人とも笑顔じゃなくて、笑顔じゃないから可愛いくなり過ぎず絶妙のバランスなのだな、と読み終わってから思いました。短編集なのですがそれぞれの表題が身体にまつわる名称で一貫性があるのねと思ったら、少し...

タイトルと装丁に牽かれて読んでみました。ディック・ブルーナっぽいかわいいタッチなのに二人とも笑顔じゃなくて、笑顔じゃないから可愛いくなり過ぎず絶妙のバランスなのだな、と読み終わってから思いました。短編集なのですがそれぞれの表題が身体にまつわる名称で一貫性があるのねと思ったら、少しずつずれながらも世界がゆるやかに繋がっていて好きな構成でした。面白かった!と手放しで言うには少し不穏な話なのだけれど、ちょっと立ち止まって考えてみればそういうことって今もあるんじゃないの?!っと思えてしまうような日常性。悪意とまでは言い切れないもののズルさとか残酷さ、無関心に無神経、というざらつく感情が描かれています。毎日過ごしている家の絨毯の端をなんとなくめくってみたら酷く汚れていた、みたいな、想像はつくけれど知りたくなかったというような気持ちになりながら読みましたが、ハコジマこと中島君が出てくるお話には共感したりして、この一篇があって良かったなと思いました。初めて読んだ作家さんでしたが他の作品も読んでみたいです。

Posted byブクログ

2020/02/10

うーん、分かった様な分からなかった様な~「はだ」自殺した女子中学生をすぐに忘れていく同級生の中でGだけが憶えていようと手にマーカーで名前を書いていた。自殺した子は万引きをした死んだ子から品物を奪っていたのだ。フィールドワークで船に乗った三人組は邪魔なGを海に突き落とそうとして失敗...

うーん、分かった様な分からなかった様な~「はだ」自殺した女子中学生をすぐに忘れていく同級生の中でGだけが憶えていようと手にマーカーで名前を書いていた。自殺した子は万引きをした死んだ子から品物を奪っていたのだ。フィールドワークで船に乗った三人組は邪魔なGを海に突き落とそうとして失敗し、一人が海に落ちたのだった。「あし」身体の大きなチカダは小さな賢に難癖を付けて虐めている。猫の足を切り落としたら許してやるというので、実際にやったら、命じたチカダの方がおかしくなっていった。「めぇ」惚け老人の真似をしてマンションから出てきた政治家に抱きついた友子は金魚を預かったが、それは機械仕掛けだった。「こえ」殴った相手の中島の代わりに席に置かれている箱の世話を命じられ、修学旅行中も世話をしたが、同じ班の軽い奴が世話を申し出て、置き去りにしてしまい、壊れた代わりに中島が登校。「ゆび」電車で痴漢に触られた快感が忘れられない女が、終末医療施設でAIに希望して対面したのはイボイボ付きのシートだった。「かお」離婚した両親はミカとミカⅡのロボットとそれぞれ暮らしていたが、母が選んだのはロボットが本物か、迷った挙げ句に交換がなされた。「あせ」「かげ」チカダの息子はAI搭載の植物の世界を小説に書いていたが、高校生になって、無視する担任を廊下から突き落としてしまった。「きず」マナミは賞を獲らせまいとしている妹の願いを叶えるために、震災後の小説家の家を訪ねるが、諦めて帰る道すがらに出会ったのはGで、中学時分から見守ってきたのだという~結局よく分からなかった。繋がっていたり、いなかったり。

Posted byブクログ

2020/01/10

生活圏に紛れ込んでいる、人工的に作られた人型ロボットがいて、沈んでいく心を解放してくれる?? みたいな短編集。 人にそなわっている良心?生命力の強さ? いずれにしても、自分の中で解決していく強さ。

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2020/01/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ドラマ「すいか」や「野ブタにプロデュース」などで有名(?)な木皿泉さんのオリジナル小説!表題にある「カゲロボ」が関係あるのは収録されている2編だけで後はあまり関係ないのだけれど、最後の最後で1編目の登場人物が再登場してくる展開にはガーンとヤラレました…。これだけで星一つ分は評価上がりましたよ!

Posted byブクログ

2019/12/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「カゲロボ」いるのかなあ… いてくれたらいいなあ。 微妙につながっている物語があり、立場で世界のとらえかたがとても変わってくることに改めて怖さを感じた。あしとかおとかげが好きですね。

Posted byブクログ

2019/11/30

昔ドラマで見た、サトラレを何故か思い出した。 同級生が自殺したことを忘れないために、手に自殺した子の名前を書いた女の子。 その女の子が人間を監視するロボット(カゲロボ)ではないかと、学校で噂になる。 カゲロボだと噂が流れると、周りの態度が変わっていくのが怖かった。

Posted byブクログ

2019/11/25

木皿泉の短編集。初読みの作家さん。 非常に不思議な雰囲気を持っている小説だった。ライトSFファンタジーという括りになるのだろうか。 本書の背景としては、人間や動物にそっくりなアンドロイド(AIロボット)が人知れず世の中に忍び込んでおり、人間の生活を監視しているというお話だ。 ...

木皿泉の短編集。初読みの作家さん。 非常に不思議な雰囲気を持っている小説だった。ライトSFファンタジーという括りになるのだろうか。 本書の背景としては、人間や動物にそっくりなアンドロイド(AIロボット)が人知れず世の中に忍び込んでおり、人間の生活を監視しているというお話だ。 一つ一つな話がハートフルで、心がふんわりと温かくなる感じである。 AIロボットが監視しているなどというとジョージ・オーウェルの名著『1984』のようなディストピア社会をイメージしてしまうが、この小説で描かれる世界はもっとごく普通の「AIロボットなどあくまでも都市伝説だろ」と一笑されてしまうような現代世界に近い社会である。 そんな普通の暮らしのなかで、   いじめを助けてくれた同級生が実はアンドロイドではなかったのか?   今、目の前を横切った猫は実はAIロボットだったのではないのか? と、後になって考えてみれば「もしかしたら」と考えてしまうようなごくごく弱い違和感というか、不思議な感覚が得られるのである。 『SFハートフル短編集』などというジャンルまだないのかもしれないけれど、気がつかない間にちょっとした時間旅行をしてしまったかのような、少し得した気分になれる小説だった。

Posted byブクログ

2019/11/18

短編集だったけど、どの物語も素晴らしい!! 最初は、「あら、SFなのね、う~ん…」 とテンションを下げてしまったのだが。 そこはやはり木皿さん。 もう、間違いなかった、 とにかく宝石のような台詞が あらゆる場面で出てくる。 一人でもいい、 自分のことを見ていてくれる存在って...

短編集だったけど、どの物語も素晴らしい!! 最初は、「あら、SFなのね、う~ん…」 とテンションを下げてしまったのだが。 そこはやはり木皿さん。 もう、間違いなかった、 とにかく宝石のような台詞が あらゆる場面で出てくる。 一人でもいい、 自分のことを見ていてくれる存在って これほど安心感を与えてくれるものなのか。 涙が勝手に出てくる感じ。 どの世代にも響く素敵な一冊 何度でも読み返したくなる 人類の必読書。 ほんと、みんな読んで~~。

Posted byブクログ